遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

インバネス・コート

2019-12-05 16:16:20 | 日記
令和元年12月5日(木)

インバネス : 二重回し、とんび


ケープの付いた袖が無い、ゆったりした外套
日本へは明治中頃に輸入された「インバネス」
が、和服の上から着られる様に改良されたと
言われている。
その丈を長くする等、二重廻しには工夫が
見られる。 布地はラシャ、カシミヤ等。


大正時代に入り、当初は和装用のコートと
して用いられ、「二重廻し」「マント」「と
んび」「インバ」等と呼ばれた。和服の袖が
邪魔にならない、実用性が高かったために
大いに流行った。戦後和服が衰退するに連れ
インバネスの需要が減っていった。

インバネスは、スコットランドのインバネス
地方で着られた、ケープ無し袖なし外套。
雨天や寒冷の気候状態でも、バグパイプ
(スコットランドの楽器)を守りながら演奏
出来る様に工夫されたコートと言われる。


スコットランドのインバネス市は人口が
約7万の小さな町で、ネッシーで有名な
ネス湖に近い、ネス川の畔に在る。


インバネスは「ネス川の河口」の意味。



インバネス・コートはシャーロック・ホー
ムズの衣装として有名である。
ホームズの姿は、鹿撃ち帽子にコート、
パイプを咥え、、、、が定番であるが、
原作(コナン・ドイル)の中ではなく、
後に映像化(映画、雑誌等)の場面や
挿絵等により照会された物の様である。

近年、若者達が和服を着る時にレトロ(
懐古主義)感覚が持て囃されて、この
インバネス・コートが流行っているとの
事。これも映像の影響が在る様だ。




太宰治やS・ホームズの映画にカッコよさ
を見つけたのかも知れない、、、、。


今日の1句(俳人の名句)

黒マントその裏赤く魔女めくよ   桑原 道子