映画とライフデザイン

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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 佐藤江梨子

2011-01-20 20:21:33 | 映画(日本 2000年以降主演女性)
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」は佐藤江梨子が女優くずれの役を演じるコメディである。まさに適役といった感じだ。脇の俳優の演技も冴える。傑作という訳ではないが、悪くはない。



北陸石川県の田舎でトラックにある夫婦がはねられるシーンからスタートする。
死んだ夫婦には兄こと永瀬正敏夫妻と妹佐津川愛美が同居していた。その訃報を受け、長女こと佐藤江梨子が東京から実家に戻ってきた。女優になることを目指して上京していた佐藤江梨子は自己チュウの固まりのような女だ。親の仕送りで生活していた。4年前上京を父親に反対された佐藤江梨子は、父をナイフで切りつけようとして、止めに入った兄こと永瀬正敏の額に傷跡を作ってしまった。そして、家族の話を妹は漫画にして投稿してホラー漫画雑誌に掲載されてしまったのだ。それがあってか妹へ尊大な態度をとる。
北陸にいる間に東京の所属事務所をクビになった佐藤江梨子は、雑誌の記事を見て、新進映画監督に自己PRの手紙を送る。あとは実家でわがまま放題でぶらぶら。しかし、次回作のヒロインとして起用したいという文通相手の監督からの手紙が届き、佐藤江梨子は有頂天となる。でも一筋縄ではいかない。しかも東京から借りた金返せと男がやってくるが。。。。



もともとの原作があったわけだが、登場人物の人物設定が実におもしろい。
女流作家の作品だけに3人の女性のキャラが傑作である。
佐藤江梨子のおバカキャラの女優役はまさにはまり役だ。原作者のイメージ通りだろう。極度に自己中心に世の中がまわっているような人物。こんな個性を示せる俳優は他に見当たらない。おバカキャラが売りの里田まいではイメージが違う。
ただこのストーリーを仕切っているのは妹役だ。暗い人物設定で背も低く、バカでかい佐藤江梨子と対照的だ。でも賢い。姉の佐藤江梨子の常に後を追い、漫画のネタにしようとしている。彼女が描くホラー漫画を時折画面に出すところが御愛嬌だ。ラストにかけての展開がおもしろい。
永作博美が永瀬正敏の妻役だ。これがまた味がある演技をしている。もともとコインロッカー孤児で東京の施設育ち。お見合いで田舎に来たが、夫永瀬正敏はいつも冷たい態度をとる。しかも夜の接触もない。かといって帰るところもないわけだから、変人だらけの家族に音もあげず付き合っている。ある意味かわいそうな存在だが、そんなところを全く感じさせない。つらいことにもあっけらかん。
彼女は比較的シリアスな役が多いだけに何か面白い。

そういう配役の妙を感じた。

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