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翡翠を見にゆく傘が乾いたら 土肥あき子

2016年08月21日 | 俳句
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土肥あき子
翡翠を見にゆく傘が乾いたら

翡翠(カワセミ)は飛ぶ宝石と言われるように実に美しい鳥である。頭から水中へ飛び込みこの長い嘴で小魚を捕食する。メスでは下のくちばしの基部が赤くなっている。多くの地方では留鳥として湖沼、池、川、濠等に棲むので情報があれば出かけて見るとかなりの確率で見る事ができる。私の場合は東京上野の不忍池や地元柏市付近の運河などで良く見かけた。句の作者も情報を得てすぐにでも出かけたいのだがこの雨で躊躇している。今度晴れたらと満を持して待っている。その捕食ショーが見たい、いや姿だけでも見られるかしらと疼く心を胸に秘め傘を干している。誰の胸中にも美しいものへの憧憬がある。生きとし生ける命は斯くも美しくそして愛おしいと思う。『鯨が海を選んだ日』(2002)所収。:やんま記

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