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キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

「ウソ」が得意な自閉症児

2010-01-12 03:42:38 | 自閉症アメリカ教育事情
息子が小学校低学年頃までは、自閉症児は「ウソ」がつけないと信じていた。

自閉症者は、「自己と他者の識別、自分や他者の心の動きを推測する能力」と説明される「心の理論」に障害があるらしい。そのような息子に、人の反応を予測しながら、自分がトラブルにならないために、ウソをついたりだますという高度なことができっこないと思いこんでいた。それから社会観念としてよく言われる障害児=純粋=天使というイメージが、私の心の隅っこにあったに違いない。

ところが大きくなるにつれ、事情がだんだん変わってくる。叱られたくないための「ウソ」が増え、しかも顔色一つ変えず、淡々と「ウソ」をつくところが「達人」レベル。

二日前にこういう事件があった。息子が落ち着きのない様子で次のことを話す。

「誰かがボクのToonetown(http://play.toontown.com/about.php)のアカウントをハッキングしたみたいなんだ。そして、ボクになりすましてメッセージを送っているみたいなんだ。だからボク、自分のアカウントのユーザーネームとパスワード、急いで変えたんだ」

それから、またハッキングのこととか、アカウントのことを何度も話しに私のところにやってくる。なんだか様子がおかしい。話の内容が少しずつ変わってくる。そのうち、本当のことを打ち上けてくれる。

「実は、ハッキングされたというのはウソで、ボクが相手を中傷するような書き込みをしたから、4日間使用禁止というEmailをもらったんだ」

「いったい、なんて書いたの?」と聞くと

「What the heck!What the heck!What the heck!」と書いたらしい。

これは、「ちきちょう」とか「どうなってるんだ」という言葉で、hellの代わりにheckをいれて表現を緩和する言葉だが、それ程ひどすぎる言い回しでもないようだ。

(ちなみに、うちのダンナがイライラしている時によく使う表現なので、これは父親の責任)

この事件でしばらくお気に入りのゲームサイトへのアクセスが禁じられたのは、本人にとっては「オンラインゲーム熱冷まし」になって不幸中の幸いだと、ダンナと話していた矢先に、次の出来事が。。。

「お母さんの携帯貸して」
「いいけど、どこかけるの?」
「お父さんのところ」
「いいよ」


その晩、ダンナが息子の電話はウソで、実はゲームのカスタマーサービスに親になりきって電話をかけたらしい、と話してくれる。

ところが、カスタマーサービスは子どものウソ電話に慣れているらしく、「すいませんが生年月日を教えてください」のところで1996年と自分の生まれた年を言ってしまったらしい。それでバレてしまい、息子のウソは成功しなかったようだ。

ウソをついてまで、オンラインゲームをしたかったらしい。「ウソはいけません」と何度も教えているが、伝わっていないのが悲しい。



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パーティの夜、自閉症の息子は

2009-10-24 00:59:24 | 自閉症アメリカ教育事情
今夜、息子の中学では、7,8年生合同のダンスパーティが開かれる。

息子は「パートナーがいないから行かないよ」ということだが、参加者はみなカップルなのだろうか?仲良しの友達とつるんででかける子どもたちもいるだろうが、友達がいない息子にはそのオプションも考えられないのかもしれない。

「金曜日は夜12時までチップスを食べながら、ゲームバトルをしたいな」と前々から口にしていた息子。パーティに行かない理由を探しているのだろうか?

「友だち、誘ってみてもいいわよ。誰がいい?」

「いいんだ。一人でゲームする。」

一昨日、カウンセラーとのアポの時にこのことを話してみると、「良くないなぁ~。一人でゲームしても何にもならないね。なかなか友達ができないね~」と一緒に心配してくれる。

母親の心境としては、そういう息子をなんとか慰め、楽しい夜にしてあげたいが、どうしてあげたらいいのかと、悩む。

そういう時に限って、父親は出張。火曜日から土曜日まで留守なので、母子家庭の中、今夜の息子の励まし作戦を思い巡らす。
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自閉症児の作文

2009-09-24 04:08:21 | 自閉症アメリカ教育事情
高機能自閉症の息子が書いた宿題の作文です。自閉症児は、人や自分の感情を理解するのが難しいと聞いていましたが、今回のこの作文を読み、息子の自分の感情の洞察の深さに、夫ともどもびっくり仰天でした。

これは昨年、6年生の時に学校集会で、息子が「カラフルな洋服を着てくる」というコンテストで優勝し、みんなの前に出て特別席にしばらく座り、しかも景品にピザとドリンクをもらった経験を描いたものです。

Title: Moment of intensity

Today was a surprising and the most emotional day of my life. When I was waiting for the announcement for the winner for 6th grade best seat in the house I had butterflies in my stomach. “And the winner for multi color day is…” I was thinking in my mind please win, please win, please win. My face was red hot from all of the tension.

