たった一人で汽車に乗って、初めて旅らしい旅をしたのは小学校三年生の時だった。釧網線に乗って網走まで行き、湧網線(廃線)に乗り換えて常呂(現北見市)まで。6時間ぐらいかかった記憶がある。ばい煙の匂い、混雑した車内の感覚や高揚感は今も心に残っている。車窓からオホーツク海の大きな波が見えていた。それは異次元郷への旅だった。これがその後を決定づけた。以来、夏休み冬休みを問わず、一人で汽車に乗り旅をするのが習いとなった。長じても旅から離れられなくなった。旅をするために仕事を選んだ。何かに追い立てられるように旅に向かっていた。 . . . 本文を読む
道東はまだ雪の中だが、球春が躍りだした。高校選抜がスタートし、今週末から日本のプロ野球が開幕。メジャーもいよいよスタートだ。ヤンキースの田中将大はどこまでやるか、などなど、今年もまた楽しみの日々が始まる。ま、ファンとしては今はお正月みたいな時節だ。そんな私は今年、イチローに注目している。野球人として晩節を迎えた彼が、どんな野球を見せてくれるかをだ。正直なところ、私はイチローファンではない。でも一野球ファンとして彼の動向が気になる。あれほどのスターがレギュラーの地位さえ危ない今シーズンを、どう過ごすのか、目が離せないのだ。 . . . 本文を読む
日本ではあまり話題にならなかったが、昨年末、アメリカ中が注目した裁判があった。特にワイン業界においては特筆すべき「偽造ワイン事件」であった。偽造や詐欺と言えば、日本でも最近話題のものがあるが、洋の東西を問わず、こうしたネタは尽きないようだ。詐欺というのはいつも、人の自尊心や誇り、名誉欲を微妙にくすぐる。こうした心理にうまくつけ込むのが特徴。騙すほうにとって、麻薬のようなたまらなく心地よい感覚があるとか。騙される方にとっては冗談ではない。他山の石として、騙されない術を身につけるためにも、その真実を知る必要があるのかもしれない。 . . . 本文を読む
マイケル・ジョンソンという名をご記憶の人も多いだろう。アトランタとシドニーのオリンピックで200m(アトランタのみ)と400mで金メダルを取った名アスリートである。200mの記録はウサイン・ボルト(ジャマイカ)が破るまでの世界記録であり、400mの世界記録は未だ誰にも破られていない。その名アスリートをコメンテータにアメリカはあるドキュメンタリー番組を制作した。その翻訳版が日本で再放送された。実に興味深い番組であった。アメリカならではの番組であり、アメリカにしか作れないものであったと思う。同時に歴史のアイロニーを感じざるを得なかった。 . . . 本文を読む
2013年6月から世界を騒がせた男がいる。エドワード・ジョセフ・スノーデン。中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)の局員として、アメリカ政府の情報収集業務に関わり、その情報収集が違法であると世界のジャーナリズムに告発。アメリカを逃れ香港からロシアへ逃亡。受け入れ先を求めて一年間という期限付きでロシアの滞在を許された。今年になってノーベル平和賞の候補にあげられたり、スコットランドの大学の名誉総長に推薦されたりしている。どうも釈然としない。国家の不正を暴いた彼は確かに正義の人のように見える。が、果たして彼の正義は、あるいは正義と言えるほどのものが本当にあるのだろうか? . . . 本文を読む
東京都の知事選から1カ月が過ぎた。何をいまさらと思う人もいるかもしれない。だが、喧騒から時を経た今だからこそ、冷静に物が見れられるということもある。投票結果の中で注目を集めたのが、田母神俊雄氏の意外な善戦(61万票)だった。意外という評価(私はそうは思っていない)はいわゆるリベラル派のメディアたちのもの。どうやらこの結果に多少のいらだちさえあったようだ。特に20代30代の4分の1が田母神氏に投票しているという分析結果に、様々な論評が飛び交った。もっとも代表的なものはA新聞の「若年層の右傾化」。まるで合わせるように中韓のメディアも同じことを言いだしていた。相変わらずというか、やはりという思いが走る。 . . . 本文を読む
心をふさぐニュースが闊歩している。柏市の通り魔事件だけでない。これまでもいろいろある。しかしながら、テレビや新聞報道に妙な違和感を感じてならない。たぶん同じ気持ちの人もいるのではないだろうか。いつものパターンで、犯罪心理学者や精神分析医などの専門家が登場し、加害者の分析がされている。ほとんど同じような話ばかり。こんな分析がどれほどテロ的な犯罪の防止に役立つのであろうか。どう考えても一般常識とはかけ離れた思考をどのように分析されても、ほとんど理解不能。我々一般人は今後どうすれば良いのかが全く分からない。これでは分析の意味がないのではないだろうか。 . . . 本文を読む
昨日、3月3日、大阪のホテルで「やしきたかじんのお別れ会」が催された。今年の1月3日に逝去され、葬儀は家族だけの密葬で済まされていたとか。やしきたかじんと交遊のあった著名人が多く、彼らの発案でお別れの会が開かれたらしい。名を連ねた著名人は500人を超し、一般の参加者も3500超の人が集まったという報道があった。東京のテレビにはほとんど出演せず、関西のテレビだけにこだわったその生きざまは、逆に全国区の人気を得るという現象を生みだしたようだ。それを報道する東京をキー局とするテレビの戸惑うようなコメントが逆に面白かった。 . . . 本文を読む