漆の里まつり

　近くの漆産地で祭りがありました。とってもいい天気です。この連休は遠出もしないので、ちょっと行ってきました。お目当ては木製のデザートスプーンです。
　この漆の里は、昨年の福井豪雨で壊滅的とも思える被害をこうむった地域・河和田です。車で通りながら、ここの駐車場に車を停めて、あの道を入って、とボランティアに行ったことを思い出しました。倒壊していた塀や車庫もすっかり新しくなっていました。通りすがりの目には、今ではその面影は全くといっていいほど残っていませんでした。
　祭り会場は、大変な人出でした。おりしも『よさこい踊り』のイベント真っ最中で、派手な衣装を身につけた老若男女が楽しく踊っていました。しばらく見物してから物産会場へ。いくつもの出店を巡り、ようやく希望に沿った品を見つけました。濃い臙脂の塗りの小ぶりのスプーンです。木製なので肌当たりも柔らかく、シンプルで滑らかな曲線が美しい。
「これ、おいくらですか。」
「えー、値段つけてないなあ。他の店はいくらぐらいだった？」
「２００円から７００円までいろいろでした。」
「ふうん。じゃあ２００円でいいよ。」
って、そんないい加減な。さすがに、おかみさんらしい人が出てきて
「あんた、２００円じゃあ原価割れだよ？３００円にさせてもらいね。」
私は一本５００円くらいはすると思っていたので、ちょっと得した気分です。
「じゃあ、３００円ね。おまけにこれ付けとくよ。」
とういうことで、持ち手に麻紐を薄く巻きつけたシュガースプーンがおまけでした。
いいのかな。でも、こうやって漆の産地としてまた活動を始めたのが、ヒトゴトながら嬉しかったです。
　漆塗りのスプーンは、夕食の卵豆腐を食べるときに使いましたが、とても柔らかな感触で素敵でした。