“…(My son’s name)”. I couldn’t believe my ears I just won the best seat in the house. People all around me started cheering and clapping. I felt happy, red hot and embarrassed all at the same time. I felt like it was all a realistic pleasant daydream. I pinched my just to make sure if this was a dream and it wasn’t. I actually won something special in my life for once.

When I walked down to the couch I felt like I was a celebrity or a president. Almost everyone was cheering giving me high fives and was clapping when I walked down the bleachers. I also felt like I was a hero or something. I got a taste of what it was like to be popular.

When I got to the couch It looked like a junk food heaven. The candy was spread all over the chair like a piñata just exploded on the couch. I could smell the gooey cheese, the tomato sauce and the dough from a mile away. When I sat down I felt like I just won the lottery.

When I took a bite of the pizza it tasted like I put a hose in my mouth with cheese coming out. As I pulled the pizza away the cheese attached to my mouth stretched between my mouth and piece of pizza. It was like eating melted string cheese.

From the couch I could see thousands of kids screaming, stomping, shouting and cheering the kids playing the games. It felt like this was a rock concert, the kids playing the game were the band and that I got vip seats. Everyone seemed to be making nonstop noise.

I felt really embarrassed but happy at the same time. It was a weird feeling that I never had in my life. My face was still red hot after the spirit assembly for some strange reason. I don’t know why I was so embarrassed the whole time.

During the assembly I felt like I was a king for 10 minutes. The 45 minutes felt like 5 minutes. I was having so much fun so it felt like I was pulled into a time warp. It seemed like my life was flashing before my eyes during the 45 minutes.

After the assembly when I gave the leftover pizza to kids it felt like I was throwing away money. I couldn’t walk home with the pizza so it felt like I was stabbing myself in the back. But I also felt good about it too. When I got a lot of friend offers it felt like I was the most popular kid in school.

Today was the most emotional day of my life. I was happy, embarrassed and excited all at the same time. It felt like I had a nervous breakdown in a good way. Winning the best seat in the house was the best day of 6th grade and also my life so far. I wish I could repeat today.
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自閉症児の長期的課題:友だちづくり

2009-06-26 02:21:19 | 自閉症アメリカ教育事情
昨日は久しぶりのお天気でプール日和。

この地に引越しして2年足らずの私たちには、まだあまり友人がいないが、昨日は珍しく二人の友達からプールに行こうと誘われる。

私たちはアメリカに移住して11年。その間引越しを8回繰り返したので、その度に学校、医者、小児科、歯医者、目医者、カウンセラー、チャーチ探しに時間がかかってしまうが、友人づくりもその一つ。

普段から、友人のいない自閉症の息子のことを考えて、同年代の子どものいるお母さんに「遊びに行く時はぜひ誘ってくださいね」、と声をかけておいたのが幸いしたみたいで、息子と同じ年齢の子どものいるお母さんに最初に声をかけてもらう。

一緒に公園でピクニックランチをしてから、室外プールで泳いだり、ダイビングしたり、浮き輪で遊んだり、子どもたちは大喜び。

しかし、当の本人たちは、全く会話がなく無言のまま時間が過ぎる。。。
時間が経つうちに、同じ学校の男の子たちもプールに来ていたので、いつの間にか友人の息子はその子たちと遊びだし、息子は一人になってしまう。

親としては胸の痛む思いだが、自閉症の息子には、同年代の子どもたちとどういう会話をしたらいいのかよく分からないみたいで、相手もどう話しかけていいか分からないらしい。アメリカに着たばかりの英語があまり分からない留学生とアメリカ人学生のやりとりみたいなものなのかもしれない。ということで、自分の話を心を開いて辛抱強く受け入れて聞いてくれる大人との会話の方が、息子にとって心地いいらしい。

以前住んでいたテキサス州やミズリー州では、自閉症児のおかあさんたちと相談して、週に1度公園に集まるPlay groupがあったり、バスケットボールクラブやフレンドシップグループなどがあって、あまり孤独感を感じることはなかったけど、今住んでいるこの大学町には、自閉症専門のカウンセラーの話によると、自閉症児が少ないらしく、そのような行事もあまり見かけない。

