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飯台(はんだい)の焦げた民宿牡丹鍋 吉田信雄

2017年02月16日 | 俳句
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吉田信雄
飯台(はんだい)の焦げた民宿牡丹鍋
飯台の焦げは鍋物とか火や熱いものが何度も置かれての事だろう。そんな民宿で牡丹鍋が出た。牡丹鍋は猪肉を用いた日本の鍋料理。猪鍋とも呼ばれる。いかにも山深い場所の民宿を想はせる。ひょっとするとこの猪はご亭主の猟の獲物だろうか。気楽に声をかけて聞いてみる。よくぞ聞いてくだすったとみるみる亭主の顔が赤らみ口が軽くなった。話半分にしてもこの武勇伝は面白い。ついつい夜の更けるまで拝聴する事になる。かくて山の夜の漆黒が深まり瞼も重くなってきる。風呂は客人が入った後の終い湯をこの家の家族が入る。:読売新聞「読売俳壇」(2017年2月6日)所載。

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