私は経営者とはいえ雇われの身なので被雇用者なのですが、上海華東師範大学という国家重点大学を背景にした組織に終身雇用に限りなく近い条件で居るので(中国の労働法では二度の期限の有る雇用契約を結ぶと、三度目は無期限の雇用契約=終身雇用契約を結ばなくてはならない)今の所、起業(宮東軟件の再起動)以外の自分の就職活動は予定していません。
私自身、一般の採用基準から見ると、たいした学歴では無く(札幌大学中退で日本映画学校卒)、徒弟制の映像業界に先生の紹介で弟子入りしたので、実は学生時代に就活をした事がありません。
(でも、転職時の運は格別だと思っています。それなりにトロフィーも獲っていますし。)
しかし、日本に居る上の娘がそろそろ大学3年の就活期なるものを迎えるので、日本の就活状況を来海した各大学の先生達との御話などを通じてリサーチしていたのですが、本当に絶望的なほど酷い状況であることが判ってきました。
中国では人間関係を使って就職口を見つける事が習慣的に行なわれていますが、(というより営業職などは、社員の人間関係がビジネスでプラスになる事に期待して採用。日本でも宣伝広告業界では同じ傾向にありますね)日本では、一斉試験選別、短時間面接の悪平等で採用を決めています。
とある日本の国立大学の教授のお話では、大学4年生の卒業研究の時間の半分は就職活動で拘束されており、満足な研究実証のスケジュールを取る事が出来ないそうです。
そんな状況で就活しても、半数近い企業が正社員採用をしないので、過当競争を招いています。
更に就職ビジネス業界が煽っているので、二十歳を過ぎたばかりの若者は右往左往するばかりです。
初めて就職する学生(つまり翌年度の新入社員)にとって、非常に過酷な精神的圧力を加える就活という「行事」が日本の労働活力を奪っている様に思えてなりません。
高度成長期の成人行事「就活」を社会全体が惰性で続けているから、衰退するのも当たり前ですね。
二十二歳の時点で、周囲を取り巻く環境が大きく異なる上海のインターンと自分の娘を見比べると、娘が不憫になります。
まぁ、本当に娘が日本で仕事先に困ったら、いっそ中国に呼べば良いだけなのですが。
なぜ、娘を想ったか・・・それは今日は雛祭だったからでした。
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