原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

実りの秋、一歩手前

2010年08月31日 09時32分36秒 | 自然/動植物
8月の最終日を迎えたというのに、道東の夏はまだ終わろうとしていない。日中はまだ30度近くまで温度が上昇する。戦後初めての出来事らしい。暑さを振り払いながら久しぶりに山に入った。まだ緑が濃く、秋の気配には少し遠い。実りの秋の一歩手前というところだ。しかし暑さのせいなのだろうか、実とならないうちに腐り、紅葉前に枯葉となったものもあった。道東の暑すぎる夏は、終わろうとして、もがいているかのように見える。 . . . 本文を読む

吾(地球)を一周せし、最初の者

2010年08月27日 09時02分45秒 | 海外
地球を最初に一周した人物は、マゼラン海峡を発見したマゼランと思っていたら、マゼランは航海途中のフィリピンで亡くなっている。彼の後を継いで船団を率いてスペインに帰ったのがファン・セバスティアン・エルカーノであった。最初の世界一周者として名誉を受けたのである。日本ではあまり有名ではないが、スペインのバスク地方にあるゲタリアという小さな港町(人口2628人)が出身地。彼の銅像が町の名物となっている。 . . . 本文を読む

461年目の夏。

2010年08月24日 09時07分25秒 | 社会・文化
写真の建物はスペインのバスク地方(ナバラ州)にあるザビエル城。スペイン語ではハビエルと発音する。この城は日本に初めてキリスト教を布教させた、あのフランシスコ・ザビエルの生家である。現在は博物館となっており、自由に見学できる。内部には日本の絵画なども展示され、遠い時代をしのぶことができる。ザビエルが宣教師として日本に上陸したのが1549年8月15日であった。今年で461回目の夏が過ぎた。 . . . 本文を読む

アゲハ、鈴なり!

2010年08月20日 09時41分33秒 | 社会・文化
冷夏の予想が見事に外れた。それでも猛暑の続く道東にも朝晩、ようやく秋の気配が感じられるようになってきた。山は夏の花とともに蝶やトンボが無数に飛び交っている。なかでも目に付くのがアゲハチョウ。花を咲かせたコオニユリに次から次へとぶら下がる。まさにアゲハの鈴なり状態だ。昨年はこんなにたくさんのアゲハを見ていない。そういえば、トンボも異常に多かった。彼らは人間に何かを伝えようとしているかのようにも見える。 . . . 本文を読む

8月15日に思う

2010年08月17日 08時45分21秒 | ニュース/出来事
1945年8月15日正午、天皇陛下の玉音放送が流れた。それは戦争終結の詔であり、日本の敗戦を決定づけた日であった。あの日から65年が経過した。「もう」というべきなのか、「まだ」と言うべきなのかは分からない。ただ半世紀以上を過ぎた月日を重く感じる。この日を戦争記念日とか終戦記念日とメディアは言う。何か釈然としない。本当の意味で、あの戦争に対する総括がされていないのでは。そんな疑問が何年も続いているからだ。 . . . 本文を読む

嫌われもの

2010年08月13日 10時01分56秒 | 社会・文化
どこの世界にも、俗に言う『嫌われもの』がいる。実害があるものもいれば、理由なく嫌われるものもいる。山でいえばヒグマやヒル、ダニ類がまずあげられる。たしかに人間にとって彼らは実害がある。だが、ヘビやクモとなるとどうも理由が分からない。その姿形に要因があるようだ。毒ヘビや毒グモを別にすると、彼らは人間に特別な悪さをするわけではない。生まれながらにして、損な役回りを与えられているように思うのだが。 . . . 本文を読む

華の顔

2010年08月10日 10時12分37秒 | 自然/動植物
小清水にある原生花園は、北の海岸を彩る花の観賞地として人気の場所。濤沸湖周辺を含め、遠くから原生花園を見ると、ただの緑の野にしか見えない。が、近づくとその中に様々な花があることに気づかされる。花々はそれぞれに独特の姿、色をもち、自分を主張していた。人間のために、彼らがこのようにあでやかな姿をしているわけではない。彼らは子孫を残すために自分の姿を華やかに彩る。この自然のお裾分けを授かって、人は心を癒す。 . . . 本文を読む

クマ鈴に思う。

2010年08月06日 10時13分51秒 | 地域/北海道
軍馬山の入山禁止(クマの出没)が解かれた。久しぶりに山に入る。しかし、入り口には注意事項がでていた。「一人で山歩きをしないこと、クマを近付けないために、鈴や笛、ラジオなど音の出るものを持参すること」。どうやらまだ、完全な安全とは言えないらしい。とりあえず求めたのが「クマ鈴」。バックにつけて山の中へ。ジャラ、ジャラと、足を踏み出すたびに響く鈴の音。これで彼らはこっちの存在に気づく、はずなのだが。 . . . 本文を読む

ボッケ(泥火山)

2010年08月03日 09時58分18秒 | 社会・文化
阿寒湖のエコセンターのそばから小さな半島をめぐる散策道がある。その一角にボッケがある。湖に面した場所で粘土質の泥が沸騰するようにボコ、ボコと音を立てている。ボッケの名前はここからついたのかと思っていたら、これはアイヌ語で煮え立つという意味であった。アイヌの人たちも自然に発する音からその名をつけたものであろう。地球の鼓動を思わせる音である。そして、それは地球の未来につながる鼓動でもあった。 . . . 本文を読む