今回の米国の不動産バブルと日本の1990年ごろの不動産バブルを比較すると、米国のバブルは個人向けに限定されたものであるため、法人向けの不動産価格が高騰した日本のバブルほどに崩壊の影響はない、と言う理屈は、今回の米国住宅バブル崩壊の影響が限定的である理屈として良く聞くものである。
しかし、この事例を見ると、そうした主張が全く根拠のないものであることは明白であろう。2000年というのは、米国の景気が良かった年であり、それから6年間で4倍近くの上昇と言うのは、インフレとか色々な要因を組み合わせても、とても説明できるものとは思えない。
更に、米国住宅バブルの調整が進み、最悪期は脱したと一部で言われるこの時期でも、まだこの価格水準であることは、衝撃に値する。法人向けも含めて考えると、米国の不動産バブルの調整は、まだ始まっていないとすら言えるのかもしれない。米経済の底知れぬ闇の深さを感じさせるニュースであった。
◎NY不動産バブル、米史上最高2070億円でビル売買
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061208i305.htm
ニューヨークの目抜き通り5番街に面したビルが18億ドル(約2070億円)で売買されることになった。米メディアが7日伝えた。
オフィスビル1棟の売買額としては米史上最高。ニューヨークの不動産バブルを象徴する取引になった。
「666フィフス・アベニュー」と呼ばれるこのビルは41階建て、延べ床面積約14万平方メートルで、1957年にオープン。日本のバブル期の88年、住友不動産が当時としては記録的な約5億ドルで買ったが、2000年にほぼ同じ価格で手放した。
その後の6年間で4倍近い値に跳ね上がったことになる。今回の売買は、米不動産会社の間で合意された。
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