寝台特急富士・はやぶさを想う

2009年03月13日 12時10分00秒 | JR 運転・車両

本日、3月13日の最終列車をもって、東京~大分・熊本間の寝台特急富士・はやぶさが引退します。これにより、東海道口で“ブルートレイン”は消滅します。


2レ EF6649+14系 (9:46) 2009/03/12 東海道本線川崎~品川間
(クリックすると別アングルの拡大画像がご覧いただけます)

東海道口を基点とする夜行列車は、国鉄民営化によって、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州と、多くの鉄道会社を経由せざるをえない状況になりました。車両の老朽化もさることながら、新幹線、リニアを念頭に置くJR東海にとっては、単なる通過列車的な見方をしており、走行時間が深夜帯ゆえの駅の営業時間延長(寝台急行「銀河」の場合)や機関車の運転士確保(JR東海はEF66を持っていない)で、もはやお荷物という意見もあるほどです。


東海道本線藤沢を通過する2列車

また、時代のニーズが“スピード”と“安さ”を求めるにつれ、利用者が移動手段よりもむしろ観光手段として夜行列車を見るようになってしまったということもあります。というのも、東海道口の夜行列車は、新幹線が開業してもなお、あくまで移動手段として重点を置いていたことです。車両の改良はほとんど行なわれなかったため、オリジナルではあるものの、カシオペアのような近年の需要であるA寝台や個室が少なく、食堂車やロビーカーがない(昔はあったんですが)、汚らしい、古臭いなどのイメージの低下(これじゃ、マニアか物好きしか乗りませんから…)が利用者減少の原因ともいえるでしょう。


品川へ回送される回1レ。富士ぶさは、牽引機が東京駅で機回しして回送された。

東京駅から西の各方面へ続々と出発していったブルートレインも、引退、併結運転をくり返して、とうとう今日、消滅の日を迎えました。


東京発の夜行列車は寝台電車“サンライズ”に引き継がれる。


寝台特急富士・はやぶさ(1レ)は、東京を18:03に出発し、東海道本線、山陽本線を通って、九州まで走ります。途中の下関までは、JR西日本が所有するEF66が牽引します。


美しい瀬戸内海から朝日が昇る。8月の由宇~大畠間車内から

下関~門司間は関門トンネルを通過のため機関車が付け替わります。機関車自体はJR九州のものですが、操るのはJR貨物の運転士です。(この日の運転士はたいそう面倒そうな顔をしていました…笑)


下関でEF66から関門トンネル通過対応のEF81へ交替

関門海峡を越えると九州。門司で、富士とはやぶさが分離され、はやぶさ、富士の順に出発します。私らははやぶさに乗っていたので、先に出発です。ここからはそれぞれED76が牽引します。

そうそう、私らはオハネ15-1に乗っていたんです。オハネ15のトップナンバー。便所がかなり古いタイプ?で、洗面台も年季を感じさせるものでした(爆)

九州管内は特急には勝てず、途中で退避したりもします。


博多に停車中の41レ。終着駅は熊本。


香椎を通過する上りの42レ。

一方の富士は、門司から別れ、大分まで向かいます。JR九州管内はそれぞれのヘッドマークが掲げられます。富士は、富士山をかたどったもので、かつてはEF66にも掲出されていたタイプ。


大分に到着した富士。こちらは全区間で1レを名乗る。


富士は最後までフル編成で走っていた。奥には113系の姿も…。

「時代の流れ」とは言いますが、日本の鉄道文化、遺産としても過言ではない名誉あるブルートレインをまぁ易々と引退させる日本の鉄道は、一ファンならずとも非常に無念でなりません。
今日、明日と見学/撮影される皆様は、どうかくれぐれもマナーを守って、楽しく最終列車を見送ってあげてくださいね!


明日の朝、長い歴史に幕を下ろします…。


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