以前、現在の博士課程を始める前に、ヨンショーピン大学の経済学部にてリサーチ・アシスタントとして働いていたことがあった。スウェーデンの様々な公的機関や自治体から経済調査の依頼が経済学部のほうに寄せられるので、情報収集や統計処理などのアシスタントをするのが役目だった。
そのときに取り組んだ調査プロジェクトの一つは「スウェーデン高速鉄道計画」。ストックホルムからヨーテボリの間、それからストックホルムとヘルシンボリの間に高速新線を敷設して、350km出せる高速鉄道を走らせようという計画。そして、さらには、デンマークやドイツまで延伸させ、ヨーロッパ大陸の高速鉄道網と接続させるという壮大なビジョンだ。
この高速新線は、現在、X2000などが走っている幹線鉄道とは別のルートに敷設予定なので、予定される地域の自治体が集まって「推進協議会」を組織している。そして、高速鉄道によってもたらされるであろう経済効果や旅客・通勤量の変化などの調査を、それまでも何回かヨンショーピン大学の経済学部に依頼してきたのであった。
ただ、「推進協議会」はその調査結果をもとに政府に対して働きかけを行うものの、なかなか予算が付くことがなく、数年経つとキャンペーンを再び盛り上げるために、再び大学のほうに同じテーマで調査を依頼してくる、という繰り返しがここ10数年続いたようだ。
私が関わったのは、それらの一連の調査の一つ。沿線の人口や時間短縮効果などを推計モデルに当てはめて、計算したりした。
しかし、いつまで経っても政府の側で、積極的な動きが見られなかった。
------
でも、ついに実際の建設に予算が付くことになりそうだ!
第1ステージは、ストックホルムの南の集落Järna(ヤーナ)からLinköping(リンショーピン)の区間と、Göteborg(ヨーテボリ)からその東のBorås(ボロース)までの区間。
計画の全体像は図の通り。Stockholm(ストックホルム)からJönköping(ヨンショーピン)まで線路を引き、そこからさらにGöteborg(ヨーテボリ)とHelsingborg(ヘリシンボリ)のそれぞれに伸ばすというもの。現在、在来線を走るX2000で3時間かかるStockholm-Göteborg間が2時間に短縮され、5時間以上かかるStockholm-Köpenhamn(コペンハーゲン)間は2時間半に短縮されるという。
しかも、スウェーデンとデンマークの間は、2000年に完成した大橋と海底トンネルを使うのではなく、Helsingborg(ヘルシンボリ)とHelsingö(ヘルシンゴー)の間に海底トンネルを新たに建設する予定。
さらに言えば、デンマークからドイツの間は20km近くの海峡があるが(最短距離をとる場合)、ここにも海峡大橋を架ける計画が昨年、実際に動き出したところだ。
ただ、お金のかかる大きな計画のため、スウェーデン国内の部分の全線開通だけでも2025~2030年になりそうだと言われている。
この新線ができると、スウェーデンはストックホルム以南の国内航空路線が鉄道に取って代わられる、と言われる。なので、温暖化対策としての論拠もある。また、ストックホルムやヨーテボリ周辺の市がスムーズに結ばれることで、通勤・通学圏が拡大することも見込まれる。さらに、新線は旅客だけでなく、高速貨物列車にも利用される予定なので、トラック運輸からの鉄道運輸の切り替えが促進されるという期待もある。
気の長いプロジェクトだけれど、なんだか楽しみ。
(X2000の車内LANを使って書き込みをしていますが、画像が重くて、アップできない・・・)
そのときに取り組んだ調査プロジェクトの一つは「スウェーデン高速鉄道計画」。ストックホルムからヨーテボリの間、それからストックホルムとヘルシンボリの間に高速新線を敷設して、350km出せる高速鉄道を走らせようという計画。そして、さらには、デンマークやドイツまで延伸させ、ヨーロッパ大陸の高速鉄道網と接続させるという壮大なビジョンだ。
この高速新線は、現在、X2000などが走っている幹線鉄道とは別のルートに敷設予定なので、予定される地域の自治体が集まって「推進協議会」を組織している。そして、高速鉄道によってもたらされるであろう経済効果や旅客・通勤量の変化などの調査を、それまでも何回かヨンショーピン大学の経済学部に依頼してきたのであった。
ただ、「推進協議会」はその調査結果をもとに政府に対して働きかけを行うものの、なかなか予算が付くことがなく、数年経つとキャンペーンを再び盛り上げるために、再び大学のほうに同じテーマで調査を依頼してくる、という繰り返しがここ10数年続いたようだ。
私が関わったのは、それらの一連の調査の一つ。沿線の人口や時間短縮効果などを推計モデルに当てはめて、計算したりした。
しかし、いつまで経っても政府の側で、積極的な動きが見られなかった。
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でも、ついに実際の建設に予算が付くことになりそうだ!
第1ステージは、ストックホルムの南の集落Järna(ヤーナ)からLinköping(リンショーピン)の区間と、Göteborg(ヨーテボリ)からその東のBorås(ボロース)までの区間。
計画の全体像は図の通り。Stockholm(ストックホルム)からJönköping(ヨンショーピン)まで線路を引き、そこからさらにGöteborg(ヨーテボリ)とHelsingborg(ヘリシンボリ)のそれぞれに伸ばすというもの。現在、在来線を走るX2000で3時間かかるStockholm-Göteborg間が2時間に短縮され、5時間以上かかるStockholm-Köpenhamn(コペンハーゲン)間は2時間半に短縮されるという。
しかも、スウェーデンとデンマークの間は、2000年に完成した大橋と海底トンネルを使うのではなく、Helsingborg(ヘルシンボリ)とHelsingö(ヘルシンゴー)の間に海底トンネルを新たに建設する予定。
さらに言えば、デンマークからドイツの間は20km近くの海峡があるが(最短距離をとる場合)、ここにも海峡大橋を架ける計画が昨年、実際に動き出したところだ。
ただ、お金のかかる大きな計画のため、スウェーデン国内の部分の全線開通だけでも2025~2030年になりそうだと言われている。
この新線ができると、スウェーデンはストックホルム以南の国内航空路線が鉄道に取って代わられる、と言われる。なので、温暖化対策としての論拠もある。また、ストックホルムやヨーテボリ周辺の市がスムーズに結ばれることで、通勤・通学圏が拡大することも見込まれる。さらに、新線は旅客だけでなく、高速貨物列車にも利用される予定なので、トラック運輸からの鉄道運輸の切り替えが促進されるという期待もある。
気の長いプロジェクトだけれど、なんだか楽しみ。
(X2000の車内LANを使って書き込みをしていますが、画像が重くて、アップできない・・・)
飛行機より省エネですし元ASEAの技術はX2000で満足は出来ないでしょう。
仏アルストーム社も日本方式の電車AGVに転換しました。ボンバルディエもそうなるのでしょうか。
先日のスコーネの地図とかを印刷するのはどうしたらよいのですか。この地図は正確なものですね。典拠もあれば
>お国は日本から見ると真平らですから
>工費は安いし、駅は既存のを使えるし
>郊外だけを真っ直ぐ引けばよいのですから。
ただ、計画立案者の野望としては、高架やトンネルなどによって踏み切りをすべて無くしてしまいたいようですよ。
典拠は、
http://www.dn.se/DNet/jsp/polopoly.jsp?d=1042&a=748579&rss=554
http://www.dn.se/DNet/jsp/polopoly.jsp?d=1042&a=741575
です。
それぞれのページの半ばに「grafik」と書いてあるので、クリックしてください。