原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

アオサギの季節

2013年03月29日 07時51分21秒 | 自然/動植物
  毎年この季節となると、塘路湖畔の一角にアオサギのコロニー(集団繁殖地)ができる。二百羽を超えるアオサギが集まる。抱卵が始まり、雛がかえると餌運びにコロニーと湖を往復するアオサギが塘路湖を彩る。タンチョウとは違う飛び方(アオサギは首をS字状に折りたたんで飛ぶ)だが、その優雅さは負けてはいない。だが、今年は少し様子が違う。例年なら氷が消えているはずの湖がいまだ結氷中。ほんの2%ほどしか融けていない。餌がまだ十分ではない。そのせいなのだろうか、コロニーの方もまだ不完全。アオサギ達はただ佇んでいるように見えた。自然は彼らに試練を与えているのか。 . . . 本文を読む

貴重なツーショットかも!

2013年03月26日 07時42分53秒 | 自然/動植物
  2月の寒い日であった。釧路川沿いに飛来するタンチョウを撮影しようと待機していた。数日前からここを通るタンチョウの一団(8羽ほど)を見ていたからだ。しかしこの日はタンチョウが現れなかった。一時間ほど過ぎた頃、上流から飛来する鳥を見た。肉眼ではトンビにまとわりつくカラスに見えた。カラスは結構トンビをいじめる習性がある。何気なくそれを写真に収めていた。家に帰り写真を見た時、大きめの鳥はトンビではなくオジロワシであることに気付いた。まだ幼鳥でカラスにいじめられていたのかな、と思ったが、オジロは完全な成鳥。カラスがオジロを脅すなんて、そんなことあるのか。 . . . 本文を読む

口利き。

2013年03月22日 07時28分39秒 | 社会・文化
  国民の投票により選出されるのが、国会議員、県議、町議などなどいろいろある。政治家と呼ばれる人たちだ。彼らの大きな仕事のというか、役割の一つになるのが、陳情などの国民の要望を聞き、それを行政に生かすということ。これが国という大きな範囲から、県、市、町とスケールダウンしてくると、陳情内容もより身近なものへと変化する。就職あっせんを始め、どこどこの施設に入りたい、介護の数を増やしてほしいなど、当人とって逼迫した問題が中心となる。これがいわゆる「口利き」のネタとなる。政治家が仲介して、便宜を図るシステムが生まれる。 . . . 本文を読む

踊り子

2013年03月19日 07時38分43秒 | 自然/動植物
  いつみても優雅な鳥だと思う。地上にいる時も空中を飛ぶ時も、まるで舞を舞うかのようだ。その姿に「めでたい」称号が与えられた。その白く美しい姿は鶴髪(かくはつ)に例えられる。つまり美しい白髪のこと。そこから長寿を象徴する吉祥の鳥となった。長生きの亀とともに「めでたい席」に必ず登場するようになった。鶴は千年、亀は万年長生きするとか。実際そんなに長生きできるわけではない。亀は百年の噂はあるが、少なくてもタンチョウは20年が平均寿命。そんな現実はともかく、優雅なタンチョウの踊りを毎日楽しむことができる我々は、やはり幸せ者なのかも。 . . . 本文を読む

二年連続の全面結氷。

2013年03月15日 07時39分06秒 | 地域/北海道
  摩周湖が2年連続で全面結氷した。冬だから湖が凍ることが当たり前のように思うかもしれないが、実は摩周湖の全面結氷というのは意外に珍しい。昨年の結氷が実は4年ぶり。なかなかお目にかかれない。地球温暖化とか言われている中で、昨年が特別だと思われていた。だが、今年もなのである。昨今の冷え込みの厳しさ(マイナス20度前後)がもたらしたもの。道東は冬を通じて雪も多かった。これも珍しい。3月初めの大雪のおかげで雪化粧の湖となったが、何とか写真に残すことができた。もし来年からしばらく全面結氷しないことになれば、貴重な記録となる。 . . . 本文を読む

この冬、最後の走り。

2013年03月12日 07時58分35秒 | 地域/北海道
  3月10日をもって、SL冬の湿原号の走りはひとまず終わりを迎えた。来年の1月末の再会まで、釧網線を走る雄姿は見ることはできない。惜別を込めて、これまで撮影ポイントにしていなかったサルボ展望台に向かった。木立が多く、線路をクリアに見渡せる場所がほとんどない。あと500メートルも歩けばもう少し見晴らしがよいところに出るのだが、線路から遠くなり望遠レンズに不満が出る。やむを得ず、木立の隙間を見つけて待機。この冬最後のSLを高台から眺めた。待機する時間は30分。撮影は一瞬の数秒。この理不尽な矛盾を甘んじて受けるのも、今年はこれが最後だ。 . . . 本文を読む

弟子屈町川湯相撲記念館

2013年03月08日 07時48分35秒 | 地域/北海道
 正式名は四角ばっているが、中身は「大鵬記念館」である。今年の1月19日に逝去。2月25日は21人目の国民栄誉賞を受賞された、名横綱大鵬幸喜(本名納谷幸喜)関の記念館だ。出身地である川湯温泉の入り口に昭和59年に開設されたもの。現役時代は遠い昔。かすかに残る記憶を手繰り寄せてみようと出かけてみた。懐かしい風景がそこにあった。昭和30年代、日本が高度成長のスタートラインに立った時代。そこには燦然と輝くヒーローがいた。相撲人気がどうのこうのではなく、ヒーローの活躍に日本中が湧き立つ時代があり、活気ある日本が存在していた事をあらためて感じた。 . . . 本文を読む

春の雪は重く厚い。

2013年03月05日 07時54分33秒 | 地域/北海道
  3月に入った2日と3日にかけて道東は強烈な暴風雪に襲われた。中標津町では5人の人が亡くなり、網走や富良野を含めると9人にまで被害が拡大した。例年比較的雪の少ない道東ではあるが、今年は嫌な当たり年になった。これほど雪で荒れるとは、さすがに気持ちが萎える。特に春の雪は1月に降る雪と違って、湿って重い。雪かき(雪はね)は強烈な重労働となる。厳寒に降る雪はさらさらとして、箒でもはける軽さがあるが、三月となるとそうはいかない。僅かばかりのスペースの雪かきでも、腰にくる。重いうえに厚く積もるからだ。雪との戦いの日々がずしりとのしかかる。 . . . 本文を読む

台湾シリーズ⑨―2・28事件

2013年03月01日 08時22分21秒 | 海外
 昨日は2月28日。台湾の人にとって忘れられない日であり、台湾史にとっても重要な2・28事件が起きた日であった。事件が発生して、今年で66年目となる。近年の台湾では国家的行事として追悼式典などが催されている。しかしこの事件は長い間(蒋介石の統治時代)隠されていた。事件は蒋介石の国民党と台湾人との軋轢が生んだもの。その根には日本があった。事件が明るみに出たのは、民主化が進んだ二十世紀後半となってから。それまで台湾の人は口にだすことさえ禁じられていたのである。日本人が詳細にこの事件を知ることになったのも、最近のことであった。 . . . 本文を読む