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鳥まり、参る!

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ノスタルジック・ノンノ。

2021年11月05日 | 言いたい放題
【新木優子さんご卒業ということでねえ】

とてもとても久しぶりに、ノンノの紙本を買いました。

新木優子さんサヨナラ特集…じゃない、この言い方は宝塚雑誌だったわ。

ご卒業記念号ということで買ったの

表紙や巻頭の特集ページ素敵でしたね~。

グリーンのドレスが特にお似合い。

未来にスクラップするときもページごととっておこう。

ノートに切り貼りするんじゃなくて。

(関連過去記事→・スクラップブックで本当に欲しいものがわかるかも。

太陽のような笑顔が素敵な新木さん…密やかに憧れております。

(こんな記事書くくらい。→・新木優子さん風メイク。

勝手に二十歳ちょいくらいの御年齢なのかなーと思っていたら、27才だったのね。

確かにノンノ的にはお姉さんかも。

【ガチ清楚の友、ノンノ】

ノンノといえば、ガチ清楚さんが一番最初に友達になるファッション雑誌のひとつ。

(関連過去記事→・ガチ清楚とモテ清楚とは何か。

私も遠い昔…10代の頃毎月ノンノを買って読んで

「おしゃれとは?

 かわいいとは??」

と一生懸命勉強したものです。

なつかしいわ~

さて、令和時代のノンノ。

流行がめぐってる…?という視点も見逃せないけど、少女(と書いて、おとめと読む)だった私が読んでた時と変わってないところが多くて懐かしさがすごかったです。

言いたい放題記事だからホントに言いたい放題なんだけど…。

1.ややトンチキ要素を含んだナチュラルガールっぽいコーデ多し

…洗練、垢抜け、スタイルアップ、美人見せ、よりナチュラルガールが楽しむファッションて感じ。

 ノンノ系が一番モテるってわけではなくて、ノンノモデルを務められるレディー達は事務所のプッシュ強め、ゆえに人気者が多いってことだったのね。

 有名になって名前を知られないと男性ファンつける以前の問題だからね。

 たまにトンチキ感強めのコーデが必ず混ざるのも変わってない気がしたよ(笑)。

2.メイク記事の実用性は高くない

…ほんっっとに変わらないなって思ったポイント。

 メイクレシピ的特集の実用性が高くないのですよ。

 ベーシックなメイクの見本でもなく、事細かでもなく、美人見せ・キュート見せでもなく

 「メイクでさらっと遊ぶ」

 みたいな構成だから

 「これで可愛く(orきれいにor流行メイク顔に)なれる人って相当メイクレベル高い人だけなんじゃないの??」

 と思わずにはいられぬ。

 技術が身についてないあの頃、真似してみるけど鏡に映る自分の顔はイマイチでメイクダウン状態だし、他人さまに褒めてもらえることももちろんなかった…。

 この構成でコスメの広告効果得られるのか??

 「モデルの○○ちゃんと同じの使いた~い

 以外購買につながらないんじゃ

3.ボーイッシュ感強め

…私の時代に比べると

 「乙女チックなファッション」

 「綺麗なお姉さんファッション」

 「ナチュラルな中にセクシー感あるファッション」

 も混ざっていますが、ノンノの根幹はナチュラルガール・ボーイッシュガールなのね~と改めて感じました。

 パーソナルデザインの話するつもりはなかったけど、やっぱりPDナチュラル・PDボーイッシュ押しなのかな?

…。

というわけで。

久しぶりにしっかりじっくり読み込むノンノは面白かったです

各ファッション雑誌が存続をかけて戦う時代にあってもちゃーんと毎月出てるのだから、ブレない伝統に需要があるんだよね。

楽しかった







はじめての方向きの記事と対面カウンセリングのご案内です♪

※対面有料カウンセリングやってます。


※スキンケア記事・まとめ。


※宝塚の娘役さん風・ナチュラルメイクレシピまとめ。


※有名人さん風メイクレシピ・まとめ。


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※モテ服関連記事・まとめ。

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萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その6。

2021年10月10日 | 言いたい放題
【最後の最後。第8巻後半】

をのひなおさんの大人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』第四章萌ちゃん編にネタバレ配慮せず言いたい放題記事を書いています。

これで最後の最後…萌ちゃん表紙の第8巻後半です。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その1。

…第5巻分。

 あとおそらく萌ちゃん初登場の2巻にもちょっとだけ。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その2。

…第6巻分。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その3。

…第7巻前半分。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その4。

…第7巻後半分。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その5。

…第8巻前半分。

全部読んでトータルで言いたい放題なので、読み終わった人向けかもしれません。

ネタバレ嫌な人はお気をつけくださいね。

【寂しい愁いを含む瞳…萌ちゃん…】

最後の最初に、古い古い歌をひとつ…。

青い芽を吹く柳の辻に

花を召しませ

召しませ花を

どこか寂しい愁いを含む瞳いじらし

あの笑くぼ

ああ東京の花売娘

(略)

