三年ぶりくらいに焼森山(423m)周辺を歩いてきました。ここは八溝山地鶏足山塊といわれ、城里町と栃木県茂木町の県境に位置し、鶏足山(430m)とともに近辺では人気の低山です。
春の訪れの速さは個人感覚で約2週間、雑木林の登山道を覆う満開のタチツボスミレ(立坪菫)とヤマブキ(山吹)にまず胸がときめきます。
マルバスミレ(丸葉菫)はその名の通り、葉が丸いのが特徴、いわゆるシロスミレの長い直立した葉で区別できます。
まだ蕾のハナイカダ(花筏)はミズキ科の落葉低木、花が筏に乗っていると先人が付けた風流な名前で晩春の季語ですが、同じ名の季語では「散った桜が水に浮かんで筏のようだという」花筏の方が一般的には知られています。
【番外編】 偕楽園公園の丸山橋のたもとに集まった花筏です。
雲も水も旅をしてをり花筏 相生葉留実
花筏寄りつ離れつ澱みつつ 中村苑子
花筏寄りつ離れつ澱みつつ 中村苑子
さて、登山道のクサボケ(草木瓜)は別名シドミ(樝)、庭植えのボケの同属です。枝には棘がありますが、林間で見かけるオレンジに近い緋紅色は鮮やかです。
ヤマツツジ(山躑躅)も咲き始めました。山歩きでは、この酸味のある花弁を歩行中につまんで食べたものでした。
ありふれたチゴユリ(稚児百合)ですが、アップで見るとさすがユリの名前の付く(イヌサフラン科)だけあって、気品と色気があります。
本日の収穫はコシアブラ、採取の鉄則「一芽は残す」は守りました。そして僅かなワラビ、いつもは連休の始めくらいの採り頃が2週間の前倒しです。
前者は天ぷら、後者はおひたしでビールと共に腹に美味しく収まりました。
後日談 食した次の日の新聞に、この地区のコシアブラから基準値を上回る放射能セシウムが検出され、販売した直売所で自主回収が始まったという記事が出ました。
もうすでに腹の中、しかも後があまり無い老躯の摂取なので気にしていませんが、津波による原発事故から7年も経って、しかも120キロ以上離れた自然の中にまだ残存している放射能の恐ろしさを再認識しました。