日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

東北の温泉一人旅③ 巣郷温泉「静山荘」

2022-09-21 07:00:00 | 温泉・宿

第2日目-----『静山荘』

「青荷温泉」の次は岩手県西和賀町にある巣郷温泉に宿を取ってあった。

巣郷温泉は横手と北上を結ぶJR北上線沿線にある。

そこまでのルートを考えた時、在来線は本数が少なくて、結局新幹線を使うことに決めた。

 

弘前駅から新青森駅まで乗った「特急津軽1号」

 

新青森駅から北上駅までは新幹線を使い、北上駅からは北上線に乗った。

 

[北上線・横手行]

 

「横手行」の電車はたった1両だけの編成だった。

高校生が多く乗っていたためか、混雑していて座席は全て埋まり、立ち客も大勢いた。

北上線には何度も乗ったことがあり、途中にある湯川温泉や湯本温泉へは数回訪れたことがあったが巣郷温泉へは初めてだった。

今回この場所を選んだ理由は2つあり、そのうちの1つは温泉の「泉質」だった。

巣郷温泉は石油のような香りがする温泉らしく、その温泉に入りたかったこと、そしてもう1つは「でめ金食堂」があることだった。

「でめ金食堂」は”食事をすると無料のお風呂に入れる”という温泉ファンには有名な店だった。

ここにもぜひ1度は行ってみたかった。

 

 

[北上線・黒沢駅]

 

巣郷温泉は秋田県と岩手県の県境にあり、最寄り駅は秋田県側の「黒沢駅」。

この駅で降りたのはたった1人だけだった。

宿の送迎はあったけれど断り、宿まで歩いて行くことに決めた。

駅から巣郷温泉までの国道107号線は『平和街道』と呼ばれ、昔から秋田県と岩手県を結ぶ重要な街道だったらしい。

その街道の途中にある県境を歩いてみたかったのだ。

目的地までは約30分と言われていたので、簡単に歩けるつもりだったはず。

ところが、ずっと登り坂だったし、暑い日だったので思ったよりきつかった。

でも、この辺りは高原になっているので、道沿いには夏と秋の花がたくさん咲いていた。

この花々を見られたのだから、歩いてきて良かったのかも。

 

 

県境の峠に近づいた時、前方に「静山荘」の看板、その少し先には「でめ金食堂」の看板が見えた。

なんと今夜の宿と「でめきん食堂」はほんの数十メートルしか離れていなかったのだった。

 

この看板の消えかかっている温泉マークに注目!!

ファンには嬉しいマークのはずだったのに・・・

せっかく行ったのに、この日はお風呂は「休み」だった😞😞

 

気を取り直して「静山荘」へ。

 

 

「静山荘」は国道沿いにある総客室9室の小さな宿。

地元の人たちの宴会や食事会などにも利用されているらしく、広い宴会場もあり、昔からの地元の宿といった風情だった。

若奥様が1人で切り盛りしているようで、チェックイン時から気さくな対応をしていただいた。

「でめ金食堂」でお風呂に入れなかったと言ったら、ここも同じ泉質だと。

それじゃ、ゆっくりする間ももったいないと思いすぐにお風呂に・・・

 

[内湯と露天風呂]

 

[露天風呂]

 

お風呂は内湯とそれに続く露天風呂になっていた。

日帰り入浴もやっているようだったが、誰もいなく貸切状態で、浴室に入った瞬間から強い油の香りがした。

その香りは柔らかで、イヤな気はしなかった。

熱めのお湯で少し緑がかった色をしていて飲泉も可能らしい。

アルカリ性のため少しヌルっとしていて、風呂上りは肌がつるつるになったような気もした。

成分表を見ると泉質はナトリウム、塩化物、硫酸塩温泉(低張性アルカリ性高温泉)、pH8.6となっていて油の香りの成分はどこなんだろうと思って聞いてみた。

若奥様曰く、「昔この辺りに鉱山があったのでそのせいじゃないのかな、謎です」と。

お風呂の後は食事のこと

夕食は部屋食で、盛りだくさんの料理がテーブルいっぱいに並び、作り立ての料理が次から次へと出てきた。

ボリューム控えめの釜めしコースをお願いしたつもりだったけど、最後までは食べきれなかった。

 

「静山荘」は田舎の親戚の家に泊まりに行ったような気安さと懐かしさが感じられ、コスパも良く、機会があったらまた寄ってみたいと思わせてくれるような宿だった。

 

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東北の温泉一人旅② 青荷温泉

2022-09-20 06:50:00 | 温泉・宿

第1日目の宿-----『青荷温泉』

「青荷温泉」はランプの宿として有名で、国道から7kmほど山の中に入ったところにある一軒宿。

電気も電波もなく、ランプの灯りだけで過ごす、「何もない贅沢」と「ランプが照らす渓谷の秘湯」を売りとしている宿。

ずっと前から一度は泊ってみたいと思っていた宿だった。

 

