El Camino de UK

旅とサッカーを中心に、備忘録として思いを綴っていきます。

モーターサイクル・ダイアリーズ

2004-12-17 | Life in Japan
 いろんな人のブログを見させてもらって、映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」の評判が良かったので、僕も見に行くことにした。いつも通っている近所のシネコンではなく、バイクで30分くらいのところにある岐阜で唯一その映画が上映されているシネコンへ。
 寒い中、原付を走らせ一人で見に行ったのだが、館内に入ってみて「おっ!?」とビックリ。100人くらいは入ると予想される館内でお客さん、僕含めて二人…。もう一人はひまそうな中年のおばちゃんが一人、前の席に座っていた。平日の真昼間だったこともあったけど、それにしても過去見に行った映画館の中では言うまでもなく最小観客数ですわ。
 当然のことながら僕は最後列、ど真ん中の特等席に堂々と腰掛け、ほぼ貸切の状態で映画を楽しませていただいた。こういう時、田舎のシネコンってありがたい。平日の昼間はどれを見てもガラガラなので。経営が順調なのかかなり心配だが…。

 さて映画の話。若き日の革命家、チェ・ゲバラが友人のアルベルトと共に中古のおんぼろバイクに乗って南米大陸を縦断し、南米の未知なる国の景色を見ていろんな人と出会いふれあうことで二人が成長していく様を描いた作品。
 面白い!!見て良かった。バイク走行中何度も転倒して、バイクから振り落とされる彼らを見る度に(おいおい、また転んでるよ…)ってつっ込みたくなったが。
 彼らが無一文になって、見ず知らずの人々を口説いて、なんとか寝床や食料を確保しようとしている姿は見てて微笑ましい。さすがに僕には彼らのような旅はできないだろうな、いや僕も一人ではなく親友と二人だったらあのような旅ができるかも、といろいろ考えた。

 印象に残ったのが、二人がラテン・アメリカの様々な国の民族の人々と出会い、国の政治や生活の問題についての話を真剣な表情で耳を傾けているシーン。なんか映画ではなくドキュメンタリーのようですごく新鮮だった。そう、あの「深夜特急」を初めて見た感覚と一緒。
 そういえば、去年ネパール・ポカラのチベット難民キャンプを見学したとき、そこに住むお爺さんが近寄ってきて、「どうじゃ、ワシの家に来てお茶でも飲んでいかんか」と誘われたことがあった。お爺さんは英語を話すことができたが、当時の僕の英語レベルは相当低く、まともに会話する自信が無かったので、お爺さんのせっかくのご厚意を断ってしまった苦い経験がある。
 あの時、僕にもし英語力があったら、チベット難民の人から、故郷を離れここに来ることになってしまった経緯や、今のキャンプ村での生活の様子を直に聞く機会が持てたのだから、無力な自分が情けなくてしょうがなかった。
 恐らくそのことがきっかけで僕は英会話を本格的に勉強するようになったのかな。いつか英語が話せるようになったら、また必ずポカラに行ってあのお爺さんと再会し今度は何時間でも話を聞きに行きたいと思う。その時までお爺さんが元気でいてくれますように…。

 話がそれてしまったが、「モーターサイクル・ダイアリーズ」もう一度ゆっくり見てみたい映画だった。旅行好き、バイク好き、南米に興味のある人に是非見てもらいたい映画。映画に出てきた古代遺跡「マチュピチュ」、いつか訪れてみたい。
 そしてチェ・ゲバラについて何の知識も無い僕は、映画の帰りに市立図書館へ立ち寄り、「チェ・ゲバラ伝」という一冊の分厚い本を借りたのであった。