上海で日本語を話している中国の若者達

中国人に囲まれて日本語で通していく日常の出来事を書き綴っています。

非実在青少年について

2010年03月12日 | 日記
今回の「非実在青少年」の件には驚きました。

冷静かつ理性的な社会人であれば、犯罪行為となる自らの邪な欲望から想起した様々な妄想を現実の行動に起す様な事は、自己抑制します。
(もっとも、多感な思春期の青少年の多くは、己の性のリビドーを押さえ込む為に、往々にして引篭ってしまうのですが。)

凄惨な少年少女が被害者となる犯罪を引き起こした犯人を取り巻く様々な社会的な原因を解決できない行政側のストレスを、マイノリティなローカルメディアを生贄にして、解消するのはやめた方が良いと思います。

「非実在青少年」が個人の妄想を筆の力を借りて表現著作物として現在化したもの全てを対象にするのであれば、「源氏物語」や「痴人の愛」を焚書にするのでしょうか。(「若紫」は紫の上が10歳の時の姿、「ナオミ」は15歳ですよ。)

日本の誇る世界最初の女流文学作品が読者の性癖に必ず悪影響を与えるのならば、日本では千年前から幼女性愛がスタンダードと云う事になります。(日本は千年間も続く変態国家ですか?)
万人には万人のセクシャリティが有ると思います。
狭隘な発想で他人の頭の中身をあれこれ詮索・統制するのは、民主国家のする事では無いでしょう。
(極めて教条的な閉鎖社会的発想だと思います。)

今回の条例施行の暁には、危険な妄想を駆り立てる悪書として、義務教育の国語教科書を全て回収し、日本版文化大革命でも起こすのでしょうか?

(そもそも条例案の討議したご本人からして、著作物の登場人物から実際の行動を想起してしまうという事は、ご自分自身も犯罪者予備軍だと宣言しているのに等しいのではないでしょうか?)

私も大学生と高校生という年頃の娘2人持つ親ですが、憲法で保障された「表現の自由」を真っ向から否定する東京都の青少年育成条例には反対です。
個人の自由な表現物を取り締まるより、万人の理性を一時的にでも阻害する酒類の販売や街中に氾濫する金属玉を使ったギャンブルを取り締まっては如何なものでしょうか。