原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

ジャスミンの風が吹いた。

2011年11月29日 09時52分00秒 | ニュース/出来事

 11月27日の大阪ダブル選挙で大阪維新の会が圧勝。知事と市長を勝ち取った。民主党と自民党が手を組み、恐ろしいことに共産党まで連携したグループが無惨な返り討ちにあった。既成政党に反発した大阪市民のジャスミン革命であったと思う。堀辰夫風に言えば、まさに、「風立ちぬ」である。閉塞感が強い日本の状況に希望の風穴があいた。この風をぜひ北海道でも立ちあげてほしい。橋下新市長の提言は大阪都構想ばかり取り上げられているが、教育基本条例や公務員改革、エネルギー改革など、極めて重要な提言をしている。これはすべて北海道に当てはまる。次に舞うジャスミンの風は、ぜひ北海道で、と思う道民は多いはずだ。

ジャスミン革命と同じと聞いて異論唱える人もいるかもしれない。たしかにチュニジアを起点としたいわゆるジャスミン革命は、独裁から脱出しての民主化革命であった。橋下新市長は独裁を宣言している。だが、自ら独裁を宣言する独裁者はいない。こんな言葉尻を追い風にしようとした姑息な既成政党の考えがまずおかしい。利権を守ろうとした官僚と古い政治家、そして経済界など、すべてが自分たちの利権守るために手を組み、反旗を翻した。彼らの独裁を守るためであった。それを大阪維新の会が打ち破った。新たな民主化革命である。同時に、ツイッターやフェイスブックなどのコミュニケーションも忘れてはならない。これがあったからこそ、無党派層が選挙へと足を向けさせるきっかけとなった。市長選の投票率が60%を超えた事実がすべてを物語っている。これもまたジャスミン革命と同じ構図なのだ。

だが、本家のジャスミン革命がその後苦しんでいるように、これからが本番。革命を成し得る苦しみはこれからの方が大きい。その意味でも注目しなければならない。

維新の会が提唱した大阪都構想は、道州制に置き換えると、北海道の立場がよく分かる。教育基本条例はまさに北海道の癌とも言える北教組にメスを入れる話となる。公務員改革は北海道のぬるく重複した地方自治体体勢を揺るがす。エネルギー問題は泊原発をどうするかにつながる。同時に北海道ならではのエネルギー開発への道を探る。新しい風が吹く時はもう来ている。

このところの北海道選出の政治家の不祥事は目を覆いたくなる。こんな人材しかいないのかと嘆くばかりだが、そうも言ってられない。どん詰まりの閉塞感は大阪どころではない。政治から変わらなければ、解消できるはずがない。きっちりと政治を見直す時期なのだ。

同時に今言葉を発する北海道の政治家をじっくり見るべきだ。民主党とか自民党とか言ってる場合ではないが、どうも政党に縛られた人たちは発想が狭い。狭すぎる。それは今回の大阪ダブル選挙で極めて明快に出ていた。もはや既成政党では駄目だということを証明してしまった。やはり新しい枠組みの政党が必要なのだ。

だが、来年に立ちあがるという「アイヌ民族党」は疑問だらけだ。これは、はっきり拒否したい。アイヌの権利を取り戻すということらしいが、これまでどれほどの保護を受けてきたか、彼らが一番知っているはず。住宅資金や教育資金で優遇を受け、ちょっと民族衣装を着て意味不明の踊りをするだけで助成金が出る。こんな人たちにさらに権利を要求される筋合いがあるというのか。

この裏で協力しようというアイヌ協会はさらにヘンだ。解放同盟とぴったり寄り添い、アイヌ利権でさらに潤うことをめざしている。摘発された不正経理問題をアイヌ協会はどれほど解決しているのか。そのうえに、さらに利権を主張するというのだ。その心根を理解しろと言う方が無理。アイヌ協会に本当のアイヌの人は何人いるのだろう?いわゆる利益追求の圧力団体にしか見えない。真のアイヌの人はきっと嘆いているのでは。アイヌ協会やアイヌ民族党を立ち上げる人たちよ、いま一度アイヌの人たちの本当の心を聞いた方がいい。

日本が変わるかもしれないと思わせた大阪ダブル選挙。すべてがこれからだが、こうした流れは世界の例を見るまでもなく、直実に動き出しているということだ。新しい道を歩き出す時が来たのだと思う。

北海道にもジャスミンの風を!

