のり巻き のりのり

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群青に沈め 僕たちの特攻

2017年08月10日 | 読書
北朝鮮の威嚇ニュースが世界を騒がせています。
毎年、平和を考えるこの時期に何ということでしょう。

戦争の愚かさを全世界が認識してほしいものです。

昨日読んだのは「群青に沈め 僕たちの特攻」です。

    熊谷達也 角川書店

「神風特攻隊」は映像や手記によって広く知られています。
人間魚雷「回天」も知られています。

けれども戦争も末期になると特攻機は不足し、回天はベニヤ板で作られる有様になったのです。
物資不足の中、余剰特攻隊員の利用をせんがために考えられたのが「伏龍特攻隊」

なんと、敵艦が上陸するタイミングを海に潜って待ち、竹やりのような棒の先に起爆装置をつけ、敵艦を船底からついて爆破するという作戦です。
結局この作戦は実戦で使われることはありませんでしたが、真剣に訓練に取り組んだ若者たちの様子と心情がリアルに描写されています。

15,6歳の若者が、60キロもの潜水服やボンベを身に着け、何時間も海の中で生死と隣り合わせで訓練を受けたのです。
特殊な訓練の中で命を落とした若者も多く、散華するのでなくまさに無駄死にだったわけです。

「伏龍特攻隊」のことは世に知らされませんでした。
ここにも知られざる戦争がありました。

今夜は池上彰が美輪明宏とともに、子どもたちに戦争について語る番組をやっていました。

我々も含め、戦争を知らない世代に戦争の愚かさを伝えるために、過去の現実を知ることです。
平和ボケにならず、世界情勢に目を向けていきましょう。