福田氏は延長路線、麻生氏は新法路線

派閥的に結果が見えているというのもいかがなものかと思うが、どうやら福田氏は延長派、麻生氏は新法派のようだ。安倍氏の思惑からいうと、（理論的には）福田支持になる。そもそも福田氏は「法律を作ったときの担当大臣だった」。それにしても、小泉氏が福田支持に回ったのは、いかなる政治的勘が働いたのか。

NHK：総裁選 候補の両氏が共同会見

テロ対策特別法の延長問題について、福田氏は「法律を作ったときの担当大臣だったので、それなりの必要性があって活動を開始した経緯は十分理解している。ただ、野党第一党の民主党によく事情を説明し、延長への理解を得ることが与党の責務だ」と述べました。一方、麻生氏は「６年前にアメリカで起きた同時多発テロ事件では、日本人も被害にあっており、日本にはテロとの戦いに参加する義務と責任がある。現在の状況では、単純に法律の期限を延長することは難しいので、新しい法案を提出することを含め、いろいろ考えていかなければならない」と述べました。

福田氏は、なんと「共生」をキーワードに持ち出してきた。「共生」は最悪である。誰（どの勢力）が元気づけられるか、目に見えるようだ。

産経：福田・麻生両氏　共同会見詳報　自民党総裁選

【基礎年金の国庫負担と公共事業】
　福田氏　「平成２１年度までに基礎年金の国庫負担割合を３分の１を２分の１に引き上げることになるが、今の財政状況でカネをひねり出すのは難しい。行政経費を節減する工夫をしなければならない。消費税も含めて手段を考えていくのは当然必要になってくる。公共事業の３％減と地方経済の問題は、悩ましい問題だが、地方にもがんばってもらい、その程度の協力はお願いしていく」
　麻生氏　「毎年、社会保障関係費は１兆円ずつぐらい伸びている。２０００億円ぐらい削る状況が長く続いているが、限界に来ていると感じている。福祉目的税は十分に検討すべきだ。歳出削減は限度にきつつある。歳入を増やすことも、一考すべき重大な要点だ」

【北朝鮮問題】
　福田氏　「昨今は北朝鮮と交渉する余地がないような非常に硬い状況だ。交渉しようという姿勢、意欲が向こうに伝わる方法がないのか工夫しなければいけない」
　麻生氏　「拉致問題は明らかに非人道的な話の極み。今後も「対話と圧力」。圧力がなければ対話にいかないのは経験則ができている。日本のこれまでの対応は決して間違っていない」

【新国立追悼施設】
　福田氏　「国民が嫌がるものを造るわけにはいかない。施設に敬意を表してもらえるタイミングを間違えてはいけない」
　麻生氏　「追悼施設ができても、靖国神社がなくなるわけにはいかない」

【日本の方向性】
　福田氏　「若い人が希望を持ち、お年寄りが安心できるような社会を作っていきたい。自立と共生の社会だ」
　麻生氏　「福田さんは７１歳、私は６６歳で同じく元気。元気な方は頑張るべきだ。政府は小さくても強い政府、温かい政府でなければならん」

> 交渉しようという姿勢、意欲が向こうに伝わる方法がないのか...

？　意味不明だ。

> 国民が嫌がるものを造るわけにはいかない

福田氏は、新国立追悼施設の推進派ではないようだ。麻生氏は、作ってもいいと考えているらしい。

> 自立と共生の社会

この前段「若い人が希望を持ち、お年寄りが安心できる」はいいのだが（目標は正しいが、具体的にどうするのか不明という）、このフレーズ「共生の社会」は最悪。福田氏の真意は分からんでもないが（大衆には伝わりやすいか）、この言葉を用いるのは間違いだ。同床異夢だ。

日本の政治家に多くを期待するのは間違いかもしれないが、言葉の意味、歴史のちょっとした事実に対して、センスの（何というか）低い感じが、ちょっともの悲しい。政治が英米のように演劇であっても困るかもしれないが。