粋なジャンバーの

アメリカ兵の影を追うよな甘い風

ああ東京の花売娘


岡晴夫さんの『東京の花売娘』の歌詞です。

有間しのぶさんの名作漫画『その女、ジルバ』でも出てくる。

重要人物の一人が戦後、親も兄弟も亡くしたった一人で飢えきって生きていた中、その類稀なる美貌を見出されてしまいヤ○ザに騙され金持ち相手に生花を売るという花売娘の仕事につくが、それは精神も身体も奪われ奪われ、自分には少しのお金も入らない過酷な肉体労働であった…というエピソード。

(花売娘、という仕事は歌を真似して後に使われた呼称)

『東京の花売娘』は第二次世界大戦終戦後の1946年に出来た歌だそうで、その意味がしっかり明示されたかは不明ですが、色々来るもののある歌詞ですよね。

私は妙にこの歌が萌物語にかぶるのですよ…。

悲しげな瞳、けなげな微笑み…うううう

もう、花園神社でキスされた後の萌ちゃんはずーっとずーっとボロボロです。

あの刺激、高揚感で

「楓のバースデーお祝いするから!」

とテンション爆上げになったものの、刺激は一瞬。

生活は毎日毎日積み重ねるずっと続くものだ。

萌の生活はもう苦がほとんどになってしまったんだよね…過酷な肉体労働、あれもこれもどんどん削られていって、大学に行くエネルギーもなくて、退学して。

日常はあまりに大きい。

もう、楓と会ってる時間すら笑えないし、あの恍惚とした

「私は主役になれる。

 味わったことない、こんな高揚感…」

はない。

かつての居場所・トラップからのメッセージに

「今更戻れるわけない…」

と涙ぐみ、仲が良いのであろう実家のお母さんのメッセージで涙が止まらなくなってしまう…。

なんという痛々しさ。

みっこさんのメッセージだって営業じゃん、金払わなきゃ成立しない関係じゃん、という声もあったそうですが。

私は

「いやー額が違いすぎて比較できませんよ」

と思うなあ。

トラップの常連さんだったときの萌はちゃんと学業も生活も破綻してなかったわけだから。

愛だと私は思いますよ。

自分たちの仕事にお金を払っていただけるって、ほんとにほんとにありがたくて尊いことですからね…。

【号泣事件】

辛いときは辛いことが続く。

精神が弱ってる時は、小さな刺激でも心が大怪我するような状態だからだ。

ゆあちゃんもそうなんだけど、彼女は攻撃的な要素でそれが漏れる。

大声、金切り声、攻撃的な言葉、(非力とはいえ)暴力など。

萌の場合は、ゆあと同じ繊細さんでも自責型のようでひらすら内心で自分を責めているように見えた。

そんな状態だったから、号泣事件が起きてしまうのですね。

お客さんのかけた言葉はけして素敵な言葉じゃないけれど(笑)全然萌自身を攻撃した言葉ではないと思う。

だってあれ、一種のごっこ遊びじゃないですか。

でも意識的にも無意識的にも萌は

「親を悲しませて、もうどうしようもない。

 私のせいで私のせいで。
 
 もうママに顔向けできないよ」

と四六時中自責していただろうから、その辛い言葉がたまたま実際に自分にかけられてしまった。

そこが傷口になり、あらゆる辛さ・悲しさ・納得できない、絶望…が号泣として溢れ出てしまったんじゃないだろうか。

あそこでキレて殴るようなお客さんじゃなくてよかった…。

萌の真面目な仕事ぶりがきちんと信頼されて、罰金もなくてすみましたしね。

わかりにくいけど、実はあの事件の顛末は萌の誠実さがちゃんと良いカルマとなって返ってきていると思う。

そして、この日目標金額を達成。

2ヶ月頑張って頑張って貯めたお金、130万円。

一晩で…数分で楓(から、お店)に消えてしまうお金。

お金は大切なものだ…。

泣きながらお金を抱きしめて眠る萌の描写はくるものがあります

【キラキラ金曜日!!】

バースデーイベント当日。

萌は0時ぴったりにお誕生日おめでとうメッセージを送っているけれど、多忙な楓は17時近くになって返信するのが前ふり。

美しく着飾っても(このときのワンピースは新品?表紙と同じワンピース)、楓からのメッセージを読んでも、萌はずーっと悲しげな瞳。

笑みはない。

寂しい愁いをふくむ瞳

仕事熱心な楓は他の仕事仲間が

「あんなに落とす金が少ない客に?」

と思っているであろう萌にちゃんとプレゼントを用意してくれてて職業としては素晴らしいのかもしれないけど、前にも書いたとおり

「その可愛いコートに似合う手袋」

ではなく、安値のコスメです。

ディオールの紙袋はコスメ部門とアパレル部門違うはずだし、大きさからして小さなコスメでしょう。

最有力予想は5千円でお釣りがくるリップコスメ。

…いや、ほんとに…5千円以下が悪いんじゃないですよ。

むしろ高い。

でも、萌の払ったお金が大きすぎるでしょうよ。

そしてそのお金を萌が調達する手段は過酷な肉体労働で、そのストレスで大学も辞めたわけで…。

ゆあとの出会いに始まる楓への熱烈片想いメモリアルが脳内をキラキラかけめぐったところで、もうあの高揚感はどこにもない。

「早く会いたい」

とメッセージを送っても全然嬉しそうじゃない。

からの、

「桃花ちゃん俺も早く会いたい」

ですよ!!!