*巻頭の写真はアラビアジャスミン。二枚目は、はごろもジャスミン


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4 コメント

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スカッとしましたね! (numapy)
2011-11-30 09:57:18
開票速報が出た途端に両氏とも当選確実!暗雲を取り払ってくれました。
それにしてもこの圧勝振り!大阪府民はよっぽど閉塞感があったのでしょうね。ともかく、日本はギリシャに匹敵する役人天国。大きな政府を糾弾する前に、巨大な役人天国を糾弾すべきです。
マスコミも酷い!あの橋下バッシングは醜悪でした。どこぞの老害や消費期限切れの老醜との裏取引か、もしくは知性というものの腐った奴らが跋扈してるとしか考えられない。
北海道も同じですね。談志のほうが遥かに立派でした。彼は“人間の業”を理解してましたからね。
北海道の政治家は、それは何?というでしょうかね。
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歪んだ民主主義 (原野人)
2011-11-30 10:52:02
どうも、民主主義といえばすべてがOKという世の中ではないような気がします。なんでも多数決で決めながら、少数意見も大切ということで最終決定を先延ばし。その間に不幸はどんどん膨らんでいく。それでも何もしないし、できない民主主義というルール。
なんだか、民主主義はそれほどの正義ではないような気がしてました。
そんな疑問に結論を下したのが、今回の大阪だったような気がします。彼は独裁を叫び、大阪をぶっ壊すと宣言した人です。民主主義のルールから外れてました(言葉だけですが)。民主主義だろうが帝国主義だろうが、要するに民意というものは、未来に明るい希望のある方へ進むということ。
いろんな毒が共存して政治があるということですね。
北海道で新しい風が吹く可能性に期待したいが、どうだろうかな?現札幌市長となって生活保護者が急増しているとか。これも過剰な民主主義のような気がしてます。
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改革というより正常化に (BEM)
2011-11-30 23:13:09
こんばんは。
インタビューされる大阪市民がとりあえず変わって欲しいという人が多かったのには、少し古いですが大阪市の職員が公費でスーツを作っていたという事がありましたね。
現在は少しは良くなったのかもしれませんが、そういうお上意識は根強く残っている事が今回の橋元市長誕生の原因だったのでは?と考えています。

ユーチューブで大阪市から天下りを受け入れている交通局がらみの会社というのを見ましたが、地下鉄の自動販売機の点検をする業務というのがあり、年間3000万円を市から受けているといいます。
それでやる事は自販機に以上があったら自販機メーカーに電話することだけ。それで職員が4人もいるそうです。

こんな事をしていれば赤字が膨らむのも当然のことでしょうね。
まあ北海道、札幌市もしっかり目を見張らねばと思いますが、道議会、市議会なんかはその上を行っているかも。

それからアイヌ民族党に関する意見! 大変もっともだと感じました。
今頃昔ながらのアイヌ文化を実践出来る人が本当にいるのでしょうか。これも調べると利権と深く関わり合いがあるそうで、差別という言葉に怖じけずに、ハッキリ何がしたいか問う必要があるでしょうね。
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正常化が大変なんです。 (原野人)
2011-12-01 09:53:03
BEMさん、こんには!

一度狂った歯車を元に戻すのは、改革より難しいと思います。いったんチャラにする革命の方がむしろ手間がかからない。
しかし、口で言うが易い話で、ほんとうはこれからが大変でしょう。勝負はまだまだわかりません。なにしろ大阪は財界を含め組織すべてが反橋下ですから。
北海道もなんだか歪んだ民主主義がまかり通って、風通しの悪さを感じます。札幌辺りから良い風を吹かせてもらいたいと、願ってます。ま、そういう私は、他人まかせですが。
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