原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

国防軍

2012年11月30日 07時38分57秒 | 政治
  夜、テレビのニュースで、安倍総裁の自民党が提唱する自衛隊を国防軍とするという公約に対する市民の声が放送されていた。「そんなこと言ったら外国はびっくりするよ、なんだと思うよ」と、あるおじさんの意見。これを聞いた瞬間、口に含んだばかりのビールを思わず噴き出しそうになった。「エッ!」である。二つのとんでもない間違いがここにある。街の声というのはたくさん収録する。その中から選択して放送するのが決まりだ。よりによってこれを流すのかよ、という思いがあった。番組のディレクターが無知だからこれを選んだのか、それとも意識的だったのか。いずれにしても、粗雑過ぎる。もし意識的なら、市民の声というベールに隠したテレビ局のある種の操作である。 . . . 本文を読む

焼け跡に虹を架けたホームラン

2012年11月27日 07時53分11秒 | スポーツ
  先日、懐かしい昔のテレビ番組が放映されていた。1989年にRKB毎日が制作した「桜吹雪のホームラン―証言・天才打者大下弘」である。戦後を代表する天才スラッガー大下弘選手については、子供だったからその全盛期は知らない。だが、長嶋茂雄が巨人に入団した年の日本シリーズで西鉄ライオンズと闘い(昭和33年)、西鉄が三連敗の後四連勝という離れ業で優勝した時に彼がいた事は覚えている。たしか6番か7番。すでに四番ではなかった。この翌年に引退している。全盛時を知らなくても、大下弘の名前とその波乱に満ちた生涯は、なぜか記憶に生きていた。 . . . 本文を読む

鳩山由紀夫と言う不可思議人間

2012年11月23日 08時22分12秒 | 政治
  とにかく理解不能。あるいは異常思考と言うべきなのか。元総理大臣鳩山由紀夫と言う人には驚かされた。自分で宇宙人と呼ぶくらいなのだから、彼にとってはこれで当たり前だったのかも。突然の引退騒動で最後の注目を集めた。選挙用の事務所開設を行い、これから選挙に頑張るぞ!と宣言しながら、三日後には「辞めます」は、これまで同様の破天荒ぶり。人類学の研究にはこれほどのモデルはいないだろう。とにかく我々の常識とは全く違うところに存在するからだ。ただ、日本にとって不幸だったのは、この人が総理大臣になってしまったこと。失われた三年はここから始まった。 . . . 本文を読む

真のセンタクの時。

2012年11月20日 07時42分34秒 | 政治
  幕末の志士、坂本龍馬は「日本を洗濯する」と言ったとか。真偽は定かではないが(小説の言葉の可能性もある)、当時の幕藩体制をぶっ壊すための言葉であったことは間違いない。センタクにはもう一つの意味がある。選択である。明治維新はたしかに日本を変えたが、国民の選択があったとは言えない。その後日本ではもう一度センタクの時があった。1945年の敗戦である。この時のセンタクも戦勝国から与えられたもの。国民の選択ではなかった。2009年8月ついに国民ははじめて選択により政権交代を実現した。だがそれはとんでもない選択であったと、わずか一年で気づかされた。 . . . 本文を読む

ボウモアに残した心。

2012年11月16日 09時10分45秒 | 海外
  11月6日、ウイスキー好きにビックニュースが届けられた。英国が主催する国際品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で山崎18年と白州25年がウイスキー部門の最高賞を受賞。竹鶴正考がスコットランドでウイスキー造りを学んでから90年(竹鶴は山崎蒸留所の初代工場長。その後独立してニッカウヰスキーを創業)。日本のウイスキーが本場を超える日がついに来たかと感じた。サントリーは当初から本場スコットランドを目指していた。アイラ島のボウモア蒸留所が資金難に苦しみだした時、真っ先に援助の手を差し伸べ、最終的にはオーナーとなったことでも、それがよく分かる。 . . . 本文を読む

酒よ。

2012年11月13日 08時22分42秒 | 社会・文化
  酒を友としてから何年経つのだろうか。思い出そうとしても正確な年数が割り出せない。それほどの長い付き合いということになる。自分では人が言うほどの酒好きだとは思わないのだが、世間はどうやらそのような目では見てくれない。それはそれであえて否定はしないが、酒好きというイメージにはどうも好意的な雰囲気を感じない。そこがかすかな抵抗感となる。なによりも、酔っ払いに対する世間の風は冷たい。昔から酒飲みはロクなやつがいないと言うイメージが定着しているからなのだろう。日本三大悪妖怪の一人「酒吞童子」などその典型。酒飲み=悪人を決定づけた。 . . . 本文を読む

ソングライン(夢の道)

2012年11月09日 07時30分00秒 | 縄文
  The Songlinesとは、1987年に出版された英国人紀行作家ブルース・チャトウィン著書のタイトルである。オーストラリアのアボリジニの神話を元に旅をする話。直訳すれば歌の道。昔からアボリジニに伝わる歌の通りに旅をすれば、砂漠の中でも食料にありつけ、安全に旅を続けられるというもの。その意味から「祖先の足跡」「法の道」とも例えられ、欧州では「夢の道」という意味まで加えられベストセラーとなった。チャトウィンはその後のエッセイで、ソングラインはアボリジニだけでなく、アフリカにも北米にもあると語っている。日本にもつながる一筋の道「ソングライン」をそこで見つけた。 . . . 本文を読む

徒然紀行⑩―ゴルゴ13を愛読する、おばあちゃん

2012年11月06日 07時42分15秒 | 徒然記
  久しぶりにJRで釧路に向かった。釧網線を走るのはキハ54形気動車。通常は車両一両のみ。座席は二人掛けで、回転せず。車両の中央に向かって座席が並び、中央部のみ向かい合わせとなり、間にテーブルがある。乗り込んだ時、この中央部にしか空いている席がなく、そこに座った。向かいの席にはおばあちゃんが一人。熱心に週刊誌を読んでいた。当初は気づかなかったのだが、ほどなく、おばあちゃんが読んでいるのが漫画であることが分かった。大人向けのコミック誌である。興味があったのでよく見ると「ゴルゴ13」の特集。ビックコミックの増刊号であった。 . . . 本文を読む

知能指数って、どうなの?

2012年11月02日 07時35分38秒 | 社会・文化
  頭が良いか悪いかの判断基準に知能指数(IQ)が上げられる。だが、この基準は本当に正しいのだろうか。多少の疑問がある。IQ120以上が秀才、150を超えると天才の域に入ると言う。当然、ノーベル賞の受賞者はこうした天才の集まりに思えるが、分かっている範囲内でみれば歴代のノーベル賞の受賞者にIQ150以上の人はいない。例えば20世紀を代表物する理学者リチャード・P・ファインマンは自らIQは123であると発言。DNA研究の父と言われるジェームズ・ワトソンはIQ122である。彼らは一般的に超天才と呼ばれる学者だ。だが、IQ的には天才ではない。 . . . 本文を読む