青空ーすべてはバランス

7 ベートーヴェンについて調べています

(11) 母の死
1787年7月17日(17歳になる年)、母マリア・マグダレーナは肺結核のた40歳で亡くなった。なんと前の年の5月に女児を出産していますが、マリアの死後4か月後に亡くなりました。前夫の子3人を失い、再婚後第1子を失い、ベートーヴェンが生まれ、その下に二人の男の子がいますね。つまり、マリアは、この子マリア・マルガレーテを含めて5人の子供をなくしたことになります。過酷!悲惨!です。ベートーヴェンはどんなに悲しかったことでしょう。頼りない父親のもと、母親と二人三脚で必死で頑張ってきたはずです。アルバイトをして家計を支えてきましたよね。これまでの人生がベートーヴェンの人間性に大きな負の影を背負わせたことは間違いないと思います。
ところで、1787年はモーツァルトに会ってます。そうです。モーツァルトに会って2週間で母危篤の知らせを受け、急ぎ帰っています。その後1か月半余り後に亡くなっています。知人に宛てた手紙が残っています。

故郷に近づくにつれ、母の病状が思わしくないからと私をせかせる父からの手紙を次々と受け取りました。ーー病める母にもう一度会いたいという切望が、すべての障害を取り除き、大きな困難を乗り越える支えになりました。私は、まだ存命の母に会うことができましたが、最悪の病状でした。彼女は肺結核におかされ、大変な痛みと苦しみに耐えたあげく、7週間ほど前に亡くなりました。彼女は善良そのもので、私にはやさしい母であり、最上の友でもあったのです。ああ!母のなつかしい名前を呼ぶことができ、そして、答える声を聞くことができていた時の私はなんと幸福だったことか。今私は、誰に向かってその名を呼びかけることができましょうか?ーー
(ヨーゼフ・ヴィルヘルム・シャーデン博士宛、1787年9月15日)

母とのエピソードは、一つしか知られていないそうだ。1781年初冬(11歳になる年)親戚に招かれて、二人でオランダへの船旅に出た。船上は寒く凍えそうだった。母は凍傷にかからぬようにと、ベートーヴェンの足を自分のスカートにくるんで暖めてくれた。なにげない光景だけど、この二人だと泣けてきますね。

 

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