暴走族

　車で町を走っていたら、急にエンジンがボロンボロボロボロ・・・と妙な音を立て始めました。？と思ってよく聞いてみると、その音は車外から聞こえていました。しかも次第に大きくなって。変造バイクの排気音だったのです。そのバイクは、制限速度で走る私を、ゆっくり時間をかけて抜いていきました。無茶苦茶やかましいんですけど！　前後の車も嫌な感じがするのか、スピードを落としていました。見ると前方の交差点の信号が赤です。さあ、どうする？　予想通り、信号無視です。それも事故にならないようにか、やけに用心深い速度で蛇行運転です。騒音は左方向に遠ざかって行きました。やれやれ。
　と、またしてもボロンボロンボロボロボロ・・・。今度は何？　やはり変造バイクです。さっきの仲間かなあ。こちらもすごくうるさいし。同じようにゆるゆると追い抜いていった先には、別の交差点が。しかも交番の前。さあ、どうする？　やはり、信号無視でした。こちらは方向指示も出さないでの右折です。対向車がばんばん走ってくるんですが、あの騒音に恐れをなして、どれもスピードが落ちてるの。その隙間を狙ってのろのろと右折していきました。正直、信号待ちしている間にさっさと先に行ってくれ、と思いましたとも。交番は例によって留守でした。
　ああいう暴走族の人たちは、暴走するのが楽しいんじゃないんですね。爆音を響かせて、周囲の人や車が注目させるのが目的なんでしょうね。だからゆっくり走る。ヒーロー気取りなの自己顕示欲が満たされるのかもしれません。なんてお手軽な。バイクの改造にいくらかかるのか分かりませんが、マフラーを付け替えるだけで「人の注目を集められて嬉しい。」と思えるなんて、簡単だよな。ある意味、幸せ？　私はどちらかというとプライドが高い方だから、実質が伴わない「注目」なんて欲しくありません。卑下とか謙遜もしませんが、自分から「見て見て。」とＰＲするなんて、みっともないじゃないですか。（まあ、根が小心者だから、意図的に自己宣伝をするときもあるんだけどね。）
　そういえば以前、「ねえねえ、ウチの子が新聞に載ったよ。」と自慢げに教えてくれた人がいました。あんまり付き合いたくないタイプなんですが、近所なので無礼のないようにしていたので、「そう、良かったですね。」と返事して、後で新聞を見てみました。載っていましたとも。無職少年（１９）窃盗容疑。さっきの暴走族といい、この世の中には、私には底理解できない人種がいます。