カウンセラーの話によると、高校くらいになると、同じ趣味を持つ友達を見つけやすくなるっていうことなんだけど、本当にそうなるのかしらん?社会性スキルを身につけるために、何かしてあげなければって思う気持ちは強いんだけど~

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自閉症関係の論文の書き直し

2009-06-08 02:37:31 | 自閉症アメリカ教育事情
昨日は、5年前に投稿して不採択になった論文の書き直しが終わる。

これは、高機能自閉症児の息子のこだわりをどのようにいい方向に伸ばしてあげるかという手立てについて書いたもので、もともとは質的研究の授業で書いたペーパーを手直しして投稿したもの。

アドバイザーいわく、編者やレビューアーが興味を持つかもしれないから、ともかく送ってみたらということで自閉症関係の論文誌に投稿したが、今考えてみれば教授陣らの手直しなしに送ってしまいかなり無謀だったのかもしれない。。。

レビューアーの判断は、不採択(A氏)、採択(B氏)、不採択・再投稿(C氏)に分かれ、結局不採択になってしまう。

編者からの手紙には、書き直して、もっと実践者向きのジャーナルに投稿したらどうでしょうと書いてあったので、別のジャーナルを探し、Case Studyとして投稿してみることにする。

今回は、前回と同じミスを繰り返さないために、所属学科の学科長と幼児教育専門の助教授の人に特殊教育とは専門分野は違うものの、事前にペーパーに目を通してもらうことにする。そういう時、快く引き受けてくれる人たちが回りにいるのは、本当にありがたい。

さて、今回はどうなるかしらん???また不採択になってしまうかもしれないけど、これも修行だと思って、大きく開き直ることにする。

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ローフードと自閉症児の食事療法

2009-06-03 14:51:41 | 自閉症アメリカ教育事情
今日はブログで知ったAni Phyoさんの料理のビデオを見て、なつめやしとアーモンドで作った生地のアップルパイに挑戦。途中でなつめやしが足りなくなっちゃったので、今日はひとまず生地をパイ型に入れて、冷蔵庫に入れて置く。

生地を作るのに使ったVita-mixにたくさんアーモンドやなつめやしがこびりついて取れなかったので、チョコレートの豆乳を注いでドリンクを作って見る。リッチで美味~。

Aniさんのこのレシピは、食物アレルギーの人たちに適応できるように、卵、牛乳、小麦粉など、使っていないらしい。そういえば、今から7年前、自閉症の息子のために、その頃話題になっていた食事療法の話を聞いて、小麦タンパクのグルテンと、乳製品に含まれるカゼインを避けた食事療法を3ヶ月近く続けたことがある。

Special Diets for Special Kidsという自閉症食事療法のバイブルみたいな本を購入して、ヘルスフード店に通い、いろいろな粉を探して、パンやクッキーなども手作りしてみたけど、すごく大変だったことを思い出す。

レストランで注文するものも限られてくるし、なんせ作ったものがあまり美味しくなかったので、息子も全然食べてくれなくて、ただでさえ非常にスリムな息子がどんどんやせ細ってしまって、私のストレスも限界でとうとう中断してしまう。

まあ今となってみれば、それなりに息子も立派に成長してくれたんだけど~。あの時、Vita-mixなどの器具があったら、こういうダイエット生活ももっと楽しめたのかな??

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自閉症の子どもにとっては、登場人物を分析するのが難しい~

2009-05-29 00:50:47 | 自閉症アメリカ教育事情
昨日は宿題で苦しんだ息子。

これは学校で受けた試験問題(記述試験)の一部を家でするという、Take home examだったらしい。

学期の成績の四分の一が、この試験の得点に相当するらしく、息子にとっても大きなプレッシャー。

課題図書を読んで、登場人物の人間関係や変化、感情について、事細かく作文を書くというものだが、自閉症の息子にとっては、一番苦手なタイプの小説。

泣きながら自分の点数を心配し、宿題をする息子がかわいそうに思いながらも、これも人生の訓練だと思って、一人でなるべくさせるようにする。

成績がストレートAの息子にとっては、それをキープしたいというプレッシャーがあるらしい。友達がいない息子にとっては唯一誇れるものは成績なので、それを崩したくないという気持ちもよくわかる。

