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大戦の沈没船に熱帯魚:岸下庄二

2021年08月15日 | 俳句
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大戦の沈没船に熱帯魚:岸下庄二
人類に争いが絶えることはない。先の大戦でも多くの犠牲者や悲劇を出してしまった。沈没船はそんな遺産の一つである。人類の愚を他所に熱帯魚の群がそこに遊んでいる。ニモちゃんの姿や泳ぎには心がいやされる。一方で地球の何処かで今日も銃声が響いている。大国は膨大な軍備を積み上げる事に余念が無い。原罪の上に余罪を重ねる人類の明日や如何に。<故郷を知っているのか熱帯魚:やの字>:朝日新聞『朝日俳壇』(2021年8月8日)所載。