映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「天才作家の妻」 グレン・クローズ

2019-10-14 21:59:45 | 映画(洋画:2019年以降主演女性)

映画「天才作家の妻」は2019年日本公開の作品


グレンクローズといえば危険な情事の不倫騒動で、一度手をつけたマイケルダグラスにつきまとう狂乱のパフォーマンスを思い浮かべる。これはすごかった!すでに30年以上の月日がたち、熟年の役が目立つようになっている。当然演技派の彼女が出るだけで映画が引き締まる。

その彼女がアカデミー賞主演女優賞の最右翼となった作品が「天才作家の妻」(英題:the wife)である。ゴールデングローブ賞は受賞している。タイミング合わずdvdスルーとなったが、ようやく見れた。

まさに今はノーベル賞の受賞者が発表される時期である。受賞の知らせが来たことで夫婦で大喜びするが、実はストーリー立てして書いているのは受賞者の夫ではなく妻だという話である。アカデミー賞の作品賞にはならないだろうなあという部類である。でもさすがグレン・クローズ、ここでも存在感あふれる演技で映画のレベルを引き上げている。話のオチをどうおさめるのか気になってストーリーを最後まで追ってしまう。


小説家ジョゼフ・キャッスルマン(ジョナサン・プライス)と妻ジョーン(グレン・クローズ)のもとに、ノーベル文学賞受賞の電話がスウェーデンよりかかってくる。二人は手を取り合って喜ぶ。そして、2人は授賞式が行われるストックホルムに向かう。搭乗機の中である男に話しかけられる。ジョゼフの伝記を書こうとするナサニエル(クリスチャン・スレーター)である。到着後、ジョーンは気分転換で外出しようとしたらナサニエルに再度声をかけられる。そして話を聞いて、夫と自分の「秘密」について知っているようで動揺する。

元々ジョゼフとジョーンは教授と教え子の関係だった。妻子がいるジョゼフが教え子に手を出してしまったのである。ジョーンは文才に恵まれていたが、自分の名前では誰も小説を読んでくれないとあきらめていた。一方でジョゼフにはジョーンほどの文才がなかった。

授賞式の晴れ舞台に向かおうとしたが、ナサニエルが息子にまで疑惑を語り始めたことを知り、ジョーンは動揺してしまう。また、ジョゼフが現地の女性カメラマンにちょっかいを出したことやこれまでの浮気癖に対する不満や怒りで爆発しはじめるのであるが。。。


1.ゴーストライター
どんな内容が小説で書かれているかは語られない。ここでは回想ということで、若き日の2人の姿を映し出す。若き日のジョーンは小説論を語る教授にあこがれる一人の若き女子学生に過ぎない。最初は娘のベイビーシッターをやってくれとバイトを頼まれるだけだった。


でも研究室で個人教授を受けるとジョゼフは手を出してしまう。そして、妻子を捨て結婚に至る訳である。ここでは、教授の書く小説に対して、登場人物にリアル感がないときつい論評をする彼女の姿がある。でも、こういう小説の評価と恋愛は別だといって結ばれ、結局は主に書くのが妻になっていくのだ。1日に8時間書き続けるというセリフもある。

ジョゼフの伝記を書こうとするナサニエルは、大学に保存されている妻ジョーンが書いた小説がよくできていること。夫が書いた若い日の短編があまり優れたものでないこと。前妻に取材したときに、夫が自分と別れてから文才を発揮するようになったことを聞いたことなどから、実は本当の作者はあなたでしょと妻ジョーンを問い詰めるのだ。

2.グレン・クローズのパフォーマンスと娘
ノーベル賞の受賞者がスピーチをするのは慣例のようだ。そこで、夫は妻のおかげで自分があるとばかりに賞賛する。それが妻が気に入らない。晴れのパーティ会場を去ってしまうのだ。ここから見せるグレンクローズの演技が見どころである。でも、このあたりの変貌は男性の自分にはよくわからないところだなあ。なんでこうなの?と思ってしまう。いかにも女性しかわからない不可解さだ。


ここでの若き日の想い出の映像でグレンクローズの若き日を演じるのはアニー・スタークである。なかなかいい女だと思ったら、なんとグレンクローズの実の娘だという。これはびっくりだ。


でも、生まれたのが1988年の4月だという。これって映画「危険な情事」の撮影くらいに仕込んだんじゃない。やっぱりあの映画は彼女にとっては大きな存在だということがわかるなあ。
危険な情事
グレンクローズの狂乱の記事

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする