原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

『摩周湖、伝説』(デジブック)

2010年10月29日 08時56分41秒 | 地域/北海道
日本のみならず世界に知られた摩周湖。その佇まいと紺碧の水を湛えた姿は、まさに神の住む場所に見える。流れ込む川は一つもなく、小さな川への出口一つだけある。その成り立ちもまた神秘であった。まさに伝説が生まれるのにふさわしい神秘の湖である。 アイヌの人たちに語り継がれたその物語は、現代でもそのまま生きているように思えてならない。摩周湖はそうした思いをつのらせる場所でもある。 . . . 本文を読む

老いを思う。

2010年10月26日 08時49分53秒 | Weblog
老いを感じ、老いを思い始めたのは、いつからだったかな? こんな話をすると、老いた証拠と言われそうだが、ま、聞いてほしい。不思議なことに、晩節を迎える頃となって、齢のことなどあまり意識しなくなった自分に驚いているのだ。むしろ若い時の方が老いを意識していたような気がする。諦めがそうさせたのか、齢に慣れたからなのか、認知症の始まりなのか。それほどの意味は感じないが、堂々巡りに思考してみた。 . . . 本文を読む

絢爛たる落葉の陰で。

2010年10月22日 08時50分46秒 | ニュース/出来事
華やかな紅葉の絨毯が歩道を埋め尽くしていた。 色とりどりの葉たちは、道東の短い秋を物語っている。いつもの変らぬ風景のように見える。が、今年は少し違う。歩道から上へ目を転じると、そこにはまだ紅葉になりきっていない葉がびっしりと残っている。昨年の同時期は木全体が紅葉になっていた。明らかに昨年とは違っていた。気象の変化だけではない、大きな変貌がその陰にあるように感じた。 . . . 本文を読む

徒然紀行②―挽歌橋

2010年10月19日 08時45分02秒 | 徒然記
記憶というのは不思議なものだ。ふだん全く忘れていても、何かの拍子に一気に思い出したり、突然意味もなく頭に浮かぶこともある。そのくせ、肝心の時になかなか思い出せない、面倒なやつでもある。いや、認知症の話ではない。一般論としての記憶のことである。 もう既に存在していないが、ある古い橋の話が釧路湿原に残っている。 その名は「挽歌橋」という。この橋が記憶の糸を手繰る旅の出発となった。 . . . 本文を読む

マリモ異変!

2010年10月12日 09時56分49秒 | 自然/動植物
「晴れれば浮かび、曇れば沈む」 昔に歌われた「マリモの歌」の一節である。 しかしながら、どうやらこれは俗説。実際は天候によって、水面に浮かんだり沈んだりはしない。ただ、光合成の関係で水面に浮かぶことが、たまにあるらしい。ところが今年、阿寒湖のマリモが次々に浮上する事件があった(毎日新聞と日経新聞の報道)。異常事態が起きていた。 . . . 本文を読む

210番目の遺跡、発掘!

2010年10月01日 09時49分48秒 | 社会・文化
9月26日、塘路湖湖畔である遺跡の発掘が開始された。これが標茶町で認定されている遺跡の210番目にあたる。町内にある遺跡群の7割以上が縄文遺跡。それほど知られていないが、標茶町は日本でも有数の「縄文の里」なのである。これまで数多くの歴史的重要遺跡物が発掘されてきた。今回発掘される遺跡は約4千年前の住居跡であると予測されている。発掘は約三週間で完了するが、ここからどんなものが掘り出されるのか興味深い。 . . . 本文を読む