ドーナツ畑の風に吹かれて

おかわり自由のコーヒーを飲みながら、廻る季節をながめて、おもったこと。

ベルーガさんみたいに優しく生きていきたいのよ

2005-08-21 01:35:41 | 日記
 社会人になるのはとても不安だけど、就職できないということの方がもっと不安だった。だから決まってほっとしている。
 ねぇ、不安というのは、ものすごく相対的なものですね?
 意味がわからなくなってくるよ。でも世界が美しいのでうやむやにしてでもやりすごして、空とか雲とか朝顔とか西日とか水とかを愛でながら生きていきたい。

 多分ずっと誰かと比べて生きていた。誰かというのは、今まで出会って、そしてもしかしたらもう二度と出会わないかもしれない人たち。大学受験の時、わたしに完璧な劣等感を植え付けてくれた人たち。わたしが、何の考えもなく私立文系で文学を専攻すると決めたことに、迷いがなくていいねと言った人。だってわたしは他に選びようがなかったから、他に選びようがあった人たちはもっと意味のある、もっと有意義な、もっと素敵な、もっとさまざまな意味でゴージャスな人生を送るのであろうかと、戦々恐々としていたんだよ。わたしだけ何者にもなれないんだろうかと。でも、わたしもきちんと自分なりに道をみつけたし、それは自分でとても満足のいくものだから、やっと、他人と比べなくてもやってけるようになった。これで、人のことをいちいちすべて羨まなくて済む。いろんな人に対して、もっと素直な気持ちになれるだろう。劣等感とか、それの裏返しである優越感とか、そういうものを交えずに人と対することが、前よりはできるようになるだろう。うまく言えないけど、そのことに一番ほっとしている。


 鴨川シーワールドの記録(4)
 イルカはどれくらい聡明なのだろうか。
 鴨シーには普通のイルカの他にベルーガ(白イルカ)もいた。こいつもショーをする。といっても、ジャンプとかボール投げをするわけではない。ベルーガさんのショーはイルカの知能の高さを知ってもらうことを主眼としていて、全部水中で行われる。目隠しをされてもおにーさんの笛の音を認識して指示通り動いたり、水槽の外で文字を見せるとその指示通り動いたり。あと、一頭のイルカに指示を出すと、もう一方の目隠しされた方のイルカも同じ動きをしたりとか。つまり、イルカ同士が意志の疎通をはかっているということだ。こりゃすごい。そして、感動したのが、観客の一人がマイクに向かって「こんにちは」というと、イルカがそれに応答してウンウンとうなずいたこと。わたしも「こんにちは」って言いたかった。どなたかベルーガさんにあいさつをしたい人、と言われた時にはまっさきに手をあげたかった。でも、たくさんの子供たちを押しのけることはできなかった。さすがにね……。係のおにーさんが「あぶく」と言えば呼吸口からぶくぶく泡を出すし。音声の違いを識別できるのだ。すごいな。頭がいい、というのとも少し違って、なんかこう、人間とはぜんぜん違う仕組みの世界で生きているんだろうな、と。そのイルカの世界と人間の世界がちょっとでも重なったら素敵だな、とおもった。
 それにしてもベルーガさんはおそろしく体がふにふにやわらかい。そして、ものすごく優しい顔をしている。うっかり何かを許してもらいたくなってしまうくらいに。あまりにも優しい顔だったので、ぜひともわたしの人生のパートナーになってほしくて、おみやげやさんでこっそりベルーガのぬいぐるみを探したのだけれど見つけられなかった。残念。だからまた、会いに来ようとおもった。

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