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あきらめて狸に戻る狸かな​ 三方元

2020年02月06日 | 俳句
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三方 元
​あきらめて狸に戻る狸かな

瘋癲の寅次郎ではないが奮闘努力の甲斐もなく今日も無念の日が暮れる。後は諦めてただのの自分に戻るだけである。この狸は何を夢見てどんな挫折したのだろう。それでも戻るべく自分があってそこへ戻った。等身大の飾り気のない自分である。小生も日頃何かにつけて高望みをしてしまう。届かぬ花は何故美しいのか。諦めきれないものを夢見て暮らす、これもまた良いではないか。:朝日聞「朝日俳壇」(2020年2月2日)所載。
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