日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

ロドレイア(シャクナゲモドキ)

2022-03-20 07:00:00 | 植物

ウォーキング中に見つけたちょっと珍しい木。

葉っぱだけの時はてっきりシャクナゲだとばかり思って、いつも素通りしていた場所だった。

ところが、ピンクの花が咲きだし、それがツバキにそっくり。

葉っぱはシャクナゲ、花はツバキ、これは?

 

どう見ても葉っぱはシャクナゲでしょう。

 

でも、蕾はツバキっぽい。

 

開いた花の形はツバキよりもシャクナゲっぽいかな?

約5~8㎝ほどのローズピンクの花が、房状に集まって下向きに咲いている。

 

初めて見た花(木)、さっそく調べてみた。

グーグル検索でヒットした。

これは「ロドレイア」だと。

東南アジアから中国南部の原産なので、どちらかというと南国の花らしい。

花の形や付き方、葉がシャクナゲに似ているので、シャクナゲモドキという名前で呼ばれているようだ。

でも、シャクナゲとは全く関係がないとか・・・

きっと最初に名前を付けた人は絶対にシャクナゲだと思ったんでしょうね。

でも、そのあとちょっと違うし、どうしようかと思ってモドキ(擬き)をつけ足したのかな?

 

現在日本にあるロドレイアの種類は2種類で、ヘンリー(henryi)とチャンピオニー(championii)というもの。

そのうちのヘンリーはある程度の耐寒性があるので、日本の暖地での栽培が可能だとか。

でも、チャンピオニーは寒さに弱いので庭に植えるにはちょっと難しいらしい。

今回見つけたものはどっちのロドレイアなのか?

2種類の違いは、ヘンリーは葉先が尖鋭形で葉脈が鋭角、花序柄が短い、チャンピオニーの方は葉が広めの楕円形で花びらの幅も広い、となっていたが両方を見た訳ではないし断定できない。

取りあえずロドレイアで・・・

地植えになっていたのだから、多分ヘンリーでしょうね。

 


 

学名: Rhodoleia 

英名:Hong Kong rose

別名:シャクナゲモドキ

科名・属名:マンサク科 シャクナゲモドキ属

原産地:中国南部、ベトナム、ミャンマー、マレーシア

 


 

ロドレイアは「幸福の再来を願う木」と呼ばれ、香港では旧正月の飾りに欠かせない花とされているらしい。

縁起の良い木で、あまり手入れをしなくても簡単に生育するようなので、他とはちょっと違ったシンボルツリーとしてオススメかも。

 

 

今まで見たこともない樹木や花を見つけ、それについて調べ、新しい知識が得られた時は嬉しい。

でも若い時とは違って、それが頭の中になかなか残らなく、今日覚えたこともしばらくするとすぐに忘れてしまう。

花や木の名前でもカタカナ名のものなどは特にそう。

きっと「ロドレイア」よりも「シャクナゲモドキ」の和名の方がずっと残って忘れないと思う。

 

 

 

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シキミ(樒)

2022-03-19 07:00:00 | 植物

ウォーキングコースの途中にあるお寺の境内に大きなしだれ桜がある。

桜の蕾の膨らみ具合を見に行った時、桜の木の下に今が盛りと咲いていたのがミツマタとジンチョウゲの花、そしてその脇にある「シキミ(樒)」に花がついているのを見つけた。

以前どこかで聞いた話で、「大昔、まだ土葬の時代だったころ、シキミには木全体に強い香りと毒があるのでをお墓に植えておけば獣が寄ってこないから」というものがあった。

その名残りで今でもお墓にはシキミを供えるのだとばかり思っていた。

ところがある法事に出席した時、ご住職様(ご上人様)から「日蓮正宗の経典“法華経”の中にはシキミの表記があり、そのため日蓮宗では特にシキミを重要視している」というような法話を聞いた。

そうだとすると、シキミが墓花や仏前草と呼ばれるのには獣除けだけではなく、他にも尤もな理由があるのだということが分かった。

 

 

いつも花が咲いていない枝を見ていたので、じっくりと花を見たのは初めてだった。

マンサクの花弁を少し幅広くしたような、白~淡い黄色の花で、1つが3センチほどの大きさ、花弁は10~20枚くらい。

でも、花弁だと思ったうちの数枚はガクらしいが、どれが花弁でどれがガクなのか区別ができない。

また、一つの個体に雌花と雄花の両方をつける、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の木。

 

シキミの花は雌花として咲き始め、その後中央にあるメシベがくっついて雄花となる。

 

[雌花]

最初は中央のメシベがバラバラで雌花

 

[雄花]

そのうち中央のメシベが合着してくると雄花になる

 


 

学名:Illicium anisatum L.

英名:Japanese star anise

別名: シキビ、ハナノキ、ハナシバ、コウシバ

科名・属名:マツブサ科 シキミ属 

原産地:日本(宮城県以西)、朝鮮(済州島)、中国

 


 

ちょっと余談。

漢字で書くと樒(しきみ)だが、別の文字で木編に佛と書くものもある---

木編に神だと榊(さかき)---

これは榊が神様に供えたり、神式の儀式に使うものだからで、それに対して仏に供えるものがということらしい。

ちなみにこのという文字は環境依存文字になっているので、特定の環境以外で使用するときちんと表示されないかもしれない。

 

 

コメント (3)
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サンシュユ(山茱萸)

2022-03-17 07:00:00 | 植物

春にはピンクの桜が似合うけれど、黄色も捨てがたい。

大きな公園には「サンシュユ」の木がたくさんある。

それらがちょうど見ごろになっていて、鮮やかな黄色が遠くからでもよく目立っている。

 

