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ひぐらしの傾ぐたましひ哭きたる木:鳥居真理子

2020年08月31日 | 俳句
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ひぐらしの傾ぐたましひ哭きたる木:鳥居真理子
慟哭している様な蜩の声である。まるで魂が震えて哭いているやに聞こえる。縋り付いたその樹木全体で鳴いているのかも知れぬ。魂って何だろう。「心身共に」健康とは言うものの魂となると朦朧としてくる。<たましいの暗がり峠雪ならむ:橋閒石>。一寸の虫にも五分の魂がある。蜩の魂が慟哭している。<蜩を聴いて一日を過ごしけり:やの字>:俳誌「角川・俳句」(2020年9月号)所載。
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