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(大)不況!? その73今週のサマリー:厳しめの指標が続く

2007-03-10 22:50:26 | 世界経済

今週は、ファンダメンタルズ的には、米経済の厳しさがより強く意識される指標が相次いだ。2月雇用統計で、足元の堅調さが確認されたとの見方もあるが、住宅建設の大量失業はまだ十分には始まっていないこと、政府の雇用増が見かけをよくした可能性があるなどの要因があり、安心材料と言える様な状況ではない。

○サービス業・小売等

・2月のISM非製造業指数が先月59.0から54.3に急落(予想57.1)。03年4月以来の低水準(※1)。2月の雇用統計を見る限り、サービス部門は堅調さを保っているが、これまでの破竹の勢いから減速感が見られる点に注意が必要。

・また、米チェーンストア売上高指数は、2月の最初の週からの対前年比増減率が、4.3%→3.9%→3.5%→2.2%→1.5%(3/3日終了週)と急速に失速している。株式市場調整の影響とあわせ要注目。

○製造業

・米商務省発表の1月製造業受注高は、前月比5.6%減と なった。市場予測は4.5%減。航空機を除いた非国防資本財受注は前月比6.3%減(同4.0%増)(※2)

○雇用

・米労働省発表の第4四半期労働生産性指数は、前期比1.6%上昇となった。速報の3.0%から下方修正されている。市場予測は1.5%上昇。単位労働コストは、前期比6.6%上昇し、速報の1.7%上昇から大幅な上方修正(※3)。景気が悪化しても利下げにすぐには動きにくい情勢。

・2月の雇用数は、9.7万増。今回の特徴は、財生産で7.1万減(先月2.6万増)、サービス16.8万増(12万増)、政府3.9万増(1.5万)と、財生産の減と政府の増が目立った。今後、急増が見込まれる民間住宅建設労働者は、2.3万減に留まる。ISM指数に見られる様なサービスの減速が雇用に現れると、一気に厳しい状況となる。

また、住宅着工件数が急落しているのに、なぜ民間住宅建設労働者がなかなか下がらないかについては、以下のサイトを。

http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/03/why-residential-construction-hasnt.html

建設に11ヶ月かかるケースが増えるなどで、完成件数がまだ記録的高水準から落ちていない事に加え、興味深い分析は、春に市場が回復することを期待し、レイオフを先延ばししているという仮説である。今後数ヶ月に注目。

 

 

 

・ちなみに、週間ローン申請数は、低迷のまま。(※4)

 

※1

http://www.daikiusa.com/indicators/past/ism_service.html

マーケットでは、住宅市場の低迷が影響した可能性が指摘されている。引き続き景気の拡大と縮小の分岐点を示す50は上回っているが、約4年ぶりの低水準に落ち込んだ事で、サービスセクターは予想されていた程に良好でない可能性が考えられる。住宅価格の低下が、個人の消費支出動向に影響を及ぼしている模様。

※2

http://www.daikiusa.com/indicators/past/factory_orders.html

マーケットでは、製造業セクターでは在庫調整の動きが強く、厳しい状況と評価されている。設備投資も鈍化しており、過去6年で最大の減少率となっている。サービスセクターに対して、相対的な弱さが目立ち始めている。

※3

http://www.daikiusa.com/indicators/past/productivity.html

マーケットでは、単位労働コストの大幅な上方修正で、金融当局はインフレに対する警戒姿勢を維持せざるを得ないと評価されている。良好な雇用環境から賃金上昇圧力が強くなっており、仮に景気が減速しても容易に利下げを行う事が難しくなっている。

※4

 Click on graph for larger image.

This graph shows the Purchase Index and the 4 and 12 week moving averages since January 2002. The four week moving average is up slightly to 397.2 from 397 for the Purchase Index.

 


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