「カラスウリ」の花が咲いていた。
それも、もうすぐしぼみそうな花。
本当ならばレースのようなもっと繊細な花なのに。
でも見られただけラッキーだった。
[カラスウリ・雄花]
咲いていたのは雄花だった。
カラスウリの雄花と雌花の株は別になっている。
隣には雌花の付いている株もあったが、時間的にすべてしぼんでいた。
雌花かどうかは花の元を見ると分かる。
元が膨らんでいるのが雌花で、カラスウリになる準備をしている。
[カラスウリ・雌花]
雄花と雌花の違いは、雄花のおしべの先端は別れていないが、雌花のめしべは先端が3つに別れている。
この時はすでにしぼんでしまっていて、めしべは見られなかった。
でも、その後何度か見に行ってやっと雌花に出会うことができた。
雌しべの先端が3つに割れているから、これは雌花に違いない。
これが秋には赤くなり、「カラスウリ」になる。
雌花が枯れて、花の元が膨らみ、カラスウリができている株もあった。
カラスウリの花は夕暮れ以降に咲いて夜明け前に閉じてしまうため、開いているのを見るのが難しい。
夜間に咲くのは、花粉を媒介する「エビガラスズメ」という蛾が夜行性であるためと言われているが、どうなんだろう。
この蛾はヒルガオ科の植物の葉を食べて成長すると言われているのに、カラスウリはウリ科なので・・・
学名:Trichosanthes cucumeroides
英名:Japanese snake gourd
別名:タマズサ(玉章)、カラスノマクラ
原産地:中国、日本
カラスウリの実の中には20~30個くらいの種が入っている。
この種の形が面白く、いろいろなものに似ていると言われている。
打ち出の小槌だったり、カマキリの頭だったり、玉章(たまずさ、結び文のこと)だったりと。
別名のタマズサ(玉章)はそれで付いたもので、現在ではラブレターのことを指す。
また、大黒天が持つ打ち出の小槌のようにも見えるので、財布に入れると「金運のお守り」になるとも言われている。