原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

初秋、霧多布湿原

2012年09月28日 08時49分04秒 | 地域/北海道
  異常な暑さの夏がようやく収束。湿原に秋の風が吹き渡る季節となった。花の湿原ともたとえられる霧多布湿原ではあるが、さすがに今は花を楽しむことはできない。でも、移り変わる季節の細やかな様を見ることができる。ある意味、季節のど真ん中より、自然を感じさせてくれる。花の季節から冬鳥の季節への橋渡しをしているかのようでもある。麦色に姿を変えたヨシ群が湿原に広がり、葉を落とし始めたハンノキが目立つ。夏の緑を残しながら、冬支度を始めた湿原の様子が手に取るように見えた。こうした自然を楽しむことができるのも、道東に住むものの特権と言えるだろう。 . . . 本文を読む

迷路に嵌まる

2012年09月25日 08時14分11秒 | 社会・文化
  物書きを自称し、それを生業としてかなりの年月が経つ。ところがここ三年ほど、申し合わせたように、各社からの頼まれ仕事が激減。いつの間にか開店休業状態。無聊を慰めるために始めたのがこのブログ。そして昨年からツイッターに手をだし、そして最近ではフェイスブックなるものを始めてみた。ブログはツイッターやフェイスブックと関連しているが、フェイスブックとツイッターはまったく関連していない。しかもツイッターとフェイスブックの本来の目的や役割を全く理解していないので、今後どのようにこれらと付き合えばいいのか。実は迷いに迷っている最中。まさに迷路の中で彷徨っている。 . . . 本文を読む

天高く、クマ細る秋。

2012年09月21日 08時45分14秒 | ニュース/出来事
  例年だとお盆を過ぎると風がひんやりとし、透き通った青空の続く気候となる道東だが、今年は少し様子が違う。雲の日が多く雨も。しかもベトつくような暑さが9月となっても継続していた。わずかな晴れ間に見た釧路湿原は空は高く、緑から黄色へと模様替えが始まっていた。湿原を渡る風も冷たさを増していた。だが、蒸し暑さはあまり変わっていない。なんとも、道東の秋らしくない様子なのだ。そんな時、新聞に激やせしたヒグマの写真が掲載された。やはり、異常気象は野生の生活にも直結している。「天高く、クマ細る秋」なんて、笑ってる場合ではない。 . . . 本文を読む

ずっとウソだった。

2012年09月18日 08時34分05秒 | 社会・文化
  斎藤和義と言うミュージシャンが歌う動画が2011年4月にYouTubeで流れた。歌は彼が前年に発表した「ずっと好きだった」と言う歌の替え歌で「ずっとウソだった」である。内容は3月11日に起きた東日本大震災が原因で水素爆発を起こした福島原発事故に対するもの。原子力は安全ですと言いながら、みんな嘘だった、と非難した。原発推進派には強烈なアンチテーゼとなった。日本国民も、原発の安全神話に疑問を持ち始めていただけにタイムリーだった。一般の常識と言うものが実に危ういものであることや、内容もよく知らずに盲信することの危険性を強く感じさせた。 . . . 本文を読む

韓国という不愉快な隣人

2012年09月14日 08時20分27秒 | 社会・文化
  日本の隣人には不愉快な奴ばかり集まっている。韓国のみならず、中国、ロシアのような極悪犯罪集団に取り囲まれ、それぞれに領土問題(尖閣には問題はないと日本政府が強弁するが中国はまったくそう思っていない)を抱えている。なかでも特に悪辣なのが韓国だ。正直なところ、李明白大統領の暴挙暴言は日本人のお花畑をひっくり返し、封印していた記憶を蘇らせたという意味では、良いきっかけになった。韓国がこれほど日本人を見下しているとは、日本はあまり意識していなかった。むしろ哀れな劣等感が対抗意識をもりあげていると勝手に解釈していた。上から目線で見ていた日本人の心がひっくり返ったのである。 . . . 本文を読む

食文化

2012年09月11日 07時41分51秒 | 社会・文化
  暑い日の一瞬の出来事だった。私を狙って飛び続けていた一匹のアブが、クモの巣に引っ掛かった。するとどこからともなく表われた巣の持ち主がアブに襲いかかる。白い糸が空中に舞ったように見えた。気付くとアブは身動きを止めていた。身体は白い糸でぐるぐる巻き。亡骸となったアブを見ながら、これが御馳走なのか、このどこに栄養があるのだろうと思った。昔聞いた話だが、クモは昆虫の体液を吸い取るとか。野鳥は虫を身体ごと食べる。同じ虫を食すると言っても様々。それぞれに食文化があって、生あるものの命が長らえる。他人がとやかく言うべき事ではないことは確かだ。 . . . 本文を読む

不法滞在!

2012年09月07日 08時00分56秒 | 自然/動植物
  なかなかに見栄えのする花である。オオハンゴンソウと言う。日本表記は大反魂草。キク科。道東の野山、とくに湿原地帯でよく目にする。群生したその姿はまるで野に咲く黄色いじゅうたん。あたかも北海道の新しい風物詩かのように見える。だがこの花は環境省指定の特定外来生物(第二次指定種)。許可なく栽培、保管、運搬、輸入、譲渡してはならない野花。それにしても、この花のものすごい繁殖拡大能力に驚かされている。チラッと見たなと思っていたら、翌年には野原一面に拡大している。地下茎や埋土種子で繁殖するので、単純に刈り取るだけでは根絶できない。 . . . 本文を読む

振り返ると、そこに紫

2012年09月04日 07時50分13秒 | 自然/動植物
  オリンピックの開幕と同時にスタートした今年の8月が、あっという間に過ぎた。酷暑のニュースが日本中に駆けまわっている間だった。暑さはまだ続いているが、暦は確実に秋。過ぎる時のスピードはまた一段と速い。時の後ろに忘れ物をしたようにさえ思う。振り返って見ると、「紫の色」が山にあった。暑さと喧騒(オリンピックと愚かな政治ショー)の中で、その色は鮮やかに見えた。夏の山は黄色も白も咲き乱れるが、やはり紫がいい。心を休める。仏教界では一番位の高い僧侶が紫の袈裟を身に纏う。やはりなと、ひとり合点。わが山で出会った紫の野花を残暑見舞いに。 . . . 本文を読む