ウォーキングコースの途中にあるお寺の境内に大きなしだれ桜がある。
桜の蕾の膨らみ具合を見に行った時、桜の木の下に今が盛りと咲いていたのがミツマタとジンチョウゲの花、そしてその脇にある「シキミ(樒)」に花がついているのを見つけた。
以前どこかで聞いた話で、「大昔、まだ土葬の時代だったころ、シキミには木全体に強い香りと毒があるのでをお墓に植えておけば獣が寄ってこないから」というものがあった。
その名残りで今でもお墓にはシキミを供えるのだとばかり思っていた。
ところがある法事に出席した時、ご住職様(ご上人様)から「日蓮正宗の経典“法華経”の中にはシキミの表記があり、そのため日蓮宗では特にシキミを重要視している」というような法話を聞いた。
そうだとすると、シキミが墓花や仏前草と呼ばれるのには獣除けだけではなく、他にも尤もな理由があるのだということが分かった。
いつも花が咲いていない枝を見ていたので、じっくりと花を見たのは初めてだった。
マンサクの花弁を少し幅広くしたような、白~淡い黄色の花で、1つが3センチほどの大きさ、花弁は10~20枚くらい。
でも、花弁だと思ったうちの数枚はガクらしいが、どれが花弁でどれがガクなのか区別ができない。
また、一つの個体に雌花と雄花の両方をつける、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の木。
シキミの花は雌花として咲き始め、その後中央にあるメシベがくっついて雄花となる。
[雌花]
最初は中央のメシベがバラバラで雌花
[雄花]
そのうち中央のメシベが合着してくると雄花になる
学名:Illicium anisatum L.
英名:Japanese star anise
別名: シキビ、ハナノキ、ハナシバ、コウシバ
科名・属名:マツブサ科 シキミ属
原産地:日本(宮城県以西)、朝鮮(済州島)、中国
ちょっと余談。
漢字で書くと樒(しきみ)だが、別の文字で木編に佛と書くものもある---梻
木編に神だと榊(さかき)---榊
これは榊が神様に供えたり、神式の儀式に使うものだからで、それに対して仏に供えるものが梻ということらしい。
ちなみにこの梻という文字は環境依存文字になっているので、特定の環境以外で使用するときちんと表示されないかもしれない。
こんばんは。
梻の花にそんな秘密があるとは知りませんでした。
いろいろ勉強になります。
実は、私、梻の匂いが嫌いじゃ無いというより好きです!
仏花を組むのに購入した梻に根がありました。花が咲くのを楽しみに植えてみますね。
シキミの香り、いいですよね〜♪
シキミから作られたお線香もあるのを知り、買ったこともありました。クセになるような香りでした。
で、早速ネット注文しました!
情報ありがとうございました。