降格への危機感・・・神戸戦観戦記?

2007-03-19 | 独り言

2007J1第3節
横浜FM(H) vs 神戸(A)@日産スタジアム  1-4
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「志士は溝壑に在るを忘れず、勇士はその元を喪ふを忘れず」

『孟子』の一節。
志を持つ者は、自分の遺骸が溝に堕ちている情景を常に思い浮かべ、
忘れてはならぬもの、という意味の言葉だ。
某元首相がこの言葉を引用したことで、急に安っぽく感じられるように
なってしまったが、昔から大好きな言葉の一つだ。

常に危機感を持ち闘うこと、
常に緊張感を持って闘うこと、
「事」を為すには常に相当の覚悟を持ち挑むということ、
そこに言い訳など通用しない。
今はこの言葉が強く身にしみる。


相手は神戸。
序盤からやや攻勢だったのは横浜。
しかしボールポゼッションは上回るものの、
チームとして統一された攻撃の意図をそのプレーから感じる事は出来ない。
鈴木がボールをおさめても、連動性がなく繋げられない。
前に動きがなく、後方からボールが出せない。
逆に前が動こうにも、後方の判断が遅くボールが回ってこない。
チグハグさが目立つ。
開幕の甲府戦に比べると、やや功治のプレーが低調に感じた。
マルケスの不在で功治への負担が大きかった事も考えられる。
改めて、うちの攻撃は功治頼みだということを感じざるを得ない。

この日、Jデビューとなった陽介
鈴木、坂田と共にFWの一角として先発。
中盤に下がって積極的守備を見せるなど頑張りは認められたものの、
残念ながら攻撃陣として役割は果たせなかった。
正直、組合せにも問題があったように思う。
陽介が先発という前日情報から、坂田は先発から外れるかと思っていた。
素人考えではあるが、この点にも疑問が残った。

徐々に神戸にペースが傾く。
序盤から中盤には違和感があった。
前線からのプレッシャーはなく、中盤の守備はスカスカ
中央突破される場面が多々。
神戸はサイドからの攻撃が脅威と聞いていたが、
サイドは横浜側も無難に対応していた。
しかし如何せん中央からの攻撃への対応が悪く、何度も脅威を与えられる。

序盤は久々に先発の良治も不用意なバックパスが見られ、
なかなか落ちつかない様子だったものの、やはりそこはベテラン
時間が経つほどに、安定感がではじめ、攻撃への積極性も見られた。
しかしこの日不調だったのが、相方の河合。
運動量、判断力も鈍く、軽いプレーが多かった。
元々は正反対のプレーをする河合だけに、心配だ。

中盤の低迷もあり、神戸の勢いを殺すことが出来ない。
そんな中、飛び出し相手と交錯した哲が一発レッド退場
正直、スタジアムでは何が起こったのかわからなかったし、
今でもよくわからない。
誤審だったとも言われているが、
ただあのような場面で哲のプレーも軽率だったことは否めない。

哲の代役には高桑。このことで陽介がベンチに下がった。
数的不利に陥ったばかりか、攻撃に更なるどん詰まり感があらわれる。
交代枠も減ってしまい、その後に影響したことは否めない。
ミスも多かった隼磨や河合を替えることも手かなとも思われたが、
不用意に交代枠を使うこともできなかった。

哲の退場により与えてしまったゴール正面のFKからの流れで失点。
その後、なかなかいい攻撃を組み立てられずにいたが、
この日前線までボールを追うなど積極性を見せていた良治の見事なボレー
前半のうちに追いつくことが出来た。

この同点弾で勢いを増すかと思われた後半。
後半20分のプレーで全てが終ってしまった
ゴールキック。
佑ニに出そうとしたボールを前線に残っていた相手に”アシスト”
この2失点目が全てだった。
もちろん勝ち越されたからといって、全てが終るわけじゃない。
しかし今の横浜にはその力がないようだ。
明らかに集中力を欠いた中でのミスによる失点は、気力を奪ってしまった。
そしてそんなチームを叱咤する存在もない。
ラインを上げれば失点、焦れば焦るほどミスは多くなり失点。
あれよあれよという間に、4失点。
マイク、乾を同時投入するも焦りが色濃く、
この交代でチームとしてどう攻撃していくのか不明確になり、
まるで機能せず、状況は益々悪くなった。
試合後のブーイングも怒りと言うより情けなさに満ちたもののようだった。


