「ロボコン」を観た

　この手の映画は大好き。「ウォーターボーイズ」「スィングガールズ」の狭間にあって、映画館で見そびれたのを、ようやくビデオで観ました。やる気のない高校生が、成り行き上、やることになったモノ。本人たちにも意外なことに、熱くなってる自分を発見し、成し遂げる喜びを発見する。まあ、こうまとめれば詰まんないけど、題材の面白さで、無理なく楽しませ感動させてくれます。
　ロボコンといえば高専。徳山高専の赤点娘の里美・設計オタクの航一・どこに行っても下っ端の部長・ヤンキーのタケウチ。てんでにばらばらの４人がロボコン全国大会で優勝を勝ち取るまでの話。ロボット作りの過程が見所です。知りあいに「俺はロボコンに出たいから高専に行く。」と宣言して、本当にロボコン大賞を勝ち取った子がいます。ヤツは確かに変だった。中一で和風扇風機なるものを作り周囲をあっと言わせ、中三では自動清掃ロボット『はくぞうくん』で、高専への推薦をＧＥＴしました。栴檀は双葉より芳し。
　この映画に出てくる航一は、設計能力は天才的な柄人付き合いが苦手。そのアイデア一本で全国大会への出場権を獲得するわけだけど、その予選や大会シーンが面白い。相手の邪魔をするマシン・積み上げ型ロボット・お笑い系ながら高性能のロボットetc。登場するそれぞれが、意匠と工夫を凝らして、熱い戦いを繰り広げます。アイディア倒れのやつや、相手のミスで勝ち上がるやつ、いかにもありそうなんです。ＢＧＭがほとんどない上に、試合の待ち時間の所在無さもリアル。以前、ロボコンの地方予選を見に行ったときのことを思い出しました。ＴＶでは綺麗に編集されてハイライトシーンばかりで作られているロボコン大会、実は果てしない待ち時間の後に３分の試合はあるのです。あの時も、一瞬のために費やされた気の遠くなるような努力をひしひしと感じて、一日座り続けてすっかり痛くなったお尻と供に、帰途についたものです。
　この地味な題材をここまで楽しく調理してくれてありがとう！一回り大きく成長した主人公たちも魅力的だし、エンドロールで登場する各高専のロボットチーム＆マシンたちも、いい。メインのマシンだけでなく、映画のために製作されたほかのマシンの戦いぶりも、もっとよく観たいと思いました。