El Camino de UK

旅とサッカーを中心に、備忘録として思いを綴っていきます。

戦場のピアニスト

2004-12-12 | Europe
 先週に引き続き副音声で洋画を見た。ロマン・ポランスキー監督の「戦場のピアニスト」。好きな映画の一つでこれを見るのは今回で三回目。僕が欧州旅行でポーランドにも行こうと思い立ったのは、この映画を見たのがきっかけだった。
 物語が全て実話というから、二年前初めてこの映画を見たとき、ナチスドイツがユダヤ人に対して残虐極まりない迫害を行っていたという事実に深い悲しみとショックを覚えた。
 高校の時は世界史を専攻していなかったため、ナチスやユダヤ人に関しての知識がほどんどなかった。映画を見終わった後、彼らがどんな民族なのかもっと詳しく知りたいと思い、図書館で関連の本を借りて読み漁った。そしてヨーロッパ全体の歴史に興味を持ち、西洋史を勉強するようになった。

 映画の中で最も印象に残ったのが、ユダヤ人ピアニスト・シュピルマンとドイツ人将校とのやりとり。決してドイツ軍は残忍な者ばかりではなく、彼のような心優しい人物もいたことにほんの少しだが心救われたような気がした。
 シュピルマンが演奏していたのは、ポーランドが生んだ天才音楽家・ショパンの曲。映画館へ一緒に見に行った友達が、「ショパンの曲はすごく難しいから、ピアニストが何度練習してもショパンの曲が弾けないと分かると、人生に絶望して自殺しちゃう人が多いんだって。」と僕に話してくれた。
 確かに曲を聴いてるとすごく難しいということは素人の僕でも分かった。ブランクがあったにも関わらず、あの場で難なくショパンの曲を演奏できたシュピルマンはすごい。彼は決して生きることを諦めようとしなかった。ドイツ人将校を感動させたシュピルマン。もし彼がピアニストでなかったら、あの時どうなっていたか分からない。

 戦争映画だけあって見るに耐え難いシーンも多い。しかしだからこそ世界中の多くの人にこの映画を見て欲しい。今現在でも戦争という愚かな行為を繰り返している人間がいることが残念でならない。