彼女は、萌!!!

このあとの彼女の気持ちとの折り合いのつけ方は、やっぱり誰も悪く考えられない優しい人なんだな…と思い知らされる清らかさ。

清いゆえの苦しみ、悲しみ。

誰か助けて…と願った萌は、すぐに助けが舞い降ります。

ええ、キラキラ金曜日ですよ(笑)。

あのネタ私のとある知り合いが一時期毎週金曜日ずーっとずーっと発信してまして、

「本気で返すようなネタじゃないけど地味に不愉快なんだよな」

と思ってたんですが、明日カノのおかげで不快さがなくなりました

ドラァグクイーンさん綺麗。

みっこさんのときめき笑顔可愛い。

翼くんの照れ顔可愛い。

アレンさんはプロらしい涼やかな微笑みが素敵。

泣きながらゲラゲラ笑って、その湧いてきたエネルギーで萌はトラップへ行きます。

「大恋愛してきたよ」

という言葉でもうこの恋は終わりだとわかりますね。

あっさりしてるけどすごく素敵なストーリー展開でお見事でした。

良かった~

神編・神回と称えられる理由はここにありです。

楓は、真面目で一途な萌なら大丈夫…っていう気の抜けが名前間違いやバースデー直前の萌の不安定さをシビアに受け止めなかった、というのにつながっていたんでしょうね。

楓は萌どころかお客さんに恋愛感情・特別な選別は一切ないと私は思うけど、一切お客さんの悪口を言う場面が描かれない点から考えても

「お客さんはみんな大事です」

なのではないかな。

楓を支える野心はできるだけ早く経営側にまわりたい、もっと稼ぎたい、だと私は感じたので細かいところで抜けが出てしまって萌の救済につながったのだろうな、と。

【優愛が萌の友情を拒んだ理由は】

萌がゆあにわざわざ

「ゆあちゃんとずっと友達でいたい」

と言ったのは、萌がどれだけゆあを大切に思っているかの証明でもあり、同じ境遇にいたからこそ

「それは望めないことだ」

と予感していたからでしょう。

ゆあが友情継続を拒む場面は、私の友達とか

「すっごく怖かった。

 ヒュッてなった」

と怯え切っていた。

私は全然怖くなかった。

ああ、こう出たか、って感じ。

ハルヒとの最後と少し同じで、心をさっと凍結させて考えるのも感じるのもやめる。

そして自分を守るために

「ぬる。

 冷めたわ。

 時間無駄にした」

と逃げ去る。

萌が

「ごめんね…」

とボロボロ泣くのは、ゆあの内情を全部悟っているからだと思う。

私には(私には、ね)

「ごめん、私はもうこの地獄で一緒に歩いていくことはできない」

「裏切り者。

 ゆあは行かない。

 ぜったい地獄から出てかない

 …這い上がろうと頑張るのも、助けて欲しいと願うのも全部疲れた」

みたいなやり取りに感じられたよ。

(この作品内では地獄ではなく天国って言葉が使われてるけどさ)

奪われて、奪われて、どこまでも踏みつけにされて。

自力で立ち上がるのも助けてと叫ぶのも疲れた…みたいなね…。

をのひなおさんのインタビューを読んで

「ああ、やっぱりそうだったんだな」

と思いました。

楽だし、頑張るのってつらいから。

一緒に病んで、「つらいつらい」とやるのはとても気持ちいい。

ヤダっていうか寂しいんだと思います。


この部分。

こちらの記事です。
  ↓
※人類は“ポジティブメンヘラ”に進化すべきか? 漫画「明日カノ」作者×「ミオヤマザキ」mio対談(ねとらぼ)

あと、違う記事では

「あ、やっぱり私がこの作品に描かれてる気持ちは本当だなって思ったの当たってたな」

と思いました。

こちら。
  ↓
※“生きづらい”女の子たちのリアリティ(音楽ナタリー)

「愛されたい」



「うまく生きられない」

がテーマか…日本女性の根幹的な問題な気がする。

でもね…ゆあは萌が好きだからこそ傷つけることなく去っていったんだと思う。

女の子同士の絆。

この作品の一番強力なテーマのひとつな気がします。

【振り返らずに】

そしてエピローグ。

202○年の新宿で、素敵な美容師さんになった萌は年間売り上げナンバー1(ついでに二重整形)になった楓の広告トラックを見かけるけれど、泣きも笑いもせず振り返らずに自分の仕事=生活。Lifeに向う、という美しい場面。

先に書きましたが萌が美容師になったのはリナと優愛との友情からだと私は信じてる。

揶揄されたお団子ヘアもさらにかわいく進化させて楽しめるようになった、黒目を大きく見せるコンタクトがなくても大丈夫…いろんな要素がぎゅぎゅっと入っています。

良かったねえ…としか言えないよ。

良かった良かった

最後の萌の心はをのさんが書いた言葉なのかな…ないほうがより美しくまとまった気がするのだが。

でもいいラスト。

本当に良かったです。

女の子としては初めての希望に溢れた結末なので、表紙タイトルは文字が上がっていく横書きなんでしょうね。

翼くんが先にそうだったけど。

縦書きだと文字の進み方は下へ、だけどこの横書きは右肩上がりなんですよね。

萌ちゃん、おめでとう!