 

「虹の湖公園」には送迎バスが待っていてくれた。

バスは国道102号線を少し走り、分岐を山の中に向かっていった。

分岐の標識には「青荷温泉6.5K」とあった。

ここからダートの道となり、急勾配・急カーブが続き、宿に下りていく道は特に急な坂道となっていた。

 

[宿入り口の急坂を下りたところと「青荷温泉」の看板]

 

[玄関]

ここでも”ランプ”がお出迎えしてくれた。

 

宿は「青荷川」沿いにあるので、部屋の下には川と赤く色づいたナナカマドが・・・

 

部屋の中はランプが一つぶら下がっているだけ。

お茶のセットは用意されていて、布団は自分で敷くシステムになっていた。

 

本来ならばお風呂は4ヶ所あるのだが、川が増水したため川向こうにある2ヶ所(滝見の湯、露天風呂)のお風呂は利用できなかった。

それで残りの2ヶ所のうち、別棟にある「健六の湯」に向かった。

誰にも会わず、大きなお風呂を独り占めして長々と入ることができた。

 

「健六の湯」は大きなヒバ造りの湯船があり、無色透明の温泉が溢れていた。

単純温泉なので特に特徴のあるものではなかったのだが、雰囲気がとっても良かった。

高さのある天井と両方の壁にはランプだけが灯っている、洗い場もシャワーもないお風呂で正に秘湯といった感じだった。

 

隣には半露天になった窯風呂も。

 

もう一つのお風呂は宿泊棟内にある「内湯」で、造りは「健六の湯」と似ていた。

ここも高い天井とランプ、少し小さめのヒバの浴槽、洗い場もシャワーもないすべて木造りの浴室だった。

 

 

[館内の様子]

 

部屋ではテレビも電波もないため、何もせずにただ天井のランプと窓の外を眺めているだけで、「何もない贅沢」という言葉が身に染みて感じられた。

ここまでは良かったのだが、やはりちょっと、と思うことが一つだけあった。

それは食事場所のことで、もう少し明るさが欲しかった。

食事は素朴な料理で美味しかったけれど、食事の場所も上からぶら下がっているランプのみ、だから部屋が暗すぎて何を食べているのかも分からないくらいだった。

ランプの宿と承知して来ているのだからそれはしょうがないのかもしれないけれど、料理は目で楽しむものという言葉の意味がやっと理解できた気がした。

 

普段、便利な生活に慣れてしまっているので、たまにはこういった何も無い生活もいいかなと・・・

この宿に泊まって、非日常を体験することができ、温泉と川のせせらぎ、鳥の鳴き声に心が癒されたような気がした。

 

 

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東北の温泉一人旅① 弘南鉄道

2022-09-19 07:00:00 | 国内旅行

Web限定の大人の休日倶楽部パスが販売されたので利用させてもらった。

これは連続する4日間、JR東日本の列車が乗り放題になる。

これさえあればどこへでも自由に動けるし、乗り鉄として、ましてや温泉好きの身にはたまらない、ありがた~い切符。

その切符を使い4日間あちこちを回ってきたのでそのレポートをポチポチと・・・

最初に一番遠い青森まで行き、そこから南下しながらまだ行ったことのない温泉地を選び、そこにある宿を予約しておき、あとは全くのフリープラン。

決まった宿は、1泊目青荷温泉、2泊目巣郷温泉の「静山荘」、3泊目中山平温泉の「三之亟湯」の3ヶ所になった。

一人旅だからこそできた芸当だった。

 

 

第1日目-----『弘南鉄道』

まず、新幹線で新青森まで行って、その先はまだ乗ったことのない「弘南鉄道」に乗ることに決めた。

そして弘南鉄道から導き出した温泉が「青荷温泉」だった。

1日目は弘南鉄道に乗ることと、青荷温泉に泊ることだけを決めて出発した。

 

 

最終目的地の「青荷温泉」まで行くにはもちろん東北新幹線に乗らなくてはならない。

それまでの経路のことを考えたらまだ体験したことのない電車が見つかった。

それが武蔵野線を走る「しもうさ号」だった。

だから、いつもは東京駅から乗る東北新幹線なのに、今回は大宮から乗ることにした。

鉄道には普段は旅客列車が通らず、貨物だけしか通らない路線がある。

武蔵野線で大宮へ向かうには南浦和駅か武蔵浦和駅で乗り換えが必要なのだけれど、1日に数本だけ乗り換えなしで貨物線を走行する珍しい列車がある。

それが「しもうさ号」という名前のついた列車で、この日は朝早くちょうど良い時間に運行されていた。

 

[しもうさ号]

何の変哲もない、いつもの武蔵野線の車両、でも行先が『大宮』になっていることに注目!!

