原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

今年もキタコブシ、咲く。

2014年04月29日 09時42分54秒 | 自然/動植物
  わが町のある民家の庭に10メートルを超す巨大なキタコブシがある。左右に大きく広がった枝いっぱいに白い大輪の花が咲く。その壮観な姿が町に春の訪れを告げる。町には他にもキタコブシはあるが、これほど見事な枝ぶりではない。昨年もここで写真を撮らせてもらった。今年もそろそろと思い、出かけてみたのである。昨年よりは少し早いかと思ったが、咲いていた。まだ満開とはいかないが、枝のあちらこちらに白い花が見えていた。今年も咲いたか、というなんとも言えない感慨がよぎる。樹齢は60年を超えていると聞いた。戦後、町の姿を見続けてきた樹木なのである。 . . . 本文を読む

責任・力

2014年04月25日 09時10分06秒 | 社会・文化
  人間力とか女子力なら分かるが、責任を負うとか責任を果たすというのに、ことさら「力」を強調するとは、妙に感じる人がいるかもしれない。だが、昨今、この責任と言う言葉があまりにも存在感がなくなり、意味が希薄になってきているように感じてならない。ここで力を持たなければ、責任と言う言葉さえ消えてしまうような気がするから、あえて加えた。とくに「公」と「私」の混同が異常で、その境目さえ分からなくなっている。それが「責任」と言う意味に大きな影響を与えているかのようだ。これは日本だけではないのだから困る。こんなグローバル化などは、迷惑以外の何ものではない。 . . . 本文を読む

放流か規制か、ニジマス。

2014年04月22日 10時31分34秒 | 自然/動植物
  正直言うと何を今さら、という気持ちなのだが、ニジマスの放流を規制するかどうかで賛否が分かれているという話だ。事の起こりは、昨年4月に施行された「生物多様性保全条例」。北海道の豊かな生態系を守る目的のもの。生態系に影響を与える外来種を放すことを禁じた条例。実はニジマスは要注意外来生物に選定されている。目下のところ特定外来生物被害防止法の対象外とされているが、北海道ブルーリストには入っている。原産地がカムチャッカ半島や北米であるからだ。オショロコマなどの繁殖に影響があるということで、今後の規制対象に入る可能性があるという。 . . . 本文を読む

早春賦

2014年04月18日 09時05分44秒 | 自然/動植物
  今年初めての山行。関東周辺では桜が散るという時期なのに、道東はまだ残雪の中。冷たい風が吹いていた。思わず口に出たのが「春は名のみの風の寒さや~」。葉の付けていない木々が寒そうに風に揺れていた。花は福寿草がちらほら。フキノトウだけが元気そうに見える。鳥の声に見上げれば、野鳥が躍るように木々を渡る。葉がないから、その姿がよく見える。久しぶりの山歩きだが、昨年と少し風景が違っていた。冬の強風に大きな木が倒れ、情景に変化を与えていた。湿原を流れる小川も蛇行の角度が変わっていた。自然は自然のままに変化している。 . . . 本文を読む

スコットランド魂を見よ。

2014年04月15日 08時53分12秒 | 海外
 明日、4月16日をスコットランドの人はある感慨をもって迎える。1746年のこの日、インヴァネス近くのカロデンと言う荒野で戦闘があった。ジャコバイト軍(反政府革命軍)による反乱である。1707年にイングランドはスコットランドを強引に合併、大英連合国(イギリス)に編入される。この合併に異議を唱え、イングランドからの独立を目指して立ち上がったのがボニープリンス・チャーリーとジャコバイトたちだった(独立を目指した最後の戦いとなる)。しかし戦いはジャコバイト軍の惨敗に終わる。多くのスコットランド人が惨殺され、奴隷とされる。この日を境にキルトとタータンの着用も禁じられる。スコットランド人にとって民族そのものを否定される日となったのである。 . . . 本文を読む

ハイボールが、いいらしい。

2014年04月11日 09時38分58秒 | 社会・文化
  昔の仕事仲間から久しぶりに連絡が入った。スコットランドへの出張とか。シングルモルトの故郷に出かけるにあたって、ハイボールに凝っているという話が飛び込んできた。ハイボールとはずいぶん懐かしい名前だが、最近これが流行っているという。理由を聞いてなるほどであった。基本、蒸留酒だからカロリーも糖質もぐんと低い。太り気味の人には欠かせない飲み物となる。テレビのコマーシャルの影響で若い人にも急激に浸透したらしい。遠い昔、成熟した大人にあこがれて口にしたハイボール。それが蘇ってくる。もっとも、我々には健康と言うもう一つの理由も引き連れてくる。ちょっぴり、ほろ苦い昔を思い出しながら、味わう気分も悪くない。 . . . 本文を読む

イチローの存在意義

2014年04月08日 09時23分23秒 | スポーツ
  ここ1週間、野球漬けであった。メジャーでは話題の田中将大投手が初勝利。ヤンキースファンはもちろんだが、日本人も安堵した。高額の投資がどうやら無駄にならない可能性を感じたからだ。この試合、イチローはスタメンで3安打した。スポーツ新聞は【イチロー勝利に貢献】とタイトルする。試合をみていない人は、イチローの活躍でヤンキースが勝利したと思うであろう。伝説はこうして出来上がる。実際試合をみていた者には、やはり違和感があった。たしかに内野安打2本は2得点の要因となった。しかし、それは次打者ソラーテの打撃の結果によるものだからだ。だが、イチローの存在意義について、あらためて感じさせる試合であったことも、事実であった。 . . . 本文を読む

「狼」が出て、「馬」が転んだ。

2014年04月04日 09時39分46秒 | ニュース/出来事
  台湾からますます目が離せない。日本のメディアが報じないから、なおさら注目する。集合した50万人の前に31日ひとりの男が現れた。肩書は中華統一促進党の総裁。名は張安楽、通称「白狼」と呼ばれる暗黒街の大ボス。闇社会では超有名人。立法院を占拠する学生たちの排除を叫び、恫喝した。「君たちは中国人失格だ。資格はない」「明日は2000人の部下を連れて来て占拠を破壊する」。聴衆はポカンである。中国人になりたいなどと思っている人はいない。暴力団が乗り出してきた。それなら、学生たちを守れという気運が逆に盛り上がった。馬政権を支持するために動いた大ボスの白狼であったが、明らかにマイナス効果の暴走となった。 . . . 本文を読む

台湾よ、頑張れ!加油!

2014年04月01日 10時33分21秒 | ニュース/出来事
  台湾ではいま学生や若者を中心に、馬英九総統がすすめる中国との「サービス貿易協定」に反対する運動が強烈な盛り上がりを見せている。ところがなぜか、日本のマスコミは極めて凡庸な報道に終始。この運動の本当の姿を映し出そうとしない。インターネットの時代である。どんなに隠していても、それはすべてリアルタイムに世界に広がる。それなのに、まるで日本とは直接関係ないとでも言わんばかりの姿勢なのだ。日本にも迫りつつある危機をまったく感じていない風でもある。日本のマスメディアはどうしたというのだろう。彼らは日本の報道機関ではなくなったのだろうか。 . . . 本文を読む