「ハス(蓮)」の花は朝早く行かないと見られない。
以前住んでいた近くに大きな沼があり、そこにはハスの群落があった。
そしてその沼には『ハス見舟』というのが運航されていた。
朝早く行ってそれに乗り、船頭さんのガイドを聞きながら群生している場所まで行き、一回りして帰ってくるというコースだった。
風情があると好評だった。
でも、今ではそれは運航されていないようだ。
どうしてそうなったのか。
それは、このまま群落が拡大していくと水質や生態系への影響が懸念されるので、沼の水質保全委員会なるものが「ハスの生育抑制をしよう」、ということを決めたのだった。
ところが、それを決めたとたん、原因不明だがハスの群落が縮小し始めてしまったらしい。
人間がしようとしたことを察知したのかどうか分からないが、今ではほとんどのハスが枯れてしまって、もう見ることができなくなってしまったようだ。
もちろん、ハス見舟も運航をやめてしまっている。
ハスは、水底の土中に塊茎をつくり、そこから葉と花茎を水面に伸ばす。
塊茎はレンコンとして食用にされている。
でも、主に食用にされる系統と、花を楽しむ系統に分かれていて、花を楽しむ系統の塊茎は、あまり太くならず、食用には向かない。
花は早朝開き、お昼には閉じる、そのサイクルは4日間で、4日目になると花びらは開き切り、花芯の黄色の部分が見えるようになってくる。
その後、花びらを落として散る。
- 学名:Nelumbo nucifera
英名:Lotus
別名:池見草(イケミグサ)、水の花(ミズノハナ)、蓮華(レンゲ)、ハチス
- 科名・属名:ハス科 ハス属
- 原産地:インド、中国、オーストラリア、日本
---- ハスとスイレンの違い ----
水面すれすれの位置に葉と花を広げ、葉に切れ込みがあるのがスイレン。
水面から高く茎を伸ばして花や葉を付け、葉に切れ込みがないのがハス。
[スイレン]