…とこれで言いたい放題終わりです。

あー良かった良かった。

書ききれた~。

ラストシーンは2022年から2029年の間ですが、ホントに2029年にマスク無しで外出できるようになるのかどうか。

2021年の今は全く確信が持てないな。

めずらしく新コロ怖いを、厳格にではないとはいえ漫画内で描いた作品でもあり、今を生きる物語なんだなと実感します。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます

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萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その5。

2021年10月09日 | 言いたい放題
【これでラスト、の第8巻前半】

をのひなおさんの大人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』第四章萌ちゃん編にネタバレ配慮せず言いたい放題記事を書いています。

ついに最後…萌ちゃん表紙の第8巻。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その1。

…第5巻分。

 あとおそらく萌ちゃん初登場の2巻にもちょっとだけ。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その2。

…第6巻分。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その3。

…第7巻前半分。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その4。

…第7巻後半分。

全部読んでトータルで言いたい放題なので、読み終わった人向けかもしれません。

ネタバレ嫌な人はお気をつけくださいね。

【底なしの闇に気付いたときの絶望は】

8巻オープニングはクリスピークリームドーナツで翼くん(バサやん)とお茶、の続き。

彼のことだから

「実は萌さんが好きで…僕と付き合ってくれませんか?」

となるわけがないとわかっていましたが、その通り。

リトルミィ時代(ワンセット大仏時代、と私は言いたくない。侮蔑の言葉はちょっとね…)の萌ちゃんが

「そんなに恋愛って重要?

 人生恋愛だけが全てじゃなくない?」

とトラップで語っているのを聞いて、確かにそうかもしれない…無理に恋愛しなくたっていいんだと思えるようになったのだと。

ありがとうございます、の笑顔が可愛い。

「恋愛が全てじゃない」

と語っていたときの萌は、豪と繰り返し性的な関係を持ちながらも好きとも愛してるとも言われず…おそらく可愛い・綺麗・美しいすら言われず、すっかり傷ついていたわけですから、

「自分は恋愛を求めているわけじゃないから」

と自分に言い聞かせるのは仕方ないと私は思うなあ。

そしてこの時点の萌は恋愛=楓への強烈な恋心、が全てになっているわけで、あの頃憂さ晴らし的に

「求められて姿を変えて、少女らしさ女らしさを体現していく女の子たち。

 なんて自分がないんだろう。

 私は違う、ちゃんと自分を持ってる」

と内心見下していた“弱い存在”にすっかり自分がなっていることに恐らく気付かされている。

一人の男のせいで辛い気持ちになっているのに、全然関係ない同性に見下しや攻撃で報復するのはありふれたお話です。

この後、萌の内心は言葉で明記してるわけではないのだけど、サークルのグループラインを退会して

「疲れた…」

ともらす背中がなんとも悲壮感が…。

でも今更戻れない。

体力も気力もない。

そして、退学してしまうわけですね…。

これを明示するリナちゃんと雪さんの電話場面は、人によって全然解釈が違うよう。

萌の人生を井戸端会議的に消費して、リナって嫌な奴、みたいな意見もたくさんあったような。

私はリナが嫌な奴だとは思わなかったな。

リナは萌にちくちく攻撃されてきた過去があり、雪の紹介を頼まれる→外見変身ツアーでやっと友達になれた、という感じなので友情がまだ始まったばかりですから、深いところにズカズカ入れるような距離にはまだなってないのでは?

その距離感だと

「心配だけど、こんなデリケートなこと直接聞くのははばかられる…」

のじゃないかなと。

雪が萌にまったく友情がないわけでもない気がした。

彼女は友達はリナしかいない、と語るくらい徹底的に人との距離を保つのが習慣。

それでも

「謝罪のラインが来たっきり…」

と語るときの表情はうっすら優しい愛を感じた。

私はね。

さて、萌。

ここからもう崩れ落ちるかのようにメンタルが…。

悲しげな瞳が本当に読んでいて辛いのです

「いい人なんだけど、乱暴なお客さん…行きたくない…」

ゆあちゃんと違って、お客さんを○○客とかって言い切れない優しさ・善良さがなあ…ますます悪く作用するんだろうなあ…。

涙があふれてしまうのはもう限界の証…。

待つのは崩壊のみ。

【翼くんはアセクシャルさんなのか、パッション弱めさんなのか】

ちょっと戻って、翼くんはアセクシャルなのかという点に少し言いたい放題。

女性とも男性ともとりあえず付き合って、肉体関係を持つことはできたけれどこれが恋なのかはわからないという彼。

好きじゃなくても出来る、というのはこの記事を思い出せばわかる気がしました。

・「アセクシャルかもしれない」レディーのお話。

とりあえず付き合ってみた、だけで親愛的な情(性的なものじゃない愛)も育っていなさそうなので、彼が好きにならないのかはこれだけではわからないよね。

単純に性的パッションが弱めな人は

「好き」

「愛してる」

がなかなか芽生えないでしょうし、アセクシャルなのかパッションが弱いだけなのか…。

可能性は低いけれど、恋愛タイプがストルゲ=友情の続きの愛、急に好きになれないケースもあるかな?