夜10時まで宿題に取り掛かり、朝6時に目覚ましをかけて残りの問題をやりおえる予定だったが、それでも終了せず、息子はホロホロ涙顔で学校に行く。

あまり親が出しゃばるのはよくないと思いつつも、国語の先生に、事情を説明するメールを出し、配慮や援助してもらうようにお願いする。

こういう大変な思いをすることも、将来の糧になってくれればいいんだけど。。。
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兄弟ケンカの理由と自閉症

2009-05-26 14:49:51 | 自閉症アメリカ教育事情
娘と息子を叱ってばかりの3連休。兄弟げんかは耐えないし、こっちも何度も爆発して、自己嫌悪~

しかし、今回初めてうちの子どもたちに兄弟げんかがなぜこんなに多いのか、少し理由が見えてきたのがせめてもの救い。

一番の原因は、高機能自閉症者の息子が、娘のBody Lanugageを全然読めていないこと。娘が嫌がっているとか、面白がっているとか、一人にして放っておいて欲しいとか言葉、声のトーン、表情、ジェスチャーなどで伝えていることが、伝わりきれていないらしい。

たとえば、息子は時々、娘を背後から驚かせて面白がっているが、娘はそれを嫌がっているということが、分かっていないらしい。娘は、伝わらないことがじれったいらしく、怒鳴り声をあげたり、侮辱する言葉を使ったり、暴力を奮って抵抗する。それがきっかけで、息子もやり返し、ケンカになってしまう。

今日も夕食の時、娘があるクラスの男の子がいつも自分をからかって、嫌だということを語り始めると、息子はその男の子と娘のことをちゃかし始めたのも、気持ちを読み取れていない証拠。普通だったら、妹は傷ついているみたいだから、そっとしておこうとか、同情してあげよう、とか考えそうなものだが、逆に油に火を注ぐような行動を取る息子は、娘にとって意地悪な兄にしか見えないらしい。

息子は、ショッピングに行っても、さっさとお店に入るだけで、次の人のためにドアを開いて待ってあげるということが、何度注意してもまだマスターできない。最悪の場合、並んで歩いているカップルの真ん中を平気で通ってしまうこともある。さらに、お店で陳列してあるものをとる時、傍に人がいて、邪魔になるかもしれない時には、Excuse me というのがアメリカでは普通だが、息子は間髪いれずにさっさと取ってしまい、時々あきれた顔で見られることがある。結局のところ、自分と自分の関心のあることしか見えていないらしい。せめて公共の場では、スイッチを切り替えて、周りにアンテナをはりつめて、トラブルをおこさないようにと願うのだが、課題は大きい。

まずは兄弟関係がこれ以上悪化しないように、ケンカが起こった場合には、放置するんじゃなくて、娘と息子にそれぞれどう行動すべきかを語っていく必要があることを、痛感した一日。ぐったり~。。。。
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自閉症者には思春期は重すぎる~

2009-04-29 00:52:42 | 自閉症アメリカ教育事情
中学生になると、異性への関心もかなりおおっぴらになるらしくて、カフェテリアではそういう話題ばかりらしい~。

「なんでみんな、女の子のことばかり話したがるんだろう?」と息子はうんざりした様子。性の話題にもついていけないらしくって、多感な時期にはこういうことが負担になっている印象。

昼食時には、息子いわく人気ある男の子と女の子がそれぞれ分かれてテーブルに座り、注目されているらしい。そういう人間関係の構図がこんなに早い時期から現れるなんて、やっぱりアメリカの学校は違う。

数週間前に、ある女の子に「女の子たちはあんたのこと嫌いよ」と言われてしまって以来、かなり落ち込んでしまった息子。たぶん、息子のぎこちない社会行動が誤解を招いたに違いない。それ以来「ボクはもてない男」と思い込んでしまった息子は、かなり傷ついた様子。

「ボク、来年ダンスパーティ、誰と行けばいいのかな?」と思い悩む息子。12歳の子どもの悩みにしては重すぎる! なんで中学からダンスパーティが必要なのかしらとカルチャーショックの私。
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息子の悩みのフタをあけてみると??

2009-04-18 02:28:56 | 自閉症アメリカ教育事情
息子のことが少し気になったので、スクールカウンセラーにメールで相談してみる。息子は週1度、彼女のオフィスで面接をしてもらっているので、何でも相談しやすい。

彼女は心配して、早速体育の先生と話をし、体育を受講している生徒の一覧表に目を通し、息子にもさりげなく質問したらしい。

その後私のところに電話がかかり、息子の話とは少し違うことが判明。体育の先生いわく、球技をする時には男女ペアを組むらしいが、今のところダンスはやっていないとのこと。この前バドミントンをした時、息子は腕のいい女子生徒とペアになりたがったらしいが、その生徒は別の男子生徒とペアが決まったため、他の女子生徒を探したらしい。

なぜ息子が誰も自分と手をつなぎたがらないと父親にこぼしたのかは不明だが、自分の社会性のぎこちなさをそういう形でストーリーにして伝えたのかもしれない。

息子は、人にどう見られるのかを気にし、なるべく皆と同じでいられるように見られるように最大限の努力をする。日本人のメンタリティが伺えるところだが、自閉症児は、他者の心の動きが読みにくい(心の理論、Theory of mind)という説があるので、息子のようなタイプは珍しいのかもしれない。

ともわれ、心配していたほどのことはなかったようなので、一安心。
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友達に受け入れてもらえない自閉症の息子の悩み

2009-04-17 00:58:24 | 自閉症アメリカ教育事情
昨日、息子は学校から帰るなりに何か思いつめた表情で自分の部屋にこもる。理由を聞くと、何も言ってくれないが、いつもと違う態度なので気になる。

後で、オットが息子と話した内容によると、体育の時間、男女のペアでダンスをする時に、息子いわく女の子たちが息子とペアになるのを嫌がったらしい。

「ボクはフリーク(変態、変わり者)だからだよ」

結局、体育の先生がペアを決めたらしいが、息子の心は複雑で悲しかったに違いない。

成績が良くても、姿かたちがある程度整っていても、社会性なくては友達をつくるのが難しい。自閉症の子どもたちが抱える悲しい悩みをどうにかして少しでも軽くしてあげたいと心から願う。

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特殊教育を卒業?する

2009-03-12 01:02:59 | 自閉症アメリカ教育事情
昨日は、息子のIEP(個別教育計画)かつReevaluation(再評価)のミーティング。

数年前から少しずつ提案されていたことだったが、特殊教育のサービスをもう受ける必要がないのではという学校側の意見で、今回はその提案を受け入れることにした。

ここ数年間は、息子は週に40分、言語療法士によるスピーチ、毎日20分特殊教育の先生のもとでWritingの授業を受けていたが、それらがなくなることになる。

アメリカの法律では、障害がその生徒の学業にマイナス面の影響を与えているという前提がなければ、特殊教育のサービスを受けることが難しい。それをIEPのミーティングや他の親から時々聞かされて、この日がくることを予感していたが、やはり少し不安感が残る。

目の前には、息子の中学での成績や全国共通の標準試験の結果、知能、社会性及び感情、言語などのデーターがそろい、ひとつずつについて説明を聞く。そして各担当の先生からの息子のクラスでの様子について報告。

息子の成績が非常に優れているので、障害が学業面に悪影響を及ぼしていると言えない、というのは共通の見解。今後はすべて普通学級で他の子どもたちと同じように授業を受けることになる。

ただ、息子のように障害を持っている生徒の場合には、504accomodation planを適用することができるらしく、これによると、普通学級で担任の先生から様々な便宜を図ってもらえることになる(面倒身のいい生徒とペアにしてもらって、共同作業をする、声のボリュームについて指示を定期的に受ける、など)。

当の本人は、今日のニュースを聞いて、嬉しそうな顔。もう他の生徒たちと違うクラスに行く必要がないのが嬉しいらしい。「でも、ボクの自閉症はまだ治っていないんだよね?」と何度も聞きなおしてくる。

親である私は、まだ病気かもしれない子どもを病院から退院させるような気持ちだが、外の空気にあたり、たくましく成長できることを期待している。
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自閉症教育事情:先生方のサポートに感激

2009-02-28 09:07:41 | 自閉症アメリカ教育事情
今朝、私たちの嬉しかった気持ちを伝えるために、息子の先生方(国語、社会、数学、理科、音楽、絵画、特殊教育)、校長先生、スクールカウンセラーにお礼のメールを出す。


Dear all,

I just wanted to let you know that yesterday was a truly exciting night for k (息子の名前)as he received 3 awards from LMS(息子の中学の名前). We are really touched by the progress he has made, especially considering his challenges related to his disability. When K was a preschooler, my husband and I used to worry that he would never be able to speak, transition out of diapers or even attend a regular classroom. It has been almost like a miracle to us. As parents, we are really proud of his efforts and desire to excel.

Thanks so much again for all you have given to K in terms of time and special assistance. My husband and I truly believe that his accomplishments are largely due to the competent and supportive faculty and staff at LMS.

Sincerely,

このようなメールを出して数時間後、先生方からメールで返事が届く。


1.社会・国語・文学と3教科担当してくださる先生からは

You’re welcome. It is my pleasure and privilege to have K for 3 periods every day. I have noticed considerable improvement in his speech and eye contact since September. He is just delightful and deserved every award he received last night.

Kudos to both of you for raising such a competent young man. I have every confidence K will have great achievements throughout his life.

2.特殊教育の先生からは

Thank you for your words of encouragement. I was so proud of K last night and he truly deserved all of the awards he received. So much of the credit goes to K himself. He is self-motivated, conscientious and has a positive attitude. You have also been very supportive and loving to him as parents. He is a tremendous young man with incredible potential! Thank you for sharing your lovely words…..you made our day! Take care…..

3.校長先生からは

He sure is having a great year, isn’t he….
He is such a pleasure to be around.
Thanks for the kind words and for being there last evening.


4.数学かつ担任の先生からは

Thank you so much for your kind words. K is truly a remarkable boy. He is a delight to teach. I feel privileged to have him in class.

Thank you so much,


みな忙しい授業の合間に、暖かいメールの返事を下さってまたまた感激。この中学校に息子を通わせることができて、本当によかったとつくづく思う。
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自閉症の息子の嬉しい成長

2009-02-27 14:29:02 | 自閉症アメリカ教育事情
今日は、息子の中学で各賞に選ばれた子どもたちの表彰式とデザートの会があった。各賞ごとに、該当する生徒たちの名前が呼ばれ、校長先生から表彰状をもらう。息子は、High Honor Roll(成績優秀賞), Determination & Committement(努力賞), Leadership(リーダーシップ賞)をもらう。

私といえば、講堂の壇上で賞をもらう息子の姿に、じーんとしてしまう。息子は息子で、今夜は興奮して、家の中を走りまわりいつになくハイパー。

思えば、息子が3歳の頃には一生コトバを喋らないのではないかと心配し、5歳でおむつをしていた頃には一生おむつ生活が続くのではと心配し、通った特殊教育プレスクールでは、いつか普通学級で皆と同じように学校生活が送れる日がくるのかと心配し、知能テストや言語テストを受けるたびに知恵遅れじゃないかと心配してきた私たち。

そういう息子にここまで成長する力が宿っていたことにすごいな~とただ感激。ずっと大学町に住んでいたことから、公立教育や先生のレベルが高い中で、質の高い教育が受けられたことも幸いだったと考える。

これからはどうなるか先行きは分からないが、今日の日の感激を忘れず、親子ともに将来に期待して進んでいきたい~。
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High Honor Student に選ばれる

2009-02-21 01:47:43 | 自閉症アメリカ教育事情
アメリカの学校では、成績が優秀な学生にHonor StudentとかHigh Honor Studentという称号を与えて、その努力と健闘を称えるという制度があるらしい。

息子の中学では、各学年180人中、30人程がHigh Honor Student,70人ほどがHonor Studentに選ばれ、名前が学校の正面玄関に張り出される。Highがつくのは、おそらくストレートAの生徒で、つかないのはそこまで行かないけど成績がいい生徒のことだと息子の説明から知る。

私たちが高校の頃、実力テストの順位が廊下に張り出されたことがあったけど、それと同じような感覚なのかな?その時には、学内で誰が秀才なのかよく分かり、励みになる人には励みになるんだろうなと思ったけど。。。

それ以外にも各科目担当の先生が、学年の中で、4つの部門について1人ずつ該当する生徒を選ぶ賞もある。リーダーシップ、努力、創造性、他者への思いやりという観点から、それに値する生徒を1人ずつ選びだし、正面玄関に張り出される。

息子は、算数の先生から「努力賞」をもらい、特殊教育の先生から「リーダーシップ賞」をもらう。

そこで息子のジレンマ。。。障害があることを隠そうとしてきた息子にとっては、特殊教育の先生からの評価は、非常に複雑な気持ち。これを見て、皆からボクは障害がある、ということが分かってしまうというショック。認めてもらえることは嬉しいが、皆と同じでいたいという息子にとっては、残念な出来事でもあったらしい。

いくら成績がよくても、障害者というレッテルを持つことは、今のところ息子にとってはマイナス経験らしい。私たちから見れば、障害があるのに、こんなにがんばってエライ!!というプラス思考で捉えられるが、その域に達するまでにはまだ数年、数十年かかりそう。あるいは、障害者当人にしか分からない気持ちなのかもしれない。

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