現在息子は、高校で日本語クラスを受講中。
そもそも幼少期から殆ど言葉が出ず、3歳で語彙数は10前後。もしかして一生しゃべらないのではと心配したこともあったが、今はコミュニケーションや会話のぎこちなさ、発音の不明瞭さはあっても、ほぼ人並みに発達。
自閉症で二ヶ国語をマスターするのは大変なのではと配慮し、英語を中心とした環境の中で育ててきたが、15歳になって初めて本格的に日本語を勉強させることにする。
これは、日本語クラスの宿題のプロジェクト。日本語の基礎会話の教材をつくり、それを使って4人の人に簡単な会話を教え、その成果をテープに録音し提出するというもの。
ひらかなをタイプするところの手伝い以外は、ほとんど一人でやり遂げたのにはびっくり。特に色画用紙を同じサイズにペーパーカッターで切ったり、フォントサイズを調整しながら会話をひらかなとローマ字を使ってワードで打ち込み、印刷したものを色画用紙に糊付けして、1枚の表として作成したのはほめてあげたい。
昔から指や手の力が弱く、文字を書く、消しゴムで消す、まっすぐ書く、お菓子の袋を開ける、牛乳パックにストローを差し込むといったような日常生活の中で援助を必要とし、運動感覚療法の専門家のところへ定期的に訓練に連れていった時代を思うと、よく成長したものだと思う。
学校の宿題でいろいろ苦労しながら、自分でコツを覚えていったに違いない。努力が報われていく姿が見られるのは親冥利に尽きる。