北朝鮮の工作員が、スパイ、拉致、不正輸出に暗躍した事件である。目的は対韓国工作のための工作員の獲得、育成、スパイ網の埋設。スパイ拠点の運営、日本の防衛情報の収集などを実行していた。発覚したのは1985年(昭和60年)。首謀者のチェ・スンチョルは1970年頃から日本に潜入。日本名で就職、活動を続けていた。その間、横田めぐみちゃん(1977年)をはじめ1978年に多くの拉致事件(地村さんや蓮池さん)が発生するが、その多くにチェは関わっていた。チェは事件発覚の直前に海外に逃亡。今も行方不明。チェが育てた工作員(在日)は逮捕されたが、スパイ防止法の無い日本では、裁けなかった。これが西新井事件である。
特定秘密法案をめぐって、朝日新聞、毎日新聞をはじめ北海道新聞の反対キャンペーンが凄まじい。識者と呼ばれる方々もさかんにテレビや新聞に登場する。そのなかで日本がスパイ天国などという噂があるけど、聞いたことない、などと堂々と語るジャーナリストがいた。この人はジャーナリストでありながら西新井事件など全く記憶にないようである。驚くほどの無知と思う。西新井事件などはほんの一例にすぎず、北朝鮮だけでなく、中国、ロシアのスパイが縦横無尽に闊歩しているのがこれまでの日本なのだ。つい最近だって中国大使館の肩書を利用したスパイ事件が発生した。民主党の政治家も関わっていた。チェについてもその当時はアメリカのCIAが追いかけていた人物である。日本の公安も明確に把握していたが、日本の法律では彼を逮捕できなかった。
しかも、チェが工作したスパイ網は今も厳然と存在する。彼が育成した土台人という組織はもちろん在日を中心にした組織で、さらにこれに日本人も加わっている。その組織の底辺は広く、マスコミ、財界、政治家に及ぶと言われている。その証拠に、この1980年に中曽根内閣はスパイ防止法を国会に提出するが、なんと自民党議員の中からも反対意見が出され、廃案になっている。
特定秘密法案に反対するデモが各地で起きた。もちろん新聞紙面による煽りで参加した人も多いのだろうが、デモ隊の中にハングル文字を振りかざす人が多数いた。西新井事件を思い出した人は、その理由が分かったはず。特定秘密法案の中にはスパイを防止する条例が含まれているからだ。彼らにとっては今までの天国から地獄に落ちる法案なのである。同時に彼ら(在日)に賛同する日本人というのは、日本人拉致の協力者であり賛同者と同等にみなされることを知っているのだろうか。だが、そこまで考えて反対した人はあまりいないだろう。中身を知らないまま、イメージだけで反対を叫んでいる人が大半だから。
スパイ事件と比較して特定秘密法案を語るメディアなど一つもなかった。これも異常だったが、もっと不思議に感じたのは、メディアの反応だ。かつて民主党の野田政権の時、人権擁護法案(人権委員会設置法案として)が閣議決定されている。この時、メディアは何の反応も示さなかった。これは人権擁護の名のもとにメディアを規制し、裁判所の令状なしにジャーナリストを取り締まる(出頭命令、家宅捜査、資料の押収)ことができるものだ。これを全く無視したメディアが、なぜ公務員に対する法規制に牙をむくのか。しかもジャーナリストの取材は規制しないとまで言っているのに。この対応の仕方がいかにも不自然。朝日新聞を中心とするメディアの黒い部分を感じてしまう。
たしかにスパイ活動をしている人たちにとっては、特定秘密法案は嫌だろう。スパイの知る権利は抑制されるし、スパイ活動は自由にできなくなる。うかつな発言は命取りになる事は確かだ。メディアや識者が必死になればなるほど、スパイを擁護する同志に見えてくる。知る権利が揺らぐとか、治安維持法に似ているなどという捏造の理由はどうもこのあたりにあるようだ。スパイ側から見れば、彼らの言い分は、まさにその通りになのだから。
正確に公平に法案を考えるためにも、西新井事件(スパイ事件であると同時に、拉致というテロ事件でもあった)を忘れてはならない。
そうしたグループに多額の資金協力をしていた政党があって、恐ろしいことにこの政党が3年以上も日本の政権をとっていたという事実はまさに暗黒時代と言って過言ではありません。
戦前に戻るとか、治安維持法が復活とか、イメージだけのあらぬことを言う前に、目の前の現実(真実)を見極める脳力が、今こそ日本人に求められていると思います。
北の粛清や、プーチンの恩赦、少し古くはスノーデン事件など、
何が何だか分からないほど複雑な世の中になりましたね。
いったいこの先日本はどう進むのか、世界はどうなるのか?
ただ、これだけは言えそうですね。一つの行動の基には必ず意図がある。
その意図のすべてを知りえたら面白いだろうなぁ…