久しぶりに山に入った。紅葉には少し早いが、山は着実に秋へひた走り。だが例年とは違う様があちこちに。これはどういうことなのか、今一度確認して次回のブログで紹介したい。いつもの散策道の途中に二子池がある。何気なく覗くと、水の底で蠢く影がちらほら。ウチダザリガニである。春先よりかなり大きい。目視しただけで二十数匹。一昨年の駆除でかなり数が減ったと思っていたが、いつのまにやら復活。2009年7月17日の当ブログ(星の原野から)でも書いたが、この池の上流にはニホンザリガニが生息する。増殖する特定外来種の強さに、在来種の未来の危うさを憂う。
前回ウチダザリガニをブログにした時、だいぶ経ってからだが、妙な書き込みがあった。池の底を蠢く彼らを見ながら、それを思い出していた。
まず、ウチダザリガニに対する認識が甘いという指摘があった。ま、これは門外漢の私が語る話だから当然だろう。だが、次の二点は引っかかった。
>ウチダザリガニとニホンザリガニはきちんと棲み分けができていて、世間が言うほど害はない、という。
これは簡単に納得できる話ではない。棲み分けができているのではなく、ニホンザリガニが追いやられてウチダザリガニのいないところに移動しているだけの話。共同生活などしていない。まして、ウチダザリガニが持つ感染症は世界の侵略外来種ワースト100に選定されたアファノマイセス菌があることだ(人間には全く害はない菌)。これに罹るとニホンザリガニは確実に死滅する。彼らに侵食されるだけならまだ生き残る方法があるが、この感染症が蔓延すると絶滅する。棲み分けなどできるわけがない。
害はまだまだある。養殖されている阿寒湖では逃げ出したウチダザリガニがマリモを食べていて、その被害が徐々に広がっている。釧路市の春採湖に住むヒブナの産卵床がウチダザリガニに荒らされ激減したのである。毎年春にはウチダザリガニの駆除が今も続けられている。
だいたい棲み分けができているなら、特定外来種の指定だって解除されるはず。私は専門家ではないが、この指摘は信用できない。
>駆除という名目で補助金目当ての利権が存在している。これが二つ目の指摘だった。
うーん、これはあるかもしれない。国や市の制度を悪用する輩はどこにでもいる。これはウチダザリガニがどうのこうのという問題ではなく、悪用する側の問題。だからと言ってウチダザリガニを野放しにしていいわけがない。これは難癖でしかない。
残念ながら規制があるところには必ずと言っていいほど利権が生じる。例えば、阿寒湖と塘路湖のウチダザリガニは内水面漁業規制により漁業権魚種に指定されている。これは許可のあるものしかウチダザリガニを捕獲したり、逆に放したりすることはできない。これもある種の利権で、食用となるウチダザリガニを勝手に捕獲して食べることはできないことになる。わが山のウチダザリガニは自由にとることができるが、阿寒湖や塘路湖にはこの権利を持つ漁師がいるということ。食用にするためには、養殖のものを使わないとか、生きたまま送付するとかいろいろな規制が付加されている。これはウチダザリガニを勝手に移動させないための規制であるというが、これもまた利権の温床となる。有態に言えば、レストランへウチダザリガニを納入することは利権を持った人以外できないということなのだ。
特定外来種ひとつにも妙な利権が蠢いていて、自然界の掟とは違い人間の掟が話をより複雑にしているようだ。考えてみると、ウチダザリガニにすべての罪を着せるのも気の毒ではある。1926年に北米から突然拉致されて(食用のため)日本に連れてこられ、北海道の湖や沼に放流された。彼らは生きるために一生懸命繁殖に努めた。それがいまになって在来種を守るためという理由で、いきなり特定外来生物に指定された(2006年)。食糧補充の助っ人から、いきなり悪役に役替をされたのである。人間の勝手に振り回された被害者でもある。行政というものはこうした失敗については決して責任は取らない。
だが、こうした人間の愚かさをを悪用する人間が多いことも事実。利権を悪用して圧力団体となったり、嘘の情報を流して利権を拡大したりする。ニュースを見る精度を高めなければ、とんでもないことになってしまう。
アイヌ利権にどっぷりのアイヌ協会はいまやアイヌの人たちからも疎まれる存在となった。ありもしない強制連行を叫んで権利を主張する在日一派。天の声という恐ろしいほどの利権を振りかざしていた岩手県の天皇グループはついに有罪判決。ま、いつのまにか日本は利権に蠢く特定外来種(在来種もいるが)が巣篭もりをする国となってしまった。それに群がる反日勢力。その一団の一部が政権についているというのだから、恐ろしい。
*つぶやきもしてます。@genyajin on Twitterで検索を。
オイラその手の書き込みはすぐに削除してます。
ところで、利権の構造ですが、いたるところに渦巻くようになりましたね。
こういう輩を見るだけでも吐き気がしてくるようになりました。
でも、自らを振り返ると、利権の確保に走ることがないと断言できない!
いずれの場合も最終的にはマネーが絡んでくる。時々、人間やってるのがいやになります。と、言ってどうにもコントロールできないんですが・・
人間の業ですかね。まるでウチダザリガニみたいだ。
先住民が規定されるとそれを利用する。人種差別をやめようと言うとそれを利用する逆差別。なんとも、恐るべき欲望の噴出です。残念ながら人間の性善説はこの世の中では成立しないようです。
もっとも愚かな政策を立てる官僚とそれに動かされる政治家の問題でもあるわけですね。
考えると苦しくなるばかりです。
基本的にニホンザリガニの主な生息域は水量が極端に少ない〜少ない水量でした。
しかも沢に生息域があってもすぐ近くの沢(下流では繋がってる)でも生息が確認でき無い時も多々ありました。
水量の多い川などで生息してる場合もありましたが、数も少なく通年(冬季除く)確認でき無い時もありました。
推測の域は越えませんがニホンザリガニは雨などで下流に流されても定着し辛いようでした。
ウチダザリガニ は水量の多い川に多く分布してましたが、多少ニホンザリガニと生息域が被って居たところもありました。
ウチダザリガニ にはザリガニ水カビは確認されてますが、ニホンザリガニに発症しないこともなかりありまして、円山動物園で、ニホンザリガニの飼育担当者と話しでは、通常の水カビ菌ではニホンザリガニには即死性がありますが、北海道のウチダザリガニ では、発症しない場合も多い(衰弱個体意外は発症しない)らしいです。十勝川水系のウチダザリガニ をヤビー(オーストラリア産のザリガニ)水槽に投入したことがありましたが
(当時はまだザリガニ水カビのことを知りませんでした)
普通にヤビーの繁殖もしていました。
ウチダザリガニ のニホンザリガニに対する被害が無いとは言いませんが、ニホンザリガニの生息地でニホンザリガニが死滅している場合は、ほぼ人間による開発等によるものでした。
二十年以上ニホンザリガニや外国産のザリガニを飼育していましたが、世間で言われているウチダザリガニ のニホンザリガニに対する被害はかなり懐疑的な感じです。
私は、研究者ではありませんので世間にはまるっきり影響は与えられませんが、親しいザリガニ飼育仲間達の間では、同意と共感を得ることが出来ました。
世の中の(マスコミや行政)話しを妄信するのはどうかと思います。