この電車は武蔵浦和駅から貨物線を通って大宮に直行する。

たったこれだけのことで、興味のない人にはどうでもいいようなことでも、乗り鉄にはレアな経験となって、とっても嬉しかった。

 

さて、貴重な経験の後は普通に大宮から東北新幹線に乗り、新青森駅で乗り換えて弘前駅に。

青森駅には「ねぶた」、弘前駅には「ねぷた」が飾ってあった。

 

[新青森駅のねぶた]

 

[弘前駅のねぷた]

 

弘前駅にはこの日の目的となっていた「弘南鉄道」が待っていた。

2両編成の電車だった。

 

 

弘南鉄道は弘前~黒石を走る「弘南線」と中央弘前~大鰐までの「大鰐線」があり、今回乗ったのが弘南線。

田んぼの広がる中をトコトコと走る電車で、1時間に1本くらいの割合で運行されている。

弘前から黒石まで直行のつもりだったが、田舎館村で「田んぼアート」が開催されているのを知って、寄ってみることにした。

田んぼをキャンパスに見立てて数種類の色違いの稲で大きな絵を描くのが「田んぼアート」、その発祥の地がここ、田舎館村だった。

イベント開催時期だけ設けられた臨時駅「田んぼアート駅」で降りたら、第2会場の「弥生の里」はすぐ目の前にあった。

展望台に上り、素晴らしい「田んぼアート」を堪能した。

 

[展望台]

 

[左半分]

[右半分]

[全体]

令和3年7月に世界遺産登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」にちなんで、「縄文から弥生へ」がテーマになっていた。

描写も細かくて、立体感なども素晴らしく、見事な出来栄えだったのだけど・・・何だか印象に残らなかった。

きっと抽象的すぎたのかも。

 

隣には「石のアート」もあった。

こちらは細かな石を敷き詰めた絵で分かりやすい。

 

「田んぼアート」の方はテーマが難しすぎたのかも。

時間の関係で見に行けなかったのだが、少し離れた場所にある第1会場ではテーマが「モナリザ」と「湖畔」という有名な絵画の模写になっていたらしい。

そういったテーマの方が受け入れやすいのかもしれない。

 

第1会場の「モナリザ」と「湖畔」  (田舎館村田んぼアートHPより)

 

再び弘南鉄道に乗り終点の黒石まで行った。

このあとは宿の「青荷温泉」に行くだけ。

黒石駅からバスで「虹の湖公園」という道の駅まで行けば宿の車が迎えに来てくれることになっていた。

 

[虹の湖公園]

 

 

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バタフライピー

2022-09-17 07:00:00 | 植物

垣根に絡まっていた、珍しい花を見つけた。

この花の名前は「バタフライピー」、日本名はそのまま「蝶豆」。

 

 

この植物はつる性で成長が早いため、暑い夏の日差しを遮るグリーンカーテンとしても利用されている。

そこにきれいな青紫色の1日花が咲く。

そして、ハーブとしても知られている。

ハーブとしての利用法は、花をお茶として飲むのだが、別名が「不老不死のハーブ」とも言われているくらい、若返りや美肌にとっても良いらしい。

この花のお茶がきれいな青い色になるのは花にアントシアニンが含まれているから。

 

 

面白いことに、来上がったお茶にレモンなどの柑橘系の汁を入れると、青から紫、ピンクに色が変わってくる。

これはアントシアニンと柑橘系のクエン酸とが化学反応するためだとか。

また、最近ではエディブルフラワーとしても利用され、こんなにきれいな色の花に加えて渋みや辛みなどが全くなく、ほんのり甘いということで、人気になっているらしい。

 

 



学名:Clitoria ternatea

英名:Butterfly Pea、Asian Pigeon Wings

別名:チョウマメ、クリトリア

科名・属名:マメ科 チョウマメ属

原産地:タイ、東南アジア

 

 

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白い花には白い実、薄紫の花には紫の実---コムラサキ

2022-09-15 07:00:00 | 植物

白い花の後は白色の実、薄紫の花の後は紫色の実、当たり前なのかもしれないけれど・・・

知ったことは嬉しかった。

 

白い花が咲いた後は・・・

 

白い実が生る。

 

薄紫の花が咲いた後は・・・

 

紫の実が生る。

 

 

この実、紫色のものは「ムラサキシキブ」ではなく、「コムラサキ」

ムラサキシキブとして栽培されるもののほとんどはコムラサキで、この2つはよく似た仲間。

実の大きさがムラサキシキブは大きめ、コムラサキは小さめなので「コムラサキ」という名前がついた。

白い実は「シロシキブ」ではなく、「シロミノコムラサキ」

 

--- コムラサキの特徴 ---

葉は上の方だけが鋸葉、実はびっしりとついている。

木はあまり大きくなくて、花や実が葉柄の付け根から少し離れてついている。

 

 

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