顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

芭蕉句碑と愛宕山神社

2019年10月20日 | 俳句

笠間市岩間の愛宕山(305m)山頂にある愛宕神社は、社伝によると大同元年(806)徳一大師の開山と伝わります。



中世の沿革は不詳ですが常陸大掾氏、江戸氏、佐竹氏などその時代の領主の崇敬を受けたともいわれ、江戸時代にはこの地の領主で土浦藩主土屋氏が特に崇敬したといわれています。

愛宕山には昔、天狗が住んでいたという伝説があり、天狗にちなんだ話や山全体が密教系修験道の霊場としても知られていました。

愛宕山頂上駐車場の二番目の鳥居をくぐると急な階段がありますが、正式の参道は中腹にあります。

愛宕山を開いたと伝わる徳一大師の宝塔です。平安時代前期の法相宗の僧、最澄や空海との法論で知られています。

300mからの眺望です

本堂裏手の飯綱神社脇に芭蕉句碑があります。
夏来ても只一ツ葉の一ツかな

貞享5年(1688)に岐阜県長良川の旅路で詠んだもので、寛政7年(1795)茨城町野曽の佐久間青郊によって芭蕉没後百回忌に建てられました。

ヒトツバ(一ツ葉)は関東以西から琉球列島に分布する単葉のシダ植物で、この地方にも自生が見られると茨城県自然博物館の資料に載っていました。
「夏になって木々が葉を茂らせているのに、一ツ葉だけは葉が一枚のままで淋しいのは我が身と同じだなぁ」というような意味でしょうか。
写真はWikipediaからお借りしました。

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