最後に優勝した年からもう3年目。
ベテラン選手が解雇され、若手を含めた新戦力が大量に加入した。
一つの時代は終ったのだ。
あの頃とは違う、新しいマリノス。
新しいチャレンジをしていこう、チームを変えていこう、
その意識は強く感じる。
だが、どこかで変わらない意識を感じる。

花の命は短い。
だからこそ、誇り高く、尊く、美しい。
優勝も、王者という地位も、とても儚いものだからこそ尊い。
「自分達は誰にも負けない」そんな時代はとっくに過ぎてしまったこと、
闘いは常に危険とともに存在するということから目を背けないで欲しい。
新しいことをしているのだから、
先はまだ長いから、それを言い訳にいないで欲しい。
新しくなろうとしているからこそ、
常に危機感を持って目の前の闘いに臨んで欲しい。
監督にも選手達にも。

危機感を持つことと、ネガティブになることは違う。
決して後ろ向きにならず、しっかり顔を上げて、
選手一人一人がこの危機的状況を自覚し、奮起してくれることを願う。
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あまりにショック・・・

2007-03-15 | 横浜F・マリノス

【長谷川が骨折で前半戦絶望的/横浜M】(カナロ○
【早野新監督に試練…横浜M・長谷川が骨折で全治4カ月】(サンス○
【横浜M・長谷川が全治4か月…U―20W杯微妙】(報○
【マルケス重傷 肉離れで全治6週間】(スポニチ○
【横浜オフ明けにいきなり紅白戦】(ニッカ○13日

右第五中足骨骨折。
最悪の知らせだった。
第五中足骨骨折と言えば、サッカー選手にはよくあるポピュラーなもの。
自分もバスケをやっていた頃に同じ箇所をやったことがある。
捻挫などをしている時に無理をすると疲労骨折に至るらしい。
アーリアの場合、練習の際の接触による外傷性か、
疲労性だったのかは練習を見に行っていないのでわからないが、
いずれにしても全治4ヶ月ともなるとかなりの重症に変わりはない。

治療としては骨折だから、手術後は骨がつくまで安静、
その後はとにかくリハビリしかないわけだが、
やはり精神的なケアを十分にしてあげて欲しい。
横浜としてもレギュラーで頑張っていた戦力の離脱は痛いところだが、
本人も意欲的にプレーしていただけに悔しいだろう。
そして何より、今年開催されるWY
出場はかなり微妙。
アーリアにとってはこちらの方がダメージは大きいはず。
Jでも開幕先発デビューし、どんどん自信も深めていた時だろう。
本当に辛い。代わってやれるものなら、いくらでも代わるのに・・・。
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ダービーの屈辱・・・横浜FC戦観戦記?

2007-03-13 | 横浜F・マリノス

J1第2節
横浜FC(H)vs 横浜FM(A) 1-0
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開門前。すでに三ツ沢には歌声が響いていた。
それに対する相手からのブーイング。
この空気があまりに心地よい。
以前、リヴァプールサポーターと過ごした時間を思い出した。
この空間を日本で味わえるのは、やはりこの対戦ならではなのかもしれない。
どうしてもフリエとのダービーの頃のような感情が湧いてこなかった自分だが、
この光景に、高鳴る鼓動を確かに感じた。

開門は通常より一時間早い試合3時間前。
それでもその3時間が長いと感じられることは全く感じられないほどの、
気合の入ったゴール裏およびバクスタ。
ビジターエリアに無理矢理押し込められたようで暑苦しいほどの
ゴール裏であった(苦笑)

試合直前、良識を持ったものであれば中立の立場であるはずの横浜市長が、
是非横浜FCに勝って欲しいと発言。
(まぁ、今までは日産スタに来ては挨拶していたわけだ)
当然のことながら、こちらからは大ブーイング
さっさと走って帰っていった市長。
恐らくここまでのブーイングを受けるとは想像もしていなかったのだろう。
この発言に憤りを感じることは元より、
この対戦の意味を全くシラネー奴がサッカー利用してんじゃねーよ、と。
さらにヒートアップするサポーター。

試合開始。
明らかに異変を感じた。
開幕戦のように序盤から攻撃を仕掛けるであろうと予想されたFM。
しかしバランスは最悪で、中盤のこぼれ玉を全て相手にさらわれる。
DFがはね返したボールはすぐにFCの前線に運ばれてしまう。
DFラインもバラバラで序盤から何度も危ない場面に。
久保を意識しすぎたのかもしれないと試合後には言われていたが、
久保のみならずFC全体のラインが想定外に高かったことが、
FMを惑わせているようだった。

