1997年に神戸で発生した連続殺人事件は、日本を揺るがすほど衝撃的であった。逮捕された少年は当時まだ14歳。その若さにも驚かされた。あれから18年を経過。少年はすでに32歳、刑期を終え、社会にでている。忘れかけた事件が、突然蘇った。この少年が事件のことを記述した本が出版されたからである。なぜ、いま?この本をめぐる賛否が湧きたつ。話題作りに成功したとも言えるのだろう。本の売れ行きはしごく順調で、増刷を続けているという。 . . . 本文を読む
女子ワールドカップ2015は、ナデシコジャパンの準優勝で終わった。連覇ができなかったことは残念だが、よく戦った。彼女たちのクリーンな戦いぶりに、日本のみならず世界中が称賛した。それだけでもナデシコの価値は燦然と輝く。胸を張って帰国してほしい。あとはやはり次世代の若手を育てること。4年前とほぼ同じメンバーではやはりここまでが限界。次のメンバーにはさらに上を目指して精進してほしい。希望を与え続けてくれたナデシコジャパンに心から感謝したい。 . . . 本文を読む
11月7日に一冊の本が出版された。その前後にテレビの特番があって、本の宣伝を兼ねたお決まりのアピールがあった。人気作家百田尚樹氏のノンフィクションである。題材は「やしきたかじん」の最後の741日。彼の死の直前に入籍した奥さんを軸に、たかじんが残した膨大なメモをもとに、作家が多くの関係者を尋ね歩いてまとめられている。帯には純愛ノンフィクションとあったが、私は、癌に罹って死を迎える人の現実の姿が知りたくてこの本を手にした。ごく最近、知人が癌を患って亡くなっており、自分もまた癌との戦いが始まっているからでもある。 . . . 本文を読む
8月5・6・7日の大紙面を使っての朝日新聞の告白はある意味大英断であったとは思う。しかし、言い訳の拙さもまた特筆ものだった。23年間の嘘を認めることができなかった理由さえ解き明かせず、騙された被害者であったという結論には呆れる。挺身隊の誤用は研究不足だったから?小学生並みの弁解。これらの間違いはすでに普通の日本人はみな知っていた事。当ブログでも何度も指摘していたし、最近では7月29日の内部告白者の正義でも記述している。気づかないふりをしていたのは朝日新聞だけ(毎日もそうだが)。これは誤用とか誤報というレベルの話ではなく、あきらかに捏造。さらに日韓問題がこじれた責任は朝日ではないとする姿勢には言葉がない。 . . . 本文を読む
お盆近くなると、日ごろ無沙汰をしている人たちから便りが届く。自らはあまり連絡をしないのだから無沙汰になるのは当然の話。誰のせいでもない。おかげで今年5月に従姉の一人がなくなったことを知った。母の姉の子供だから私よりはだいぶ年上となる。天寿を全うしたかと思いながら、晩年の不遇を思うと複雑な気分となった。人の一生はなかなか思い通りにはいかない。そんな基本はよく分かっているつもりであったが、死を迎えたとなるとそれ以上のことは起こり得ない。つまり、それが終点となる。やはり複雑な思いと少しばかり悔の残滓があった。 . . . 本文を読む
最近あるテレビで「若者たち」というドラマが放映されている。全共闘世代(1965~1972年)には懐かしいタイトルである。1966年に放映されブームを呼んだドラマのリニューアルである。主題歌も5人の兄弟という設定も同じ。食卓を囲んで怒鳴り合う風景もそのままなのだ。しかし、時代背景が違うので内容は全く違う。懸命に昔の面影を再現させようという努力が垣間見える。今の人にどう映っているのかは窺い知れないが、昔を知っている世代には大きな違いを感じる。何が違うのだろう、直ぐには理解できなかった。ちょうど同時期、CSで昔の「若者たち」が再放送されていた。忘れていたものを探すようにそれを見た。 . . . 本文を読む
内部告白をすることは大変に勇気のいることである。自分の生活をなげうって暴露するわけだからリスクもある。彼らの人権はいろいろな意味で守らなければならない。しかし、その告白にきちんとした倫理があり、ゆるぎない正義が存在する場合に限る。歪んだ倫理観や私利私欲を絡めた内部告白は当然許されるべきではない。現在、日韓に横たわる慰安婦問題は、日本人が言いだした内部告白であり、メディアおよびその協力者も日本人である。それに追随した韓国政府が、今や世界のあちらこちらに慰安婦像なるものを建設するという暴挙を計画し、国連までを巻き込む騒ぎとなった。最初の嘘を潰さなかった一瞬のためらいが、すべてを決めたと言って過言ではない。 . . . 本文を読む
前三回にわたり「財界さっぽろ」への反論を投稿した。このブログについて、私が誰かを擁護するために、あるいは誰かのために投降したかのように勘違いしている人がいるかもしれない。それは全くの誤解であり、基本原則を知らない人の考え方だ。もしそうなら、財界さっぽろの偏向記事と同じことをしていることになり、彼らを非難する資格を直ちに失うことになる。私は投稿文章を事前にチェックしてもらったり、どういう内容にすべきかなど誰にも一切相談していない。すべて独立独歩で行っている。もちろん独自の取材だから間違いはある。それは修正する。しかし、本筋を他人の意見で変えることは決してない。原理原則を知らない人のためにあえてこれを言いたい。 . . . 本文を読む
記事によると、「裁判で訴えられた町立病院の前事務長のその後について、町役場は社会福祉法人標茶町社会福祉協議会(以下社協)に移動させることを決めた。社協の事務局長を更迭するために横やりを入れ降格させ。空いたポストに前事務長を充てた」、となっている。すでに終わったトラブルを継続させる、次の舞台を記事は用意していた。役場の不当な関与がこの他にもあったとも語っている。すべて風聞で構成され、恣意的で一方的な発言のままの記事である。裏付けを取れば虚偽であることがすぐ分かる。社協については事情が分からなかったので、ちょっと調べてみたら、簡単に分かった。こんな嘘話を見抜けなかった記者もいるのか、と思うばかりである。 . . . 本文を読む
前回の続きである。窃盗未遂事件が発覚したのが2012年4月。そして半年後の9月に容疑者とされた職員が病院と町に対して訴訟を起こしている。そして判決が出たのが2013年8月29日。判決前後に開かれた町議会では、裁判沙汰までになったのは町の対応がまずいからだと一部の町議員から質疑が出され、議会は紛糾、空転した。財界さっぽろはこの経緯にさらっと触れ、これを前提に話を展開させる。訴訟について、私なりに新聞等で吟味し、さらに町議会を傍聴した。この訴訟行動と町議会の動きに、私は違和感を禁じえなかった。どう見ても奇妙なのである。雑誌では肝心のこの部分にはほとんど触れていない。なにを意味する取材だったのかという疑問が湧く。 . . . 本文を読む
6月15日発売の「財界さっぽろ」の記事である。「ついに表面化した標茶町のタブー」「役場VS地元名士」、これが表題。いやはやである。いかにもセンセーショナルな内容を思わせるタイトルであるが、中身はお粗末の一言。わが町には記事のようなタブーなどないし、名士と呼ばれる人の存在も怪しい(いろいろな意味で)限り。風聞をもとにした、裏付けのない記事には、これを認めたデスクの能力も疑われる。標茶町民はどちらかと言うとおとなしい人たちが多く、その後この記事に対する反論も聞かれない。と言うより、事実を知る人たちには、あまりにもバカバカしい話と理解しているからこその無言であるとも言える。しかしこのまま黙っているのもやはり業腹。少なくても私が知る事実と照らし合わせ、雑誌社に苦言を呈したい。 . . . 本文を読む
台湾からますます目が離せない。日本のメディアが報じないから、なおさら注目する。集合した50万人の前に31日ひとりの男が現れた。肩書は中華統一促進党の総裁。名は張安楽、通称「白狼」と呼ばれる暗黒街の大ボス。闇社会では超有名人。立法院を占拠する学生たちの排除を叫び、恫喝した。「君たちは中国人失格だ。資格はない」「明日は2000人の部下を連れて来て占拠を破壊する」。聴衆はポカンである。中国人になりたいなどと思っている人はいない。暴力団が乗り出してきた。それなら、学生たちを守れという気運が逆に盛り上がった。馬政権を支持するために動いた大ボスの白狼であったが、明らかにマイナス効果の暴走となった。 . . . 本文を読む
台湾ではいま学生や若者を中心に、馬英九総統がすすめる中国との「サービス貿易協定」に反対する運動が強烈な盛り上がりを見せている。ところがなぜか、日本のマスコミは極めて凡庸な報道に終始。この運動の本当の姿を映し出そうとしない。インターネットの時代である。どんなに隠していても、それはすべてリアルタイムに世界に広がる。それなのに、まるで日本とは直接関係ないとでも言わんばかりの姿勢なのだ。日本にも迫りつつある危機をまったく感じていない風でもある。日本のマスメディアはどうしたというのだろう。彼らは日本の報道機関ではなくなったのだろうか。 . . . 本文を読む
日本ではあまり話題にならなかったが、昨年末、アメリカ中が注目した裁判があった。特にワイン業界においては特筆すべき「偽造ワイン事件」であった。偽造や詐欺と言えば、日本でも最近話題のものがあるが、洋の東西を問わず、こうしたネタは尽きないようだ。詐欺というのはいつも、人の自尊心や誇り、名誉欲を微妙にくすぐる。こうした心理にうまくつけ込むのが特徴。騙すほうにとって、麻薬のようなたまらなく心地よい感覚があるとか。騙される方にとっては冗談ではない。他山の石として、騙されない術を身につけるためにも、その真実を知る必要があるのかもしれない。 . . . 本文を読む
2013年6月から世界を騒がせた男がいる。エドワード・ジョセフ・スノーデン。中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)の局員として、アメリカ政府の情報収集業務に関わり、その情報収集が違法であると世界のジャーナリズムに告発。アメリカを逃れ香港からロシアへ逃亡。受け入れ先を求めて一年間という期限付きでロシアの滞在を許された。今年になってノーベル平和賞の候補にあげられたり、スコットランドの大学の名誉総長に推薦されたりしている。どうも釈然としない。国家の不正を暴いた彼は確かに正義の人のように見える。が、果たして彼の正義は、あるいは正義と言えるほどのものが本当にあるのだろうか? . . . 本文を読む