・恋愛の色彩理論。

恋愛対象が男性か女性か問題は実は大した話ではなさそう、彼の場合。

【ゆあとハルヒの決着】

ゆあ&ハルヒのラストシーンは、伝説の

「ふざけんな!」

から始まる。

スマホケースのマイメロちゃんも怒ってるのが可愛い

さなえさんはこれをやるために、ハルヒに大金を注ぎ、ゆあを煽り続けていたのだろうなあ…。

ホテルの部屋に入ってすっかり落ち込んでいるゆあの背中、手首の傷、薬を確認したハルヒがそれはそれはめんどくさそうな、

「俺が被害者、かわいそうなのは俺」

って表情をするもんだから

「そういうとこだよ、君は…」

とチベスナ顔になった私です

特殊な仕事ですから、善悪や常識を絡めて何かを言う気はない。

でも、ハルヒのやってることって一貫して

「俺ってかわいそう、お前のせいでこんな嫌な目に遭う。

 全部お前のせいです。

 あーあ」

じゃないですか?

取りたいメリット(ここでは、ゆあの気持ちを落ち着け自分の金脈をやめないように誘導する)のために芝居を打つこともできない。

ゆあは

「こんな事態になっても自分の気持ちをわかろうとしない」

と絶望することでしょう…。

「あんな迂闊な写真とられるお前の意識の低さにキレてるんだよ!!」

の大人気台詞につながるやりとりは、もう私は全てがめちゃくちゃで読んでて辛かったよ。

そりゃ彼女はそう語るしかないわけですが、好きな人に他の人と性的な関係持ってもらいたい人なんてまずいないじゃない…自分がするのはいい、って人はいるだろうけど。

辛くて、辛くて、でも頭では納得しなきゃいけなくて、これだけは守ってほしいところを何度も何度も“彼女の視点では”裏切られ続けられて、それでも恋心を断ち切れないからここに来たのに、ハルヒの態度も言葉もアレだもの。

ゆあのやってることはあの世界のお客さんとしてはめちゃくちゃだという意見もあり、それについて私はわからないけど…とにかく動くお金の額が大きすぎて

「そりゃ狂うだろう」

と考えてしまうかな…。

だって本当に巨額の遺産を丸々溶かしちゃうお嬢さんとかいるんだよ?

私はもう…。

萌の恋敵・美麗さんも何億でもと自分で稼ぎ続けられるならいいけど、もしも遺産や家族の金だったら金脈はいつか枯れるんじゃ…。

お金は大切なものだ…これは萌が泣きながら札束抱きしめて寝る場面によくあらわれていた。

あ、そういうわけでゆあ&ハルヒの話。

「一緒にするんじゃねーよ」

の後の台詞は単行本版で大幅に変更・追加されているので是非ご確認を。

ゆあの叫びですね…。

ハルヒの

「俺達を金で買ってるくせに」

の言葉も珍しく心の奥底の本音な感じがした。

彼は頑なに女性を大切に思う言葉と態度を演じませんから、女シンボルへの強烈な恨みを感じる。

「恋愛ごっこを求めてんのはお前らだろうが!!」

そこまでわかってるなら楓みたいにどんどん芝居すればいいのに、しないのはねえ。

まあ楓も氷のように冷たく恐ろしい表情をしてますから、これもまた過酷な生業なのでしょう。

生きる業…見事だ…。

でも、魂と心と身体をどちらが削りとられてるかっていったらやっぱりゆあだと私は思うな。

「なんか冷めた」

という言葉と、ハルヒに愛されたくて封印した“ゆあ呼び”をした彼女を

「呪縛がとれたのだ」

と私は考えられなくて、冷めた、はこれ以上傷つきたくないから心を凍結させただけだし、ゆあ呼びはちょっとした嫌がらせにしか思えませんでした。

彼女はまだ、刺激依存を認められる段階にはいないから。

…。

…。

そんな予感がしていたけど、やっぱり今回も1記事ではおさまらなかった。

なので今日はここまでで、次で後半~エンディングまで言いたい放題しますね。

ここまで読んでくださってありがとうございます

続き書きました!
  ↓
・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その6。

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萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その4。

2021年10月07日 | 言いたい放題
【7巻後半言いたい放題】

をのひなおさんの大人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』第四章萌ちゃん編にネタバレ配慮せず言いたい放題記事を書いています。

