4月の雇用統計での減少幅が予想よりも少なかったことで、いったん安心感が広がったようだが、毎週発表される週間失業保険申請件数の内容は、 楽観論を打ち消すに足るものである。受給総数が300万を超すのは4年ぶりである。※1のひとつめのグラフは受給総数と週間失業保険申請件数の4週平均の動きだが、修正幅の大きい月間の雇用統計だけでは読み取れない悪化の状況が見られる。
さらに、※2の様に、労働時間は第1・四半期に1.8%減少(2003年以来の減少率)したというが、これは失業者が急激に拡大することを防いでいる。
景気減速期が短いとみている企業経営者が、雇用者をレイオフする替わりに時短にして、生産を続けるから在庫が積みあがった、というのが1Qの実態だろう。この楽観的な対応は、おそらく長く続いた好況で雇用者確保が大変だった想いから来るものかもしれないが、住宅市場がここまで落ち込んだのと同じ誤りを犯しつつあるように思われる。住宅市場においても、市況回復を期待して住宅建設事業者が需要以上の住宅を作り続けたことが、差し押さえ物件の急増とあいまって、現在の記録的な在庫水準を作り上げたが、基本的な構造は一緒だろう。
そして※3が示すように、ホームエクイティに頼れなくなった米国人は、消費を抑えればよいのにクレジットカード等の残高を急速に増やしている。米国人の多重債務問題が、今後大きな課題として浮かび上がってこよう。
※1
○Northern Trust on Continuing Claims
http://calculatedrisk.blogspot.com/2008/05/northern-trust-on-continuing-claims.html
Asha Bangalore at Northern Trust presented a great chart today on continuing unemployment claims.
Click on graph for larger image.
This morning I noted that continuing claims had reached the 3 million level for the first time in four years.
This graph shows the increase in both initial claims and continuing claims.
Bangalore also presents a graph on the relationship between the Fed's Senior Loan Survey and GDP. This is similar to the research paper I excerpted from yesterday (see: The Impact of Tighter Credit Standards on Lending and Output), and suggests that the economy will slow over the next few quarters.
○Weekly Unemployment Claims: Continuing Claims at 3 Million
http://calculatedrisk.blogspot.com/2008/05/weekly-unemployment-claims-continuing.html
Here is our monthly look at unemployment claims. Note that continuing claims has now reached a four-year high of 3 million.
※2
UPDATE1: 第1四半期の米非農業部門労働生産性速報値は+2.2%、労働時間が大幅減少
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnJT817720920080507
労働省によると、労働時間は第1・四半期に1.8%減少し、雇用の拡大を伴なわない景気回復局面にあった2003年初頭以来の減少率となった。
※3
3月米消費者信用残高は前月比+152.9億ドル、予想大幅に上回る=FRB
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnJT817737120080507
米連邦準備理事会(FRB)が7日に発表した3月の消費者信用残高は前月比152億9000万ドル増となり、市場予想の60億ドル増を大幅に上回り、11月以来最大の増加となった。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003002&sid=ac_Ht.PHt0xg&refer=jp_bonds
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080511ddm008020110000c.html
サブプライム問題の影響は既に、健全な借り手への住宅ローンにも及んでいる。今春以降は自動車ローンやクレジットカードローン、学生向けローンなど消費者にとってより身近なローンにも拡大している。
3月の米証券大手ベア・スターンズの救済劇を経て、金融市場は落ち着きを取り戻しつつあるが、「最悪期を脱した可能性が高い」(ポールソン米財務長官)と判断するのは時期尚早と言えそうだ。
【ワシントン共同】米財務省の通貨監督局(OCC)は9日、米アーカンソー州を地盤とし、主にインターネット銀行として営業している「ANBファイナンシャル」を閉鎖したと発表した。ずさんな業務運営で資本不足に陥り事業継続が困難になった。米銀の経営破綻(はたん)はことし3件目で、資産規模では最大となる。
ANBは1994年に銀行免許を受け、資産規模は1月末時点で約21億ドル(約2160億円)。OCCは受け皿として連邦預金保険公社(FDIC)を指定。預金者や店舗は同州にある別の銀行が引き継ぐ。
サブプライム住宅ローン問題の影響で、金融機関の経営は厳しくなっており、米金融監督当局は人員を増強して経営監視を強めている。
毎日新聞 2008年5月11日 東京朝刊
みんな知らない顔をしているようですが。
同期の純利益は1億9800万ドルだった。
サブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱に伴い、保証した
金融商品の価格の下落などで約36億ドルの損失を計上した。MBIAは「手持ち資金は十分で現在の信用不安を乗り切れる」と強調した。
(共同通信)
> MBIAは「手持ち資金は十分で現在の信用不安を乗り切れる」と強調した。
本当ですか?(爆)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aQDLktLYGNog
米国債は売られて利回りも上昇しています。
アメさんはどうする気なんでしょうかね?