失踪日記

「失踪日記」吾妻 ひでお（イースト・プレス・2005）★★★★☆

　久しぶりに出ました、吾妻ひでお。最近ほとんど見かけなくて、何でも行方不明らしいというウワサでしたが、本当だったのね。懐かしい４頭身も、健在です。最近はこういう丸みがあって、しかも写実的（？）なタッチの漫画が少ないから、再会できてとても嬉しいです。
　街12～14に、漫画家としての経歴が簡単にまとめられているのも、舞台裏を覗けて楽しかった。軽妙なタッチの裏に、いろいろなことがあったんだなというのも分かります。そうか、だからああっだたのか、という感じです。
　加えて、本の帯に「全部実話です。」とありますが、社会からドロップアウトするってどういうことなのか、しみじみ分かりました。私には出来ないな・・・。いずれにせよ、大々的に連載が喧伝されるタイプの作家ではないと思うので、この「失踪日記」は購入してよかったです。