今回も楓が表紙の第7巻、後半分について

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その1。

…第5巻分。

 あとおそらく萌ちゃん初登場の2巻にもちょっとだけ。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その2。

…第6巻分。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その3。

…第7巻前半分。

全部読んでトータルで言いたい放題なので、読み終わった人向けかもしれません。

ネタバレ嫌な人はお気をつけくださいね。

あと、前回書いたけれど峰なゆかさんの漫画『AV女優ちゃん』と『セクシー女優ちゃん』を合わせて読むと萌ちゃん編の解像度(?)は上がります。

なぜタバコ吸うのか、とか。

しかしながら明日カノ以上に辛くエグい描写が多い漫画なので、おすすめはしにくい…。

【萌ちゃん編屈指の美しい時間】

萌ちゃん&ゆあちゃんペアが待ち合わせをして御粥屋さんで食事をする場面…。

リナちゃんとの変身ツアーと並び、萌ちゃん編屈指の美しく幸せな時間だと私は思う。

二人共すごくすごく可愛いよね~

コート可愛い~

萌のこの時のヘアアレンジ好きだな~ベースストレートのツイスト2連ハーフアップ。

おでこの横幅が狭いから似合う!

前回も書きましたが、ここでゆあが

「ヘアメ上手

 ゆあにもやって~」

と認めてリクエストまでしてくれたことが、リナとの思い出と合わせて萌の職業選択の理由になったと思うのよね。

同じ仕事をしている、という安心感で“なんでも一緒がいいの”なゆあが心を許し、萌も支えを得るという流れは置かれた状況の残酷さを考えなければ尊すぎます

ここで萌からゆあの手をぎゅっと握るのもリナの思い出と重なってきますね。

「安心して受け入れています」

のサインかな。

この巻最後の翼くんとのやりとりは逆で…まあそれは後でまた書くということで。

【楓とハルヒはグルです】

「ここでなら私は主人公になれる」

と恍惚としたキラキラ笑みを浮かべた萌。

「幸福は麻薬なんだよ」

という雪さんの言葉がよみがえります…でもそれは幸福じゃなくて刺激だと私は思うんだよな。

(関連過去記事→・幸福が麻薬だとは、私は考えていない。

楓とハルヒが並ぶと、楓のプロぶりがほんっとに際立ちますね。

はい、明記はされてないけど打ち合わせどおり、楓とハルヒは萌に初掛け・飾りボトル(って書いてある)を入れさせる。

ぜったいこれ打ち合わせどおりだよね!!!

「あ ごめん

 ちょっと行ってくるね」

の時の楓の背景が黒いし、その次のコマの背中といい

「じゃあハルヒさん、打ち合わせどおり誘導してね」

って意味なんだろ?

ゆあだったら

「入れなよ」

って無邪気に萌に言うことがわかっててそう決めたんでしょ?

怖い(略)。

自分で決めたくせに何が

「萌ちゃんには無理させたくないから」

なのか…この仕事としてはプロなんだろうけど、読者として私はもう…もう…。

怖い怖い怖い怖い。

さて、すっかり誘導されて萌が払うことになった金額、35万6千円。

…怖すぎる…3万5千円くらいの感覚なの?

あるいは3千500円くらい??

ここまでやらされて、ボウリングで遊ぶだけなんて…。

そんなの小学生だってできるデートじゃないか…。

ハルヒはこのあと家で恋人ごっこするのが本番みたいですが。

それにしてもハルヒの笑顔の少なさ、仕事なのに心あらず…というか積極的にゆあに嫌がらせしている感。

紙本では

「あったかーい」

の場面でハルヒもうっすら笑みを浮かべているのが唯一の救い(?)かなって思います。

【初キスシーンも真っ黒くろすけ】

ここまできたら、楓のシナリオどおりに花園神社での初キスでございます。

美しく描いてくれていますが、その本質は

「自分のバースデーまでに萌に金を貯めさせ使わせるための燃料投下」

にすぎない。

萌の真っ赤な顔がほんとうに痛々しくて…。

キス前に萌も“頭の中では”

「自分はちゃんとわかってる」

「楓は仕事してるだけ」

「付き合えるなんて思ってない」

と、ゆあと同じに冷静な言葉を考えています。

でも…心はコントロールできないよね。

好きな人にスキンシップされたり思わせぶりな言葉かけられたら…。

誘導されてしまったら…。

ここで楓が

「手袋をあげたい」

と言っていますが、ただここで盛り上げるためのセリフ。

ディオールの手袋(いくらくらいなのかな?10万とか20万とか?庶民なので想像もつかない…)を萌に用意するわけがなく、後に用意するのは小さなディオールコスメなわけですが。

コスメ部門とアパレル部門は紙袋違う…よね?