一つ一つの花はこんな感じで、小花が集まって花房を作っている。

 

サンシュユは春になると真っ先に開花し、鮮やかな黄色を見せてくれるので「春黄金花(ハルコガネバナ)」、そして秋にはサンゴのような真っ赤な実が生るので秋珊瑚(アキサンゴ)」と言われ、春・秋両方に別名を持っている。

 

春の「春黄金花」

 

秋の「秋珊瑚」

茱萸(シュユ)とはグミのこと、だからサンシュユの実はグミにそっくり。

 

この木は日本には江戸時代に薬用として入ってきたのが庭木として広まったらしい。

秋になるとできる実の種を抜いて果肉を乾燥させたものが滋養強壮や疲労回復に効果があるとか。

 


 

学名:Cornus officinalis

英名:Shan zhu yu

別名:ハルコガネバナ、アキサンゴ

科名・属名:ミズキ科 ミズキ属

原産地:中国、朝鮮半島

 


 

ちょっと余談。

宮崎県の椎葉村に伝わる民謡「稗つき節」の歌い出しに、「♪庭のサンシュウの木 鳴る鈴かけて~♪」という歌詞がある。

この歌詞のサンシュウがてっきりサンシュユのことかと思っていた。

ところが九州地方の訛りで、「山椒」のことをサンシュウと言うらしく、多分庭にある山椒の木のことを歌っているのじゃないかと。

何の気なしに聞いていたけれど、椎葉村には平家の落人伝説があって、この民謡にはその伝説が盛り込まれている歌だということを知った。

 

 

 

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モクレイシ(木茘枝)

2022-03-16 07:00:00 | 植物

近所にあるお宅の塀の上から顔を出していた木があった。

毎日この場所を通っていて、葉っぱだけが見えていたので、てっきりモッコクかモチノキだとばかり思っていた。

ところが、数日前にこの木に蕾が付いていたのを見て「何だろう?」とまじまじと見た結果、この木が「モクレイシ(木茘枝)」だと気づいたのだった。

 

 

最初は小さな蕾だったのが、数日前からの暖かさに一気に花が開き出した。

直径は5ミリほどで小さくて、葉の付け根あたりにまとまって咲いている。

緑色の花って珍しいし、葉と一体になってしまって、よく見ないと気がつかないかもしれない。

モクレイシは雌雄異株で、雌雄の株にぞれぞれの花を咲かせる。

この場所には3本の木があって、1本が雌株、2本が雄株だった。

雄しべの先端に黄色い葯(やく)が見えるものが雄花で、この木は雄株。

 

 

それに比べて雌株についている雌花は雄しべがほとんど目立たない。

 

花や葉っぱはプロパンガスのような匂いがすると言われているが、あまり感じなかった。

 


 

学名: Microtropis japonica

英名:Mokureishi tree

別名:フクボク

科名・属名: ニシキギ科 モクレイシ属

原産地:日本、台湾南部

 


 

「モクレイシ」という名前について 

レイシ(茘枝)とは中華料理のデザートに出てくる「ライチ」のこと。

そしてその実は野菜の「ゴーヤ」に似ていると言われている。

ゴーヤにはツルがあるので、ゴーヤの別名は「ツルレイシ」。

「モクレイシ」には実が生り、それが裂けると赤い種子が出てくる。

この種子がゴーヤに似ているけどツルがなく、木なので「モクレイシ」と名付けたということだった。

ライチ → ツルレイシ(ゴーヤ) → モクレイシ ということらしい。

でも、ライチはムクロジ科、ゴーヤはウリ科、モクレイシはニシキギ科と全く違った植物なのに、ただ似ているからと名前をつけちゃうんだ。

命名って意外と適当なんだ・・・

そういえば、以前にどこか海外で「バンレイシ」という果物を食べたことがあった。

別名を釈迦頭というのだけど、これも似ているだけで命名されたのかも。

 

 

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アセビ(馬酔木)

2022-03-14 07:00:00 | 植物

大きな公園の中には「アセビ」の木がたくさんある。

2月末に行った時、陽当たりの良い場所にあった小さい木に少しだけ花が咲いていた。

その時から2週間、今では満開になっていた。

 

[2月末のアセビ]

 

[3月中旬のアセビ]

 

冬の間はアセビの葉っぱの緑が良く目立っていた。

色のない時の常緑樹は嬉しい。

春になって花の時期になると、アセビは花付きが良いため、木全体を覆ってしまうほどになる。

花の形を見るとドウダンツツジなどとよく似ていて、ツツジの仲間だと分かる。

高原などの自生地に行くと、他の植物がなくて「アセビ」ばかりの場所も多くある。

これは、アセビには木全体に毒性があるので、野生動物がこの木を食べずに、他の植物ばかり食べるからアセビだけが残ってしまうため。

このように動物が食べない有毒植物だけが残って群落が形成されるのはレンゲツツジやクララなども同じようだ。

動物の本能ってすごい!

自生のアセビはほとんどが白い花だが、園芸品種にはピンクや赤などもある。

 

[ピンク色の園芸品種  “クリスマスチアー”  ]

 

[赤花の "ベニバナアセビ" 、"アケボノアセビ"  とも呼ばれている]

 

 


 

学名: Pieris japonica

英名: Japanese andromeda

別名:アシビ、アセボ

科名・属名:ツツジ科 アセビ属

原産地: 日本

 


 

漢字では「馬酔木」。

木には有毒成分のアセボトキシンが含まれていて、馬が食べると神経が麻痺し酔ったような状態になるのがその名の由来。

 

 

 

 

 

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