今日の出来事

どこへでも風の吹くままに。 http://www.geocities.jp/syanagio/index.html

「Shall we Dance?」を観た(ネタバレ)

2005-05-08 | 映画・舞台・テレビ
 今話題の「Shall we Dance?」です。元となった「Shall we ダンス?」は封切のとき以来、何度観たことやら。どうしても、比較してしまいます。
 一言で言うなら、別物と思ってみるといい映画、リメイクとしてみると物足りない、です。主人公の心の空白を示す冒頭の家庭のシーン、ありそうだなあと思います。頑張って働いて帰宅すると、家族がてんでバラバラなことをしている。通勤電車のシーンでは、リチャード・ギアもやつれてさえない中年男に見えました。ダンス教室のポリーナは同じように窓辺に佇んでいるし。主要な役柄は、びっくりするほど原作に近い。竹中直人がいるかと思わせるほどのリックの登場シーンには、館内にどよめきが走ったほど。でも、似ているのはここまで。
 やはりアメリカは日本じゃない。主人公ジョンは遺言弁護士と言うエリート。だから、ナレーションとして入るセリフも遺言がらみの警句になっていて、それがジョンの心境とシンクロして、とても効果的でした。美人のダンス教師ポリーナがスランプから脱したことを示す踊りは情熱的なタンゴです。日本人では無理ですね。正装したジョンがバラの花を持って妻の職場であるデパートに現れるシーンでは、夫の不倫に悩む妻の同僚が流す涙が哀れでした。彼女にとっては、再び愛情を確認しあうジョン夫婦の姿がどんなにか羨ましかったことか。エンディングのお別れダンスパーティーでも、ジョンは仲直りした妻と一緒に登場、仲間と挨拶を交わします。エンドロールでは、それぞれに自分のダンスを生かしてを幸せに暮らす姿を次々と見せてくれます。前評判通り、夫婦愛を前面に出した展開でした。
 日本人の私としては、ヒロインが踊りへの愛を思い出していく過程が丁寧に描かれた日本版のほうが、より共感できました。スパイスとしての元木君がちょい役なのにおいしいとこ取りしていたエピソードや、役所さんの夜更けの公園で姿勢矯正器を身につけて練習するシーンなんかも、一つ一つ決まっていた気がする。草刈民代は清楚で誇り高いし。
 エンドロールといえば、タンゴの曲に合わせて、キャスト名がフラッシュのように現れるのが小気味良くて素敵でした。しかし、言いたい。最後まで観ずに席を立つ観客たち、人の目の前をしゃべりながら横切るんじゃねえ!
公式ページ http://www.shallwedance-movie.jp/

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ネタバレ覚悟で拝見 (mayumi)
2005-05-08 08:05:57
普段、まるっきり踊りと縁のない日本人サラリーマンと、ある程度 ダンスの心得があるのは常識であろうアメリカ人エリート男性では、自ずと ダンス教室に通い出す後ろめたさなんかが違うわけで、まだ観ていないながらも そういった心の襞やダンスに取り組むちぐはぐ感は 周防監督に軍配が上がるのだろうなと思います。「Shall we Dance?』の方は、ハリウッドならではの華やかさとダンスを楽しみに行こうと思います。

先日テレビ放映されていたオリジナル版を録画してあるんだけど...今一度 観てから行くか 行ってから観るか...。



先日 草刈民代氏が リメイク版にオリジナル版と同じシーンがたくさん出てきて それだけ周防監督のしてきたことが素晴らしかったんだと改めて思ったら涙が出てきた と言っていました。あの お二人は仲がよさそう...



えっと...ご紹介の件...ちょっとだけ考えさせて下さいね。
返信する
草刈さんがそんなことを。 (ヤナギオ)
2005-05-10 23:56:34
言ってたんですか。その通りですね。元の作品が優れていると、どうしても無視できない(それ以上の表現を思いつかない)のでしょうね。それだけ「Shall we ダンス?」の完成度が高いと言うことでしょう。日本人として、してやったりと言う気持ちです。(ちょっとセコいか?)
返信する
そうそう! (mayumi)
2005-05-11 00:18:16
草刈民代さんも「日本人として嬉しい」「夫は凄い人なんだな」と...。
返信する