5千円弱のマキシマイザーなのかハンドクリームか…1万円くらい出して香水か…前者だろうな。

黒いわ…真っ黒だわ…そういう仕事か。

【翼くんの手を拒んだのはなぜ?】

はい。

いよいよ第7巻ラストです。

楓の前に好きだった男の子・翼くんとの再会。

喜ぶどころか

「バサやん…」

と青ざめるところが、今の境遇に萌がどう自己評価しているかが感じ取れてしまいますね。

そりゃ過酷な仕事だものな…。

かわいく素敵な外見になったはずなのに、翼くんには笑顔も出ないし目もなかなか合わせられない。

その理由ってやっぱり

「ネイルかわいいですね」

と手を触ろうとした翼くんを拒む場面は、いくら彼が相手でも男性に触られるのが怖くて無意識に手を引っ込めてしまったのかな~と私は想像。

この怖さ、不快感、落ち着かない理由は…。

それってやっぱり…。

というところで7巻は終わりです。

ああああー

いよいよ次は萌ちゃん編ラスト8巻…1記事で書ききれるだろうか。

ここまで読んでくださってありがとうございます

続き書きました!
  ↓
・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その5。

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萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その3。

2021年10月06日 | 言いたい放題
【第7巻言いたい放題】

をのひなおさんの大人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』第四章萌ちゃん編にネタバレ配慮せず言いたい放題記事を書いています。

今回は楓が表紙の第7巻。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その1。

…第5巻分。

 あとおそらく萌ちゃん初登場の2巻にもちょっとだけ。

・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その2。

…第6巻分。

全部読んでトータルで言いたい放題なので、読み終わった人向けかもしれません。

【雪さんだってあどけないお嬢さん】

第6巻のオープニングは雪さん・リナちゃん・萌ちゃんの3人でお茶~の続きから。

(中目黒のお店って書いてる方いたけれど、どこだろ~

 行ってみたいなあ)

雪さんは萌ちゃんの話にどこか不穏なものを感じ取って、やんわり

「レンタルの仕事は無理だよ」

と言ったのかな?って予想してる人がいらっしゃいましたが、私はそうは感じなかったかな。

雪さんは生家で過酷な幼少期を耐えていらっしゃるけれど、2巻で飯田(呼びつけ)の見え見えの下心を見抜けきれなかったり(経験者や手だれの人は「どっちだろう」以前に黒だと見抜きます)、3巻冒頭のリナとのやりとりで絶望してしまったりと、まだまだ彼女は“他者への期待”が捨てきれていないんですよ。

ふつうの年若いお嬢さんなのよ…私はそう思う。

スーパーレディーじゃない。

なので、雪さんの

「今のファッションもヘアメイクも似合っているけど、この仕事をするにはそぐわないかも」

という言葉は本当にそれだけの意味だと受け止めました。

人にルッキズムで無意味に攻撃する趣味なさそうだし。

対する萌ちゃんは、コンプレックスから

「無理」

と変換して受け止めてしまってる気がした。

・その仕事は無理
  ↓
・私の外見が悪いから
  ↓
・やっぱり私は女としてダメなんだ

みたいなね。

そして、リナちゃんが花のような笑顔で

「そんなの大した問題じゃないよ!

 パッケージなんかすぐ変わるもん!」

と変身計画に付き合いたい、と提案するところからも、リナもまた大してルッキズムで人を殴らないんだなってことがわかる。

全然萌の外見を悪いと考えていないのだ。

自信がつくと無意味な攻撃はしないよね。

【未来の萌ちゃんがあの職業を選んだのは…】

さて、そういう流れで憧れのリナに髪からメイクからファッションから全部変身させてもらえることになった萌。

渋谷109が108になってる…煩悩の数?(笑)

あのバッグ屋さんてまだあるんですね。

美容室でカラーリングとカット・簡易セットをしてもらい、メイクアップサロンでメイクを教えてもらう素敵な場面たち。

ちょっと話が先になっちゃうけど、私…未来の萌、つまりこの章ラストの萌が美容師さんになったのって、このリナとの思い出が一番大きく作用してると思うんですよ。

あと、この後にゆあに

「ヘアメ上手~すごすぎ~ゆあにもやって

と言われたことも。

明日カノって実は女性同士の絆を大切に描いてると私は思ってて、萌の人生を良く導いてくれたのは女友達との縁なんだよね。

楓=好きな男の子、ではないのです。

楓のおかげで変わるなら、もっと楓が外見を変えるきっかけをつくるストーリー展開にしたはず。

はじめてリナに自分から、なんの恐れもなく、

「リナ!!本当にありがとう…!」

と手をぎゅっと握る場面が美しい。

楓はこんなに変えなかったもの~。

引き出してくれたのは憧れの人であり友達のリナなのです

「鏡ずっと見ちゃう」

の場面、よかったね~って泣けてきちゃうよ。

【ブラック楓怖い怖い怖い】

素敵に自分を装えたら、好きな人に見てもらいたいと考えるのは自然な気持ち。

しかし、萌の好きな人は楓…ホストであって恋人候補生じゃないんだよね…。

過酷な肉体労働のスカウトさんに声かけられることすら女として認められた気が嬉しい。

(それは肉として見られてるだけなのに…。

 峰なゆかさんの『AV女優ちゃん』シリーズ読むとよくわかる)

安心して笑えるようになって、仕草もぐっと可愛くなって…ああ切ない。

かわいくイメチェンした萌に全く浮かれて見せないところがプロだな~としみじみ。

なんか…この時楓からしたら、萌がちょっとした夜のバイト(ホステスさんのヘルプとか、キャバクラとか、スナックとかガールズバーとか?お酒飲めないので詳しくないのですが)を始めたと予想したのかなって思うんですよね。

なら金払うレッスンを今日しちゃえ、と。

最も大金を払ってくれるお客さん=美麗さん。に今宵大金使わせるために萌にシャンパン入れさせたのかと思ったけれど、きっと同時に萌にも

「もっと金落としてね」

とけしかけているんだろうな…。

美麗の席に立つときの背中が

「じゃ、七星うまく誘導してね」

と語ってるようにしか見えないし、萌がドキドキしながら

「すき…です…」

と言ってるときの口元が怖すぎる。

彼はきっと仕事中心がヒヤーッと凍り付いてるタイプだな。

燃えてなさそう。

あくまで楓が言わないで周りが誘導することで

「楓は私を大事にしてくれている」

と萌に信じさせるのか…。

【そして、過酷な肉体労働へ…】

辛い出来事が連続して、真面目な萌は

「お金なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃ」

と追い詰められる。

これがお金を大事にしない子だったら、平気で親に借金丸投げするのに彼女はしない。

真面目な子が刺激刺激の末に追い詰められるのがなんとも恐ろしくて

「自分でなんとかしなきゃ」

日本人らしい自己責任論がしみついている。

…ここからあっという間に…彼女はゆあちゃんと同じ過酷な肉体労働で働くことになります。

私この展開が衝撃的だった。

(上でもチラッと書いた)峰なゆかさんが

「政治的セーフティーネットがしっかりと働かず、性産業が貧困層の女の子の受け皿になっている現状をどうお考えですか?」

と質問していた時がたしかあったのですが、それってこういうことなんだ…って雷落ちたよ

だって行政に頼ろうとしたらさ、各種手続きするにも自分で調べてあっちこっち行ってやることがあって、ふつうにバイト(雇用形態は問わないが)でもしようとしたら、それも自分でめっちゃ調べて履歴書書いて採用段階がいくつかあって…と時間とエネルギーを要するのに、ゆあの仕事はあっちから

「こっちだよ」

って誘導してくれて、あっという間に働くことになれる。

恐ろしかった。

基本の内容、なる文字も

「もうやめてくれ!!!」

って思った。

あの仕事に従事する人達だって、

「楽な仕事」

なんてぜったい言ったり書いたりしてないじゃないですか。

「やらなくていいならやらない方がいい」

「よっぽどの事情がある人じゃない限り、働くもんじゃない」

とおっしゃる。

それが真実な気がする…。

初出勤の帰り道に楓に電話して泣き崩れるところで、また私は峰さんの『AV女優ちゃん』を思い出した。

『AV女優ちゃん』の初期に騙されてその仕事に誘導されるキャラが出てくるのですが、

「この仕事についたらあれも買えて、これも出来て、こんなに幸せで…」

と散々スカウトさんが空想させて、

「でも、やらなかったらそれぜんぶ失っちゃうね」

と"手に入ってもいない空想”を脳内で“失われてしまうかもしれない幸せ”にすり替えられて恐怖をあおりサインさせる…という話があってね。

萌も、あの電話のせいで

「こんな辛い思いをしてまで楓に会いたいのかな」



「楓のためならこの辛さに耐えられる」

とすり替わっちゃった気がするのです。

怖い…。

だんだんとお客さんに上手に優しく笑えるようになり、リナが着るような可愛いコートも選べるようになる…その可愛さがとても辛いのだ。

この流れと関係ないけれど、萌ちゃんは初出勤のときに着ているVネックワンピースとストレートヘアベースのヘアメイクが一番似合ってて素敵だと思いました。

萌ちゃんファッションはバリエーションが本当に少なく、稼ぎをほとんど楓に使ってることが上手く示されています。

どの服も可愛いけれどね。

【さなえさんには実はハルヒに投影した恨みを一番感じる】

ゆあちゃんのライバル・さなえさんは、ゆあにも随分嫌がらせをしていますが、実はハルヒにこそ恨みをぶつけてる気がしました。

多分以前に惚れ込んだ男への恨みなんでしょうけど…。

ハルヒに大金使ってはいるけれど、全然好きじゃなさそうだったなあ。

「安心させて、仕事に打撃与えてやる」

が目的だったんじゃないかと。

何か辛い過去の恋の傷が、過去の自分がゆあに。

過去の男がハルヒに。

「二人共破滅させてやりてえなあ」

という真っ黒な炎を感じるや…。

…。

…。

さて、7巻は熱いので記事ふたつに分けようかな。

ちゃんと情熱持って言いたい放題したいので。

だから今日はここまで。

読んでくださって、ありがとうございます

続き書きました!
  ↓
・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その4。

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