なかなか落ちつかない時間は予想以上に長く、その中でついには失点
失点前のプレーで佑ニが倒され、ファールかと思われたが、
(肘うちされたとアピールしていたかな?)
主審の名前を見れば、当然うちへ対するファールなどは取ることもない。
終始このようなジャッジを繰り返していったわけだが、
例え手でゴールをしても見逃してしまうような主審であることは、
FM側はFC側よりも重々承知していたはず。言い訳にはならない。
しかしこれをうまく利用したのはFC側だ。
これはFMの学習能力、認識の甘さを疑わざるを得ない。

失点後はようやく、ゲームが落ちつき始めた。
猛攻を仕掛けるFM。しかし単調な攻撃しか見られない。
若手起用しているところで浮き足立つケアレスミスも見られ、
ペースを掴みきれない。
功治やマルケスの動きを封じられていたことも大きかった。
前半中盤にマルケスが負傷するというアクシデントにみまわれ、
投入されたのはJデビューの乾
乾の新人らしからぬ、FC守備を翻弄する積極的なプレーに、
それまで全く感じられなかった(苦笑)得点への期待感がわく。
相手DFを崩すキレのあるドリブル、DF裏に出される鋭いスルーパス
新人ばなれしたプレーはスタンドを沸かせるも、
それに反応できない大島・・・
鈴木の出場停止を受けて、この日先発した大島の弱点は足の遅さ。
坂田などが出ていれば状況が変わっていたかもしれないが、
マルケスの負傷というアクシデント絡みだったこともあり、
全くの計算違いで、折角の乾のプレーも全く活かせることが出来なかった。
しょうがなかったもんな、こればかりは。

後半に入ると益々一方的に攻撃を仕掛けるFM、そして守るFC。
乾の動きから功治の動きも良くなっていく。
裕介もフィットし始め、果敢にサイドを駆け上がる。
しかしチーム全体がいま一つ噛み合わない。
引いて守る相手に対して不要な横パスが増え、判断の遅さを感じる。
後半は相手もほとんど攻めてこず、両CBが難なく跳ね返していたので、
守備面では1度のプレーを除いて、追加点を取られる不安はなかった。
それだけに無駄に時間を使ってしまうプレーが多かったのが悔やまれる。
頼みは、功治、乾の個人突破。
これも効果的ではあったが、前線の連携がとれていないため、
相手を脅威に貶めるほどの攻撃に繋がらない。
坂田とマイクを投入もこれといって効果はなく、
あっという間に90分が経過してしまった。
相手の遅延も多く、完全にFCの戦術にはまってしまう形になった。

相手があのようなサッカーをしてくることは、
J2然り、開幕戦を分析すれば容易にわかっていたはずだ。
しかしながら、その対策をしていたとは試合を見る限りは感じられなかった。
その点でもうちの甘さが出たのかなと。
勝利に拘る姿勢の差が結果となって表れた、その通りだったと思う。
個人的な感情は別として、チームにとってこれが”ダービー”という、
闘いだったのであれば勝たなければ全く意味の無い試合だったわけで・・・
それ以上でも、それ以下でもなく、勝利が全てだったと。
でもなー、試合後の挨拶、コメント等からも選手達から、
そんな気持ちを感じなかった、というのが正直なところ。
ややピッチ上とスタンドの間に温度差があったように思ったよ。
正直負けた事以上に、この時が一番悔しかった。
内容的にもダービーという名とは程遠く、乏しいものだった。
しかしこの試合で屈辱的な思いを選手達が経験したのはたしかであり、
これから何かが変化していくのかもしれない。

この日、Jデビューを果たしたは十分にそのポテンシャルを発揮した。
身体の細さは気になるものの、何よりそのハートの強さがいい。
全く物怖じしない新人に、頼もしささえ感じた。
まだまだ足りないところも多いが、明らかに乾のプレーがうちに齎す
攻撃オプションは格段に多くなるように思う。
今回の出場はアクシデントによるものだったが、
今後このプレーをどう活かせるか、選手起用も含めて楽しみができた。
この事がこの日、唯一の救いでもあった。


最後にひとつ。
フリエ時代からの悪友(フリエサポ)がいる。
”あの時”から彼はスタジアムに足を運ばなくなった。
今回の結果に、当然のことながら、いいだけ彼には馬鹿にされた。
しかし彼はあれを見ても、ゴール裏に戻るつもりはないという。
いつになったら彼と再び本気で闘えるだろう。
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