本が好き 悪口言うのもちょっと好き

読書日記です。っていうほど読書量が多いわけではないけれど。。。

E=mc2 世界一有名な方程式の「伝記」

2006-12-13 | 小説

 科学音痴の私に読めるかなとちょっと心配でしたが、とても面白く、ワクワクしながら読むことが出来ました。

 

 先日読んだ、”99.9%は仮説”に紹介されていた本です。小学校から理科にはあまり興味がありませんでした。高校になると、理科系の科目では化学、物理には殆どついていけず、なんとか生物で点を稼いでいたような私で、もちろん学校を出てからは、そういう分野には全く興味ももてず生きて来ました。

 

 とりあえずアインシュタインは、有名な人だとは知ってました。とはいえ、彼の発見したことが、原爆に繋がったということ位で、何がどうすごい人なのかは全然わかっていませんでした。実はE=mc2という方程式も知りませんでした。

 

 この本が、そんな私でも楽しく読めた一つの理由は、これは伝記なのですね。ただアインシュタインという人物の伝記ではなくて、E=mc2という方程式の伝記です。この方程式はもちろん、アインシュタインが生み出したのですが、それはもちろん、それ以前の数多くの研究者達の成果の上に成り立ち、また、彼の手を離れた後、いろいろな人たちが関わって、応用されます。そういう歴史が書かれている本なのでした。

 

 本当に沢山の研究者が登場します。こうやって歴史に名前を残した人たちですから、天才達なのですが、彼らを取り巻く世界はごく普通の人間社会です。足の引っ張り合いも沢山ある。天才とは99%の努力であるというような言葉がありますが、確かにそうかもしれない。そして、最初の1%はもしかしたら、”宝物を見つける目”ではないでしょうか。それは、千里眼のような超能力でなく、”人の意見に惑わされない目”。そして、99%の努力が出来る情熱なのかなぁ・・・・。

 

 アインシュタインの話も面白かったですが、その後原爆開発を巡る物語も感動しました。あくまでも技術的な側面から語られた物語なのに、広島に原爆が投下される所では、胸がつまりました。それは、読み手である私自身が、落とす側の人間でも落とされる人間でもなく、爆弾そのものになって広島に落ちていくような・・・そんな不思議な恐ろしさでした。

 

 その後の章の宇宙を巡るこの方程式の伝記も、とても面白いのですが、ちょっと私には分からないところもありました。あー、知りたい!!分かりたい!!

 

 とにかく、科学なんて、知らなくても日常生活には困らない。でも、こういうことを知らないのは絶対に損だ!と認識しました。あー、知りたいことが増えて増えて困るぅ