原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

春の小川

2012年04月27日 07時59分21秒 | 自然/動植物
 小学唱歌として知られる春の小川。日本人なら誰でも知っている歌である。1912年に尋常小学校唱歌となった。すでに百年経過している。当初は作者の名前が公表されていなかった(理由は不明)。この歌の作詞は高野辰之、作曲が岡野貞一。このコンビはすごい。「故郷」「朧月夜」「春が来た」「紅葉」の名曲は、二人が生み出したものだ。国文学者であった高野博士は芸能の史的研究の先駆者でもあった。先人の偉大さをつくづくと感じる。一方、春の小川の歌詞が戦前戦後を通じて二度も変更されているのを聞いてびっくり。高野博士はいま、どう思っているのだろうか? . . . 本文を読む

やっと、春。

2012年04月24日 08時00分00秒 | 自然/動植物
  道東もようやく春らしくなった。軍馬山の雪も小さくなった。野鳥の声も一段とにぎやか。朝食もそそくさに、山へ。いつもの福寿草が出迎えてくれた。見上げればゴジュウガラの番があいさつに来る。やっと、いつもの春。ずいぶん遅かったなと、愚痴の一つも言いたくなる。地球はどうやら温暖化ではなく、冷温化らしい。300年前にもあったと言うから、自然のなせる業か。CO2がどうちゃらと言っていた話とは別の話らしい。どうも温暖化とか大気汚染とか、原発とか自然エネルギーとかの話の裏には、いろいろ利権がらみで右往左往する輩がいて、自分たちに都合のいいように世の中を騒がせている気配がある。せっかくの春。じっくり楽しみながら日本の未来を考えよう。 . . . 本文を読む

小奴・考

2012年04月20日 08時11分24秒 | 社会・文化
 前回に続く、啄木話。釧路の滞在中に石川啄木は「小奴」という芸妓を愛人としたと、伝わっている。小奴は昭和40年まで存命であって、啄木の愛人として、たびたび新聞や雑誌に登場したという(残念ながらその記事に接する機会はなかったが)。この愛人説は、当初から疑問に思っていた。当時、結婚はしていたが24歳の若造である。19歳の芸妓とはいえ、16歳から花柳界に入っていた百戦錬磨の女性。経験が違いすぎる。また、彼の日記に登場する女性の数が実に多い。そのすべてが啄木に気があり、それぞれを愛人にしたかのような雰囲気がある。果たしてそうであったのだろうかというのが、当初の素朴な疑問であった。 . . . 本文を読む

没後と生誕の百年目。

2012年04月17日 08時17分27秒 | ニュース/出来事
 4月13日と15日。わずか二日の違いで、没後と生誕の百周年があった。1912年のこと。13日は石川啄木が26歳2カ月という短い人生を終えた日。啄木ゆかりの地が多い北海道では百回忌の行事が各地で開かれた。75日間ほど滞在していた釧路でも啄木会主催の講演会などが開かれている。没後百年となっても啄木の人気は高い。一方、15日は北の国で金日成の生誕百周年とか。啄木が亡くなってから二日後に生まれたらしい。啄木と金日成では何一つのつながりはない。だが、日韓併合が成立したのは、そのわずか二年前(8月)。その年に大逆事件(5月)が起きている。百年という時の流れの中でまったく違う二つが微妙に交錯するのを感じた。 . . . 本文を読む

中国の片棒を担ぐのか、北海道新聞よ。

2012年04月13日 08時08分37秒 | ニュース/出来事
 酷い記事をみた。4月8日付の北海道新聞である。タイトルは「沖縄県民、縄文人遺伝子濃く」。中国の研究チーム分析、本州の2倍、60%。この記事は根本から奇妙である。まず、中国の遺伝子研究は情報公開せず不明な点が多い。世界に比べ特に進んでいるわけでもない(もっとも研究者は日本在住らしいが)。この発表がどれほど信用性があるのか、普通に疑問がわく。また縄文文化は日本独特のもの。中国には存在していない。日本の研究においてもまだ数多くの謎が残されている。にも拘らず、なぜ無関係の中国がその謎に挑戦したのか。不審な点が多くあるにもかかわらず、検証もなしに記事を掲載した道新もまた不思議なのだ。 . . . 本文を読む

北の春、未だ・・・、

2012年04月10日 07時53分16秒 | 地域/北海道
 いっこうに姿を消さない残雪にしびれを切らして山へ。久しぶりに山行をした。昨年に比べ4週間ほど遅い。山はまだたっぷりと雪を残していた。深いところで40センチはある。春の日差しに全体が緩んでいるので、ズボリズボリと足が沈む。何度も足をとられ転びそうになる。冬籠りに鈍った体がうずく。かなり体力が落ちてる。少し鍛えなおさなければと喘ぎ喘ぎ思う。歩けど歩けど、山には春の兆しをあまり感じない。やはり雪が消えないうちは春の身支度とはならないようだ。空をみれば、いつの間にか雲が広がっていた。出かけた時はきれいな青空だったのに。春の天気の変わり身のは速さに、少し驚く。 . . . 本文を読む

拡大するエゾシカ被害

2012年04月06日 08時05分41秒 | 自然/動植物
 北海道の同居人でもあるエゾシカの被害が広がっている。湿原の環境破壊にまで影響しはじめた。環境省釧路自然環境事務所が今回の調査で判明したのがエゾシカの食害。手当たり次第に植物を食べ、さらに湿原を踏み荒らすことで湿原地帯の地面がむき出しとなる。そのために植生に変化が生まれ、湿原の乾燥化に影響を及ぼしているという。全道で65万頭にまで増えたエゾシカ。道庁にはエゾシカ対策室が新設(2011年)され、緊急対策予算として26億円が計上されている。だがエゾシカの被害が減ることはなく、根本的な対策が求められている。 . . . 本文を読む

迷路を彷徨う日本

2012年04月03日 08時19分20秒 | 社会・文化
 日本に暮らし、日本人としてそれなりに生きてきたつもりだが、このところ数年の日本には、日本人としてもなかなか理解しにくい状況にある。正悪の判断ができない。出口が見つからない混迷社会のど真ん中に突き落とされた感じなのだ。これは日本人(私も含めてだが)の判断能力の低下なのか。混沌とした情報洪水に溺れているだけなのか。あるいは、ある組織による巨大な陰謀のせいなのか。一つの問題に対して、専門家が真逆の説を説かれては、愚民たちは果てしなく右往左往して、迷路を彷徨うしかない。これほど混迷した事態が過去の日本歴史であっただろうか